台風15号による新島村視察


 台風15号による東京島嶼部被害把握のため、9月15日に伊豆諸島の新島村(東京都)を視察した。新島は本村地区、若郷地区、式根島地区(式根島は隣の島)の3地区で、村発表の被害件数は573軒。被害比率は約69%。(15日時点)
山本均村議の案内により島内を順に視察した。

 まず、若郷地区へ。閉校した小学校の運動場脇にがれきが収集されていた。視察時も3人ほどが車でがれきを搬入していた。皆さん落ち着いた様子。

 次に本村地区に向かう途中にあるオープンしたてのごみ焼却場に立ち寄った。住民は普段からごみを持ち込んでいるそうで、混乱はないとのこと。処理場の方によると「まだ式根島の量がはっきりしないが、ごみやがれきは想定よりも少ない」とのことであった。視察中は1台の軽自動車が濡れた段ボールとぬいぐるみを捨てに来た。
 次に空港脇にあるがれき置き場へ。ある程度の量が集積されていた。トタンが多い。次に樹木、石や岩の順。
 今回の台風以上の被害が今後出た場合、島嶼部の重機・車両(トラック)問題が出てくるはず。人間(オペレーター)は本土から移動することは可能だが、重機はそんなに簡単に島嶼部に移動できるものでもない。本土の被害が大きかったりなど、航路が途絶えたりする可能性も勘案し、政治で考えて欲しいと要望を頂いた。


 本村地区の視察。落ち着きを取り戻している様子だという。店も開いている所が多く、観光客も飲食の不自由はなさそうだ。一方、海岸沿いにある温泉2施設やガラスミュージアムは閉鎖中だった。ガラスミュージアムは海に面したガラス壁が割れ、板で応急処置がしてあった。立地的かつ、ガラス細工を扱うという点で被害は大きそうだ。

 特養ホームの視察。破損個所を外から確認。屋根の一部が飛ばされ防水シートで補修。屋上に設置していた浴室エアコンの室外機が1台飛ばされ、まだ再設置できていないとのこと。備蓄は3日と聞いていたが、おかゆは足りなかった。水は災害用飲料水の雑排水の支給に加え、島に所在する防衛施設庁研究所内の施設井戸水を給水タンク車でのピストン補給を受けることができたそうで、節水に努めながら乗り切ることができたとのこと。


 午後は村長と面談。
 農道の倒木撤去は終わったが、枝道の撤去はできていない。その先に農場が多くあるため、今後農業被害が出てくるはずであり、懸念をしているとのことだった。倒木の影響により電気の復旧に影響があったため、無電柱化を推進するためのモデル地区になれたらいいという思いもあるという。今後、台風被害による設備の修繕や不作などで借り入れを行う人に対して利子の補助を考えているとのこと。

 島内を視察して感じたことは、皆さん一様に「これまで経験したことないほどの台風」というが、台風の通り道になることも多いことからも、心構えができているのか対応が早く破損個所の対応などを大きな混乱なく行っていることだった。聞くと、工具が身近にあるという。また、被害比率は約69%と高いが、家屋が土砂で埋まる土砂災害や倒壊ではなかったことと、2日で電気が復旧したこともあり、避難所生活を送る人が出なかったことが島が混乱しなかったことに繋がったのではないか。

 以下、島内で聞いた声を参考に今後必要だと思われることを記す。
☆ 被害家屋や事業所救済のための財政支援(補助)
☆ 島嶼部の備蓄啓発は3日では不足
☆ 内地が激甚被害の場合の想定(特に病人)
☆ 高齢者施設など衛生問題に対応できる体制
:おかゆなど高齢者向けのレトルトの備蓄
:停電・断水対応
:空調等(必要量に対応できる自家発電設備)
☆ 建設系重機・車両の増強