先月、衆議院から送付された国家情報会議設置法案に関して、
先週8日(金)、立憲民主党からは小島とも子議員が本会議で質疑に立ちました。
さて、いよいよ、5月12日(火)、参議院内閣委員会において
本法案が審議されることとなり、塩村あやかがトップバッターとして
木原官房長官ほか、政府に対して質問を行いました。

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本法案も先日の記事でご紹介した「閣法」のうちの一つです。
今国会、第221回国会では、60本の閣法が提出される予定です。
法案の詳細はリンク先の参議院の公式サイトをご覧ください。
5月12日(火)、午前10時から開会された塩村あやか委員の質疑のまとめを掲載します。
なお、事務所スタッフによる文字起こし(まとめ)です。
参議院事務局による議事録は後日掲載いたします。
国家情報会議設置法案
参議院内閣委員会 議事録(概要)
開議日: 2026年5月12日(火)
質疑者: 【塩村委員】(立憲民主・無所属)
答弁者: 【木原官房長官】、【政府参考人】
1. 立法事実、新設の必要性と検証可能性について
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【塩村委員】 衆議院での議論を通じても、既存体制では何ができず、新組織でなければ解決できないのかが依然として不明確である。立法事実(設置の必要性)を類型として示されたい。また、設置後、何をもってインテリジェンス機能が改善したと評価し、国会が検証できるようにするのか。
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【木原官房長官】 サイバー攻撃や偽情報、経済安全保障など、脅威が複数の政策領域にまたがっている。現状の内閣情報調査室(内調)には「総合調整機能」がなく、各省庁の情報活動の整合性を確保しにくい課題がある。本法案により、閣僚級の「国家情報会議」で基本方針を示し、「国家情報局」が総合調整を行うことで、一体的・総合的な対応体制を確立する。 改善の評価については、政策部門が情報部門を評価する「インテリジェンスサイクル」の確立を目指す。検証に関しては、支障のない範囲で国会に適時適切に説明し、公表可能なものは公表していく。

2. 総合調整権の欠如による具体的支障
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【塩村委員】 総合調整権がなかったことで、実際にどのような困りごとがあったのか、具体例を示されたい。
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【木原官房長官】 現状では、政府全体としての情報集約や総合分析が不十分な場合があった。具体的には、各省庁から官邸へ提供される情報に不整合があったり、複数の機関が同じ調査を重複して行ったりするなどの課題が実際に生じている。これらの支障を組織改変によって解消したい。
3. 第7条に基づく資料提供義務と拒否権・範囲の限界
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【塩村委員】 法案第7条により各行政機関が保有する情報を集約する仕組みだが、関係行政機関の長はどのような場合に提供を拒み、または範囲を限定できるのか。
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【政府参考人】 第7条第1項では、提供側の能動的判断により、会議の調査審議に資するか否かを判断して提供する。第2項の議長の求めによる提供義務についても、法律上明示された範囲を超える要求に従う必要はない。また、個人情報の無用な侵害や政治的中立性を損なうなど、法令に違反する要求も拒否の対象となる。
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【塩村委員】 提供対象に、捜査・公安・在留情報のほか、税務、医療・福祉・教育、さらには自治体や民間由来の情報も含まれるのか。
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【政府参考人】 一概には答えられないが、テロ対策などの議題において、国民の安全に直接関わる場合には、捜査情報や出入国情報の提供を受けることは考えられる。税務や医療情報等についても、法令上の除外規定はない。行政機関が保有する情報が「自治体や民間由来」である場合も含まれ得るが、国家情報会議が直接自治体に資料提供を求める制度ではない。
4. 個人情報の「目的外利用」と判断基準
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【塩村委員】 行政機関が別目的で取得した情報を国家情報会議に提供する場合、「相当な理由」や「必要な限度」を誰が判断するのか。
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【政府参考人】 個人情報保護法第69条に基づき、提供する側(各省庁)が第一義的に判断する。要求側(国家情報会議)も、調査審議に資するかを判断した上で行う。
5. デモ・市民活動の対象化と法文上の歯止め
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【塩村委員】 政府批判のデモや市民活動、労働運動、マイノリティの権利擁護活動などが対象にならないとする法文上の歯止めはどこにあるのか。破壊活動防止法や警察法にあるような「配慮規定(歯止め)」を明記すべきではないか。
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【木原官房長官】 法案第2条に「安全保障の確保」「テロリズムの防止」などを例示しており、政府批判の活動に参加したことのみをもって調査審議の対象とすることは想定されていない。本法案は「組織法」であり、新たな調査・捜査権限を付与するものではないため、既存の法令(個人情報保護法等)の遵守で十分と考えている。特定の配慮規定を置くことは、かえって情報活動の萎縮を招きかねず、適当ではない。

6. 個人情報保護の実効性と今後の運用
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【塩村委員】 誤って集約された情報の内部発見、削除、抹消などの具体的な内部手続きが検討されているか。
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【木原官房長官】 所掌事務の遂行に必要な範囲を超えて情報を求めることはない。法案成立後に作成を検討している「中長期的な推進方策」において、個人情報の保護や政治的中立性を損なわないための具体的方策を検討していく。衆議院の附帯決議も十分に配慮する。
(了)
今回も塩村議員はトップバッターで質疑に立ちました。
参議院で本法案の最初の質疑者であること、そしてこの法案が、
日本中の皆さんが本当に注目している法案であることがよくわかる委員会でした。
塩村委員に続き、同会派の杉尾秀哉委員も厳しく追及していました。
5月14日にも内閣委員会が開かれます。(塩村は質疑者ではありません)
引き続き、皆さんの不安な思いを払拭できるよう、全力を尽くします。

本法案、本当に多くのメディアの方も注目をしているので、
本日の委員会室にはいつもの何倍ものメディアの方が撮影(取材)に入っていました。

この国家情報会議設置法案は、「重要広範」と呼ばれている、極めて重要な法案と位置付けられています。
ここで、重要広範について、国会から「学校」に置き換えて、簡単ではありますが、
説明をさせていただきます🏫
1. 「重要広範議案(じゅうようこうはんぎあん)」とは?
「重要広範議案」とは、国会で審議される膨大な法案の中でも、特に「国民生活への影響が極めて大きく、かつその影響が社会の広い範囲に及ぶ」と判断された特別な法案のことです。
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重要性:その法案が成立することで、国の安全保障や国民の権利、社会の仕組みが根本から変わるような重大な内容を含んでいること。
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広範性:一部の業界や地域だけでなく、日本に住むすべての国民や、将来の世代にまで影響が及ぶこと。
中高生の皆さんに身近な例で言えば、「学校のチャイムの音を変える」のは一部のルール変更ですが、「すべての生徒の行動記録や成績を、学校外の専門機関がいつでも確認できるようにする」というルールを作るとなれば、これは皆さんのプライバシーや自由に直結する「重要で広範な」決定になります。
2. 他の法案との審議上の違い
国会には、この「重要広範議案」を特別に慎重に扱うための独自のルール(慣例)があります。
| 比較項目 | 一般的な法案 | 重要広範議案 |
|---|---|---|
| 首相の出席 | 担当大臣のみで審議されることが多い。 | 内閣総理大臣の出席が必須とされ、直接答弁を行う。 |
| 審議時間 | 内容に応じて柔軟に設定される。 | 十分な審議時間の確保が優先され、拙速な採決は避けられる。 |
| テレビ中継 | 一部の注目法案に限られる。 | NHK等で予算委員会並みのテレビ中継が行われることが多い。 |
つまり、「大臣任せにせず、国政の最高責任者である総理大臣を直接問い詰め、国民の目の前でその妥当性を証明させなければならない」という重みを持った法案なのです。
3. 本法案が「重要広範」である理由と、具体的に変わること
今回の「国家情報会議設置法案」が重要広範に指定されたのは、政府が扱う「情報」のあり方を根本から変えるからです。
【具体的に何が変わるのか】
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情報の統合管理: これまで各省庁(警察、防衛省、外務省など)がバラバラに管理していた情報が、「国家情報局」という一つの組織に集約・分析されるようになります。
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対外的な脅威への即応: 外国からのスパイ活動や偽情報の拡散に対し、政府が「一つの頭脳」を持って迅速に対処できるようになります。
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国民の自由へのリスク: 情報が集約されることで、政府の政策に反対する正当な市民活動や個人のプライバシーまでが、効率的に「監視」の対象とされるリスクが生まれます。
【我々が求めているもの】 本法案が重要広範議案であるからこそ、塩村議員は官房長官(政府)に対し、「効率的な情報収集は認めるとしても、それを政治的に悪用したり、個人のプライバシーを不当に傷つけたりしないという『法的・制度的な歯止め』をどこに置くのか」を厳格に質しています。
単なる「組織の効率化」に留まらず、私たちの「自由」を守るためのルールを明確にさせること。これが、重要広範議案としての本質的な議論の焦点となっています。重要広範議案なので、これからもまだまだ!審議が続きます。
先日、立憲民主党の自治体議員有志の皆さんとのオンライン意見交換会でいただいた
多くの質問、疑問、不安なども官房長官に直接届けることができました。
引き続き、参考人質疑、連合審査なども行われますので、随時、情報をアップしていきます。








