議会質問

公営企業委員会質疑「下水熱利用促進を要望」

  • 2016年11月22日 火曜日

平成二十八年十一月二十二日(火曜日)
第十委員会室
午後一時開議

○塩村委員 私の方からはまず、待機児童の解消に向けた取り組みとしまして、下水道局が所有をしている土地についてお伺いをいたします。
私の地元の世田谷区は、待機児童が大体毎回ワーストと深刻な状態です。世田谷の特性としまして、園庭を望む声も多く、都市部である世田谷では土地の確保が一番の問題であり、特区制度を利用した保育園の開設にもいち早く名乗りを上げております。
東京都では、都有地を活用した保育所等の整備を推進するため、副知事をトップとして全庁横断的な都有地活用推進本部を設置し、民間保育事業者からの照会や提案に回答をする窓口、とうきょう保育ほうれんそうを開設されました。下水道局はどのような協力をして、待機児童解消に貢献をしていくのかをお伺いいたします。

○田中経理部長 都有地活用推進本部では、公営企業を含む全ての局等が所管する都有地を対象に洗い出しを行い活用可能性を検討した上で、区市町村に対して、それらの土地の情報について提供していくこととしてございます。
現在、本部からは、各局に対して活用可能な土地の洗い出しが求められており、当局においても所管する用地について精査する作業に取り組んでいるところでございます。

○塩村委員 ありがとうございます。働き方や家族構成など、時代が変わり、保育園の絶対数が足りない状態ですから、解決するまで下水道局も積極的に協力をしていってほしいと思います。
また、保育園だけではなく、都市部では、子供たちが放課後にちょっと遊べるような広場も足りないと区議会議員より要望を受けております。未来を担う子供たちの育ちには、遊びも重要です。広場や公園などの要望にも応えていただけましたら幸いです。
次に、下水汚泥の処理と処分についてお伺いをいたします。
下水道法は、努力義務とはいえ下水汚泥の軽量化を義務づけているのは、多量の水分を含んだまま処理や処分をすると大変なコスト高につながり、運搬費を含む汚泥処理費の高騰につながって下水道経営を圧迫するからです。
下水汚泥は、発生時現物量ベースで見てみますと、日本で発生をする全ての産業廃棄物のおよそ二割を占めており、今後も増加傾向にあるとのことです。これらの汚泥をそのまま埋め立てる最終処分場も全国的に逼迫しており下水汚泥の削減が急務です。そのため、下水汚泥の有効活用とリサイクルの必要性が急速に高まっております。
下水道は二十四時間三百六十五日稼働し、管理と運営には莫大なコストがかかります。特に負担となっているのが電気代と汚泥処理費です。汚水くみ上げやエアレーションに大量の電気を使いますから、下水道処理場が使う電力消費量は、日本の電力消費量のおよそ〇・七%、莫大なことです。この割合の構成比は、日本と東京を置きかえてみても、都もおよそ一%に相当し同じです。
そして、下水汚泥は、活用されず処理場で最後に残った最終残渣、脱水汚泥や焼却灰は処分業者にお金を支払って引き取ってもらいますが、これが汚泥処分費で、これに運搬費までかかるのが普通ですから、量がふえればふえるほど処分費がかさむと聞いております。ということで、下水汚泥の有効活用が注目されて久しいです。
そこでまず、東京都はどのように下水汚泥を処理しているのかをお伺いいたします。

○中島施設管理部長 下水処理の過程で発生した汚泥は、区部と流域下水道を合わせて、一日に約二十万トンとなっております。発生した汚泥は水分量が非常に多いため、汚泥処理施設において濃縮、脱水といった工程により水分を減らした上で、焼却炉で焼却し、一日約百トンの焼却灰とすることで大幅な減量化を図っております。この焼却灰につきましては、適切に運搬、埋立処分を行っているとともに、一部は資源として有効活用をしております。

○塩村委員 ありがとうございます。ご答弁を伺いますと、資源として有効活用している、つまりマテリアル利用しているということでございます。
マテリアル利用というのは、固形物として下水汚泥を利用しているということですが、これまでどのように下水汚泥をマテリアル利用してきたのか、その割合と推移をお伺いいたします。

○中島施設管理部長 東日本大震災以前は、セメント原料や軽量骨材、炭化物、アスファルト舗装の材料などとして、下水汚泥の約八割を資源化しておりましたが、汚泥から放射性物質が検出された以降、資源化を見合わせておりました。
現在、放射性物質の濃度が低下してきたことから、安全性を確保しつつ、下水道工事で使用する鉄筋コンクリート管の材料や建設資材としての軽量骨材などとして試行的に資源化を再開しておりまして、平成二十七年度末の下水汚泥の資源化率は約五割となっております。

○塩村委員 ありがとうございます。放射性物質が検出され、セメント会社からも受け入れてもらえなくなったと聞いておりまして、二十三区の下水汚泥のマテリアル利用は、下水道局の経営レポート二〇一二にあるように、一割強と全国でも最低の水準にまで落ち込んでいた時期もあったものの、少しずつ利用率は回復をしているとのことです。
一方で、まだ資源化率は五割とのことですから、残りの五割は埋立処分をしていることになります。
そこで、今後の資源化率向上へ向けての見通しや改善策、東京都の未活用下水汚泥の活用法をお伺いいたします。

○神山計画調整部長 汚泥焼却灰の受け入れ量の拡大や新たな受け入れ先の開拓などによりまして、資源化の早期回復を図るため、関係機関との協議を推進しております。また、粒度を調整した焼却灰を有効活用した鉄筋コンクリート管や組み立てマンホールなどの二次製品につきまして、東京都の公共工事での利用拡大に向けて取り組んでいるところでございます。
さらに資源化メニューの多様化などを図るため、リン濃度の高い余剰汚泥を分離することで、焼却灰をリンとして資源化する技術の開発にも取り組んでまいります。
今後も、限りある埋立処分場の延命化を図るなど、下水汚泥の資源化を推進してまいります。

○塩村委員 ありがとうございます。さまざまな取り組みを推進していることがわかりました。今後も、安全性に留意をしながらリサイクルの推進をお願いしたいと思います。
リンの話がありました。特にリンの資源化は重要で、リンは窒素、カリウムと並ぶ肥料の三大要素の一つであり、食料生産に欠かせない重要なものであります。
しかしながら、日本は原料を中国やモロッコなど海外からの輸入に依存しており、産出国では輸入制限もあって価格が上がったり下がったり乱高下しまして、近い将来の枯渇も予想されているというリン資源の確保は、国家的課題とのことですから、ご答弁にありました技術の開発に期待をしております。
さて、下水汚泥は、この東京のような大都市であればあるほどに大量に発生しまして、石油や石炭のように遠くから運び入れる必要のない集約型、都市型の資源エネルギーであるといわれております。今回、参考にしました日経の資料によりますと、日常生活の中で必ず発生をする量的、質的に安定をしたバイオマス資源で、人間が存在をする限り枯渇することがない再生可能エネルギーとのことです。つまり下水汚泥をエネルギーにして、化学燃料の使用をリデュースできれば、地球の温暖化対策にも貢献ができます。
政府は、二〇一四年四月に閣議決定をしました第四次エネルギー基本計画には、再生可能エネルギー導入の最大限の加速と積極的な推進を明記し、下水汚泥もその一つとして利用の推進が盛り込まれました。また、地域性の高いエネルギーは、地域の特性に合わせた推進が重要とされました。
そういうことを踏まえまして、ここから先は、先ほどのマテリアル、固形物としての利用からエネルギー利用に質問の方向性をシフトしていきたいと思います。
下水道汚泥の有効活用は、大きく分けて二つの分野に分けることができ、マテリアル利用、そしてもう一つはエネルギー利用です。最近は、バイオマス資源としてのポテンシャルから、エネルギー利用に注目が集まっております。農林水産省のバイオマス活用推進基本法では、二〇二〇年までに下水道場でのバイオマスとの混合利用などを通じまして、下水道汚泥の八五%が利用されるということを目指すとのことです。
一方で、下水道行政を所管する国土交通省が最も重要視しているのがエネルギー化率です。第四次社会資本整備重点計画、二〇一五年から二〇年ですが、こちらの方でエネルギー化を期間中に約三〇%に引き上げるとの新目標も打ち出しておりました。
下水道バイオガスの発生量は一三年度でおよそ三億立方メートルで、その七割がエネルギー利用されており、残りの三割が利用されず焼却処分となっております。未利用分の活用は課題とされています。
例えば、福岡市なんですけれども、世界初の下水汚泥から水素を実規模レベルで量産をする水素製造装置と燃料電池車に供給をする水素ステーションが設置され、稼働を開始しております。資源エネルギー庁が、平成二十四年に創設しました再生可能エネルギー固定買い取り制度を各地で活用しているわけですが、神戸市は、バイオガスを天然ガス自動車の燃料と都市ガスとしての利用をしまして、およそ二千万円の収入を得ているとのことです。
このように、各地で強みを生かしながらエネルギー利用しておりますが、東京の特性を生かしたエネルギー利用、どのようになっているのかをお伺いいたします。

○神山計画調整部長 区部と多摩地域を合わせまして、昨年度の実績で一日約五百五十二万立方メートルの下水を処理するために、揚水や送風機などの設備に大量の電力を消費していることから、再生可能エネルギーを活用した発電の取り組みを進めております。
まず、森ヶ崎水再生センターでは、汚泥の消化を行っており、発生した消化ガスの全てを消化ガス発電に利用しております。発電量は、昨年度実績で、年間二千百万キロワットアワーでございまして、これは約三億円の電気使用料に相当いたします。
発電した電力は、当センターの水処理施設などで全量使用しており、使用電力量の約二〇%を賄っております。また、新河岸水再生センターにおいては、再生可能エネルギーの活用拡大と省エネルギー対策の両立を目的として新たに開発した第三世代型焼却システムの工事に今年度着手したところでございます。

○塩村委員 ありがとうございます。第三世代型焼却システム、エネルギー自立型と呼ばれていますが、こちらを開発しまして、効率的に下水汚泥のエネルギーを活用しまして焼却廃熱発電を行う仕組みとのことですけれども、この新システムですと、外部の電力会社から買うよりも低コストの焼却廃熱発電を行うとともに、その発電量が年間で使用電力量を上回り、補助燃料も必要としなくなると聞いております。
温室効果ガスの削減にもつながりますし、当然、下水処理における電気代が大幅にカットができるようになるということですが、どれぐらいのコストの削減を見込んでいるのでしょうか、メリットをお伺いいたします。

○小団扇技術開発担当部長 エネルギー自立型、いわゆる第三世代型の焼却システムを従来の焼却システムと比較した場合、廃熱発電システムなどが追加されることで建設費などが増加いたします。
一方で、ご指摘のとおり、焼却時の補助燃料が不要となり、購入している電力費より安いコストで発電することにより、維持管理コストの削減効果が見込まれます。これらを勘案した本システムのコストは、これまでの焼却システムと同等以下を見込んでおります。
また、本システムを導入することで、補助燃料及び電力使用による二酸化炭素排出量を大幅に削減できるというメリットがございます。

○塩村委員 ありがとうございます。コストを回収するには初期投資もあり、聞いたところによりますと二十五年ほどかかるとのことで、報道されている印象のような、すぐに全てがプラスになるというわけでもないということでありますが、一方で、現在かかっている補助燃料代も下水道処理における電気代がかからなくなるということは事実ですので、長い目で見れば確実にコストカットになるということで、環境の面とあわせて大変に期待をしているところでございます。
東京都は、焼却で汚泥を有効活用しまして、廃熱電気を効率化し、汚泥のリサイクル率をエネルギー利用でも高めていっていること、そして第三世代型、エネルギー自立型の焼却システムで着実に推進していることがわかりました。
つまり、下水汚泥のエネルギーの利用の重点を、消化ではなく焼却にシフトしていっているということだというふうに感じて、思っております。
最後に、下水熱エネルギーの活用について何点かお伺いをいたします。
下水道は、深く埋設された配管の中を通るため外気の影響を受けにくく、年間を通じて十五度から二十五度の間で安定をしており、冬には暖かく夏には冷たいという特性があります。この差を利用しまして、冷暖房や給湯、融雪などに利用しているのが下水熱のエネルギー利用です。この下水熱を利用するメリットは、省エネの促進、地球温暖化対策、そしてヒートアイランド対策への貢献です。
都は、一九八七年から落合水再生センターで下水熱エネルギーを空調に活用していたということですから、かなり早くから取り組んでいたことがうかがえます。
また、この下水熱は、利用が促進されれば、歳入源にもなると期待がされております。東京都下水道局は、この下水熱を供給することができ、これを熱源として利用できるのは自治体自身や企業、商業施設などです。下水熱は、未利用エネルギーの約四割を占めており、国土交通省は、現在の技術水準を踏まえて、全国の商業系、工業系の地域において、下水から熱エネルギーを回収して、冷暖房や給湯に活用すると仮定した場合、およそ八十万世帯分の熱利用量に相当するとの試算を示しておりまして、期待がされています。
都が年間に処理する下水量は、二十三区でおよそ十六億立方メートル、東京ドームで一千三百杯分相当ですから、熱量はお聞きしているところによりますと、三万三千テラジュールと試算されているすごさでございます。
そこでお伺いをいたします。この下水熱を利用した都の取り組み、あれば教えてください。

○神山計画調整部長 下水道局では、先ほどお話にもありました下水の温度特性を活用いたしまして、平成六年七月から後楽一丁目地区におきまして地域冷暖房事業を開始したことを初め、外二カ所の下水熱利用事業を実施してきております。さらに平成二十七年二月には、芝浦水再生センター上部に建設された業務商業ビルである品川シーズンテラスにおいても下水熱利用事業を開始しており、合計四カ所で実施しております。

○塩村委員 ありがとうございます。現在四カ所、この取り組みはCO2の削減につながりますから、すばらしいと思います。
日経の調査によりますと、地域の要因や個別の案件によって事情は異なるという条件でしたが、数年の幅で見れば、初期投資や運転資金の負担を上回るコスト削減効果が期待できるとのことです。現在は四カ所で稼働中とのことですが、まだまだ普及できるものであれば、環境にもいいですし、長期的なコスト削減にもなり、推進していくべきだと考えています。
都の今後の方針、計画や方向性をお伺いいたします。

○神山計画調整部長 これまで当局が水再生センターやポンプ所で実施してきております下水熱利用事業におきましては、熱交換のためのプラント設備などの初期投資が大きく、利用者から相応の使用料を回収する必要がございます。
したがいまして、相当量の下水が流れていること及び一定規模で安定的な熱需要が望めることなどの条件を満たす必要があり、実施できる場所は限られているため、それぞれの条件に応じまして適切に対応してまいります。

○塩村委員 ありがとうございます。大規模なものは課題も多いようでございます。それでは、中規模とか小規模なものではどうでしょうか。
これまで下水熱は、下水道法の規制で厳しく制限されてきたという事実はありますが、昨年の下水道法の改正で、これまで光ファイバーの敷設を除いて原則禁止をされていたものが、民間事業者にも下水熱の活用に限って、自治体の許可を条件に、熱交換器を下水道管の管路内に設置ができるようになりました。イメージとしてはショッピングセンターやスーパー、保育園などのようです。しかし、そうした規模感を捉えた利用者ニーズを的確に把握をして、マッチングをしていく枠組みづくりも課題と聞いております。
また、将来的な下水道の変動や、一日や季節による熱回収のピークの不一致や冬季の雪やみぞれによる極端な気温の変化で水温の低下の懸念もあり、調査も必要かもと複数の課題点も耳に入ってきています。
下水道局としまして、省エネルギー対策につながる下水熱の利用拡大にどのように対応していくのかをお伺いいたします。

○神山計画調整部長 民間事業者が下水道管渠からの下水熱利用を行うためには、事業者みずからが下水道管渠内に熱交換器を設置する必要がございます。そのため、事業者においても、初期投資や熱需要に見合った水量などの課題が想定されております。
加えまして、都内では合流式下水道の地区が多いため、豪雨時における熱交換器やその配管などが損傷することや、下水の流れを阻害するなどの懸念があるため、こうしたさまざまな課題を解決する必要がございます。
下水道局では、民間事業者による熱利用が促進されるよう、技術支援などに取り組んでまいります。

○塩村委員 ありがとうございます。やはりさまざまな課題があるようです。今、出てきた課題をどのようにクリアにして、法改正してまでも推進すべきだと国が判断した施策に、今後どのように対応していくのかという都の積極的な取り組みと姿勢が問われています。
この下水熱を利用した取り組みは、環境先進国の、例えばスイスでは八十件、ドイツではイケアなどに導入して三十件、中学校では管路内から採熱して実績を伸ばしていると聞いております。
都の今のご答弁は、前向きと捉えたいんですけれども、新しいアースプラン等もできるようでありますし、さまざまな取り組み、しっかりと検討をしていただきたいというふうに思います。
地球温暖化や世界的な資源エネルギー需要の逼迫が懸念をされて、循環型社会への転換、低炭素社会への構築が求められています。従来の下水を排水処理する一過性のシステムから、汚泥を利用した資源エネルギーとして活用する循環型システムに転換をする時代に入っており、今後も力強く推進をしていくことが重要です。
先進的な技術を取り入れ、環境都市づくりに貢献をしてきた東京都下水道局には、今後とも全国のリーダーとして、バイオマスエネルギー、下水熱など、より一層的に活用しまして下水道のイメージを東京から変えていってほしいと期待と要望しまして、質問を終わります。ありがとうございました。

プロフィール

塩村あやか

1978年7月6日生まれ。放送作家として「24時間テレビ」「シューイチ」など数多くの番組を担当。

2013年6月、世田谷区より東京都議会議員選挙に出馬、当選。現在、東京みんなの改革 代表、厚生委員会 副委員長、動物愛護管理審議会 委員として活動中。

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