文科省から各都道府県教育委員会に対し、望ましい動物飼育のあり方について周知することに


小学校における動物飼育について「うさぎの飼育状況が悪い」「うさぎが増えすぎて困っている」「土日や長期休暇に給餌や清掃がおいついておらず、かわいそう」「寒空や酷暑で今年も死亡」など多くの相談が寄せられており、劣悪な状況にあります。
これは、小学校学習指導要領によるところが大きく、都議会議員時代から取り組んで参りましたが、当時は対応することができませんでした。
そこで今回、小学校における動物飼育について文科省に質問し、回答をいただきました。
まだまだ不十分ですが、文科省は適切な飼育状況にないところがあることを認識し、今後、各学校において適切な動物飼育が行われるよう、各都道府県教育委員会等に対し、望ましい動物飼育のあり方について周知することになりました。
以下、文科省からの回答です。

➀動物を飼うには「責任を伴う」にも関わらず、責任を果たすことができないと判断した場合に「飼わない」という選択が学習指導要領解説によると、現状はできないことになっている。この認識で正しいか。
(回答)
 小学校学習指導要領生活科第2の(7)において、「動物を飼ったり植物を育てたりする活動を通して,それらの育つ場所,変化や成長の様子に関心をもって働きかけることができ,それらは生命をもっていることや成長していることに気付くとともに,生き物への親しみをもち,大切にしようとする。」としていますが、小学校学習指導要領解説生活編では、「動物を飼ったり育てたりとは,飼育と栽培のどちらか一方のみを行うのではなく,2学年間の見通しをもちながら両方を確実に行っていることを意味している。」としています。
 このため、小学校生活科の学習では、動物を飼うこととなりますが、どのような動物を飼うかは、各学校の実態に応じ、適切に飼うことができる動物を選択することを可能としております。

➁「飼わない」ことが選択肢として示されていない場合、責任ある判断を選択させることができない現状をどう改善していくのか。
(回答)
 小学校生活科の学習において、どのような動物を飼うかは、各学校の実態に応じ、適切に飼うことができる動物を選択することを可能としております。
 小学校学習指導要領解説生活編においては、「動物の飼育に当たっては,管理や繁殖,施設や環境などについて配慮する必要がある。その際,専門的な知識をもった地域の専門家や獣医師などの多くの支援者と連携して,よりよい体験を与える環境を整える必要がある。休日や長期休業中の世話なども組織的に行い,児童や教師,保護者,地域の専門家などによる連携した取組が期待される。」としており、⑤で御指摘いただいたような飼育の状況は適切ではないと考えます。
 また、文部科学省において、公益社団法人日本獣医師会の協力を得て作成した教師用手引き「学校における望ましい動物飼育のあり方」(以下、「教師用手引き」という。)においては、学校における望ましい動物飼育のあり方について具体例も交えて示しています。
 文部科学省としては、今後、各学校において適切な動物飼育が行われるよう、各都道府県教育委員会等に対し、望ましい動物飼育のあり方について周知する予定です。

➂学校飼育に向く動物をどのように考えているのか。飼育動物の種類など学校飼育の実態調査をしていただきたい。
(回答)
 学校において、どのような動物を飼うかは、各学校の判断に委ねられています。
 また、学校における働き方改革が求められる中、新たな調査を実施することは困難ですが、何らかの実態把握が可能か検討いたします。

➃保護者と教員の協力について、長期休暇には「持ち回り制」「休日当番制」などが提案されている。保護者の協力を確実に担保できるのか。また、「学校における望ましい動物飼育のあり方」では、「動物が病気のときは、担任が世話をする」となっている。学校現場は多忙を極めているなか、果たしてそれは現実的か。
(回答)
 各学校において、どのような動物を飼育するかについて検討する際には、休日や長期休業期間中の世話を適切に行うことが可能かどうかについて、学校における働き方改革の観点も含めつつ考えていくことが大変重要と考えています。
 教師用手引きでは、休日や長期休業期間中の世話を行う場合には、例えば、子どもたちの持ち回り制や休日当番制、PTA や子ども会、獣医師会、ボランティア団体等との連携など、各学校が地域の実状に合わせて工夫することを示しています。

➄酷暑でアヒルが昨年死亡、今年新たに飼い始めたアヒルも死亡。劣悪な環境でウサギを飼育する状況もある中、死亡すれば入れ替えできる命、災害時に優先順位が低い命だと子どもたちに教えていることになるとも指摘されている。総合的に考えれば、子どもたちの教育になるよりも逆のリスクをはらんでいるのが、学校飼育である。どのように改善を図るのか。
(回答)
 御指摘のとおり、飼育にあたっては、生命の尊さが実感できるような適切な飼育がなされることが大切と考えています。
 このため、教師用手引きにおいては、学校における望ましい動物飼育のあり方について、具体例を交えて示しています。
 文部科学省としては、今後、学校において適切な動物飼育が行われるよう、各都道府県教育委員会等に対し、望ましい動物飼育のあり方について周知する予定です。

➅「学校における望ましい動物飼育のあり方」の表紙は子どもに囲まれるモルモット2匹である。モルモットは臆病であり、写真の状況は動物福祉の観点からいえば、虐待状態下にあることになる。令和の時代の表紙には相応しくない。誤った印象を与えることからも、変更すべきだと考えるがいかがか。
(回答)
 御指摘を踏まえ、何らかの対応が可能か検討したいと考えています。