去る12月4日に内閣委員会が行われました。
塩村はフィリピン残留日本人2世問題とタイ人少女人身取引事件について、木原稔官房長官、あかま二郎国家公安委員長らと質疑しました。

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https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=8774
塩村の出番は「 0: 31: 40」ごろからです。
当日の質疑の内容は以下の通りです。
【フィリピン残留日本人2世問題】
残留日本人2世4人が東京や那覇の家庭裁判所に日本国籍取得の許可を求めたところ、全件で戸籍を作る申立てを却下されてしまいました。
4人の方々はいずれもDNA鑑定などで日本の親族との血縁関係が確証されていますが、激戦地であったフィリピンでは婚姻の記録が焼失するなどしており、旧国籍法における「父」の存在を証明できないためです。
一刻も早い国籍回復のため、引き続き取り組んでいきます。
塩村:先般、残留日本人の方4人が家裁に日本人であることを認めてほしいと就籍の申立てを行いました。4人とも、DNA鑑定で親族との関係が判明している皆さんで、親族の方も認めてほしいとおっしゃっています。しかし、激戦地となったフィリピンで、結婚式を挙げた教会の記録が焼失してしまったり、戦後に反日感情が盛り上がったため、日本人の子どもであることを隠そうと家族が証明書を処分したりということがありまして、結婚の証拠が残っていないので、DNA鑑定で親族と判明していても日本人と認めることはできないという判断が下されました。親族の皆さんも、早く国籍の回復を認めてほしいとおっしゃっているのですが、こうした結果になってしまい大変落胆しております。様々な問題があること承知の上ですが、官房長官から是非、こうした皆さんに一言声を掛けていただきたいと思います。お願いいたします。
木原内閣官房長官:フィリピン残留日本人の方々におかれては、長年にわたるその御苦労と困難の中で、それでも地域で絆を育まれてきたこと、このことに敬意を表したいと思う。同時に、全ての残留日系人の方々の国籍取得がいまだ実現していないことは、非常に残念で悲しい現実だと私は感じる。日本政府としては、関係者の方々の高齢化が進む中で希望する方々の一日も早い国籍取得や、あるいは一時帰国に向けた支援を進めることが重要であると認識している。このような考えから、本年8月に外務省で訪日事業を実施したところであり、日本の親族と対面し、御尊父の墓参等をされたと報告を受けている。私自身も、その報告を受けたときには大変感銘した。政府としては引き続き、関係者のそういった切なる声を踏まえて、本件に対し真剣に取り組んでいく考えである。
塩村:ありがとうございます。国籍回復だけではないんですね、できることというのは。一時帰国事業というのも是非行っていただき、一度でもいいので日本の地を踏んで、そして親族に会いたいという皆さんの思いをかなえていただきたいと思っております。是非、官房長官にもお力添えをお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【タイ人少女人身取引事件】
発覚からまもなく1か月が経過する同事件ですが、未だ「人身売買罪」の適用がなされていません。
同罪の立証や対策について、どのような課題と改善点があるのでしょうか。

塩村:新聞各社の社説が、人身売買、人身取引を根絶せよとの論調で一致しています。海外からも日本の対応の甘さについて批判を浴びているわけで、日本政府はそろそろ、この人身売買当事国の汚名返上を本気でやっていかなくてはならないと感じています。国家公安委員長はこれまで、人身取引に対して厳正に対処していく認識に変わりはないと答弁されています。そして、刑法226条の2に規定された人身売買罪に該当する場合については、法と証拠に基づいて取り締まってきたとのことでした。これに間違いはないか、一言でお答えください。
あかま国家公安委員長:はい。
塩村:ありがとうございます。国家公安委員長はそのようにおっしゃいますが、2014年からの人身売買の受理および起訴はゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロという状況です。

※図表=法務省提供の資料より、塩村あやか事務所作成
これで本当に厳正に対処できていると言えるのか、お答えください。
あかま国家公安委員長:警察においては、人身取引は重大な人権侵害であるという認識の下、法と証拠に基づいて厳正に対処していると認識している。人身取引に該当し得る行為については、刑法以外に売春防止法や児童福祉法等違反に該当する行為もあると承知しており、そういったあらゆる法令を駆使して人身取引事案の検挙を行っている。あわせて、人身取引事案が場合によっては潜在化している等の御指摘を視野に、情報提供や被害申告を呼びかけるリーフレットを複数言語で作成し、周知する取り組みや、SNSの広告配信を活用した広報、さらには人身取引事案に関する情報を市民から受け付ける匿名通報ダイヤルなど、被害の認知に努めているところだが、引き続き関係機関とも連携し、取り組みを強化していきたいと思っている。
塩村:私のシンプルかつストレートな問いに「できている」と断言できず、これまでの取り組みを説明するというかたちになっていて、申し訳ないですが苦しい言い訳をしているように私には見えてしまいます。タイの英字紙「ネーション」によると、タイ警察の調査では、売春を目的とした女性や子供たちの違法人身売買に関しては過去10年間、日本が最大の市場となっており、毎年約1万人から1万5000人が送りこまれている、との指摘がなされているそうです。改めて国家公安委員長にお聞きしたいのですが、これで本当に厳正に対処できているのでしょうか。一言で、できているのかいないのかという、ここをまずスタートにしていかないと何も改善していかないので、国家公安委員長、本当に短くお答えいただきたいと思います。
あかま国家公安委員長:警察における法令の適用については個別の事案ごとに事実関係に即して判断しており、ある行為が構成要件上「人身売買罪」に該当する場合については、法と証拠に基づいて取り締まってきた。
塩村:やはりストレートに「できている」と答えられないわけですよね。これは改善していかなければならないと、私は思います。続いて、平口法務大臣の御答弁についてお伺いしたいと思います。平口大臣は「法定刑を引き上げる必要があるとは考えていない」「法定刑が軽いとは考えていない」との答弁を繰り返しているわけですが、これは大臣の個人的な御意見なのか、それとも法務省の考えなのか。お答えください。
三谷英弘法務副大臣:法務省としての考えである。これは、人身売買というものがあってはならないことは大前提として、人身売買罪の法定刑については、人身の自由といった保護法益が共通する略取誘拐罪等との罪刑の均衡を考慮しても、軽きに失するとは考えていない、ということである。
塩村:保護法益が同じ他の罪と比較をして踏みとどまっている、動けない、という認識とのことですが、保護法益が同じであったとしても法定刑が違うものはたくさんあって、むしろそちらの方が多いぐらいなわけで。そうではないことを法務省さんが一番よく分かっているかと思います。これは政府全体、そして国会全体で認識を持てば動かせないことはないと思いますし、今動かせないとなると、日本は本当に先進国から転がり落ちてしまうと考えておりますので、是非改善をしていただきたいと思います。続いて、「厳罰化は犯罪の抑止効果があるか」という議論になってくるかと思いますが、過去の事例を見ると警察庁さんも飲酒運転の罰則強化に関して「抑止効果は明らかである」と答弁されておりますし、侮辱罪などでも「しっかり厳罰化をしていくことで抑止を効かせていく」とされています。これは間違いないですよね、と、国家公安委員長にお伺いします。
あかま国家公安委員長:犯罪を抑止する手段は被害防止の注意喚起、早期の通報、相談の呼びかけ、迅速な取締り等々、様々な方法が考え得るが、法令の適用については刑罰の軽重にかかわらず、法と証拠に基づいて個別の事案ごとに、その事実関係に即して判断されるものであると考えている。
塩村:全くもって私が聞いたことに答えられていないわけですが、議事録とか、これまでどのようなものを発表したかを見ていただければ確認できると思いますので、ちゃんとやっていただきたい。厳罰化は効果がないということであれば、罰則要らない、警察要らないということになりかねないので、きちんと向き合っていただきたいなと思います。次に、官房長官にお伺いします。2000年のパレルモ議定書の採択を機に人身売買罪が日本を含む各国で制定されたわけですが、元々人身売買罪があった国はその後2010年代から20年代にかけて、増刑や刑罰の引上げを進めてきました。日本は2005年に人身売買罪を制定して、そろそろそれらの国と同じ水準の見直しを検討すべきではないかと私は考えるのですが、官房長官の考えをお聞かせいただきたいと思います。
木原官房長官:人身取引の根絶を目指して現在、「人身取引対策行動計画2022」に基づく取り組みを進めている。その上で、まずは適用し得る様々な現行法令を全て駆使し、撲滅を図ることが肝要である、との認識である。
塩村:その「人身取引対策行動計画2022」の中に「罰則強化の検討」というものが入っていますが、まだ実施されていません。実施すべきである、と申し上げまして、質問を終わります。










