参議院内閣委員会〜経済安保・JBIC法〜質疑📃

2026年6月9日、午後に行われた参議院内閣委員会にて、

塩村委員が経済安保推進法及び国際協力銀行法の改正案に関し、

小野田大臣等に対して質問を行いました。

以下は、塩村事務所作成の質疑の概要です。正式な議事録は、文末に掲載いたします。

▶️動画はこちらから◀️

質疑に立つ塩村委員。

1. 【サプライチェーン】グローバルサウス等との連携の強化を求める!

  • 塩村委員: 改正案が新設する「特定海外事業の促進(JBICの劣後出資等)」は、港湾整備や通信網などの「大規模なインフラ投資」のハコモノ支援にばかり偏っている。経済安保の真の目的は、中国等の特定国への過度な依存から脱却する「フレンドショアリング(多様化)」である。しかし、サプライチェーンの川下(現場のメーカー等)ではいまだに中国製部品への依存度が極めて高く、戸堂康幸教授(早大)の指摘通りグローバルサウスへの直接的な拡大が急務である。 地理的・戦略的要衝であるフィリピン(準同盟国・同志国)等に対し、従来の防衛装備品の供与に留まらず、日本の中小企業が現地で直接的な調達網・拠点を構築できるような「新たな結節点」としての具体的な支援スキームを基本指針等に示すべきではないか?

  • 小野田大臣: グローバルサウスやフィリピンなどの同志国との供給網多角化は重要。すでに重要鉱物の採掘・精錬等の共同支援実績がある。どの物資をどう支援するかは激変する国際情勢を踏まえて不断にリスク点検し判断するが、新設される支援ツールにおいて、ご指摘の「中小企業の参画・コミットメント」もしっかりと後押しできるよう取り組む。

答弁をする小野田担当大臣。

2. 円安倒産・実効為替レート対策、政府の対策は?!

  • 塩村委員: 「円安倒産」が過去最多のペースで進む中、データによれば日本の「実効為替レート」は1990年代比で約63〜65%も下落している。国際的に見た日本の購買力が「3分の1」に沈没している現状は、特定重要物資の国外調達コストを爆発的に跳ね上げており、経済安全保障に対する最大の構造的ダメージである。これまでの政府の「円安は大企業にプラス」という言い訳は、輸入依存の日本においては国民生活や中小企業を切り捨てる論理なのでは?

  • 舞立財務副大臣: 為替動向の個別コメントは避けるが、一般論として円安には輸出改善のプラス面と、重要物資の国外調達コスト上昇・輸入物価高による国民生活へのマイナス面の「双方」があると承知している。高市政権としては、国内のサプライチェーン強化に向けた「危機管理投資」「成長投資」を大胆に進めることで強い経済を実現し、円の信任確保に努める。為替には必要に応じていつでも適切に対応する。(具体的な答弁なし)

答弁する舞立財務副大臣。
実効為替レートの低下と円安関連倒産データ(塩村あやか事務所作成)

3. 【経済外交】21年間行き詰まる国連改革の推進を求める!

  • 塩村委員: サプライチェーンにグローバルサウスを巻き込むには、「大胆な外交戦略」が必要である。その核心が国連安保理改革であるが、「G4(日・独・印・伯)による常任理事国入り(拒否権の拡大)」路線は、周辺国の反発で21年間進んでいない。 グローバルサウスの信頼を勝ち取るため、長谷川助弘元国連代表らが提唱する現実的な「再選可能な『準常任理事国(任期4〜8年)』の新設・安保理枠拡大」へ日本が率先して舵を切り、彼らの中堅国(ミドルパワー)を中枢に引き上げる外交イニシアティブを執ることこそが、経済安保陣営を強固にする国家戦略になるのではないか。

  • 堀井外務副大臣: 現在の安保理構成が国際社会の実態を反映していないという認識は一致している。しかし、我が国の一貫した方針はG4やアフリカ諸国とも共有している「常任・非常任の『双方の議席拡大』」である。したがって、それ以外の代替案(準常任理事国構想など)について、現時点で政府として検討を行う考えはない。政府間交渉の共同議長とも連携し、粘り強く双方の拡大を目指す。(引き続き塩村はこの課題に取り組んでいきます!)

答弁する堀井外務副大臣。

4. 世界に500万人いる日系人。国籍の壁による「頭脳流出」の懸念。

  • 塩村委員: 世界に約500万人存在する日系人・高度人材ネットワークは貴重な資産だが、日本の国籍法が定める「重国籍の禁止」が最大の足枷になっている。仕事や研究の都合で現地籍を取得した中村修二氏(ノーベル賞)、南部氏、真鍋氏といったトップクラスの「日本の頭脳」の国籍を国自らが剥奪(自動喪失)している現状は、経済安保の根幹たる「人的サプライチェーン・知的ネットワーク」の「頭脳流出」である。 ドイツや韓国は国際競争力維持のためにすでに複数国籍を容認する法改正を行っている。特に日系人が多く、重要鉱物・食料の一大生産地である中南米には、中国が「一帯一路」のインフラ支援で猛烈に浸透しており、このまま日系人との「国籍の壁」を放置すれば、彼らを日本の経済安保陣営に引き留められず、国益を損なう。世界で8割の国が複数国籍を容認する中、日本は姿勢を改めるべきではないか。

  • 三谷法務副大臣: 重国籍を認めない理由は、外交保護権の衝突や、登録制度・身分関係の混乱といった法的な弊害を防ぐためである。「複数国籍容認の意見」は承知しているが、移民によって国ができた米国や、国境を越えた統合を進める欧州(EU)とは「国の成り立ち」が異なるため、極めて慎重な検討が必要である。国籍法を変えればネットワークが生かせるかという点には多角的な検討が必要である。(外国を例に挙げ、日本/日系人への具体策の答弁なし!)

答弁する三谷法務副大臣。
委員会配布資料②データ(塩村あやか事務所作成)

5.まとめ

本日をもって、本法案審議は終局しました。日本国内のみならず、グローバスサウス含め、諸外国とも連携を図り、関係を密に行うことが極めて重要であるということを指摘しました。

経済安保を単なるインフラ投資や防衛協力の枠に留めず、構造的円安の是正や国籍法見直しによる高度人材の確保など、多角的な視点から「真の国力強靱化」を政府に強く迫る質疑を展開し、「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律及び株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案」の審議は明日の参議院本会議にて採決される予定です。内閣委員会は、極めて広範な法案を扱うため、これからもたくさんの法案を審議していきます。

今後とも丁寧に審議を重ね、その経過とともに、皆さんにわかりやすく解説していきます!

以下、本日の質疑の際の参考データです。


  • 参考)外務省領事局政策課が公表している「海外日系人数推計」(2023年10月現在)
    順位 地域名 推計日系人数 全体に占める割合(構成比)
    1 南米 3,000,000 人 59.68 %
    2 北米 1,620,000 人 32.23 %
    3 大洋州 140,000 人 2.79 %
    4 欧州 120,000 人 2.39 %
    5 中米 80,000 人 1.59 %
    6 アジア 64,000 人 1.27 %
    7 中東 2,000 人 0.04 %
    8 アフリカ 900 人 0.02 %
    合計 5,026,900 人 100.00 %
    参考)日本国籍のノーベル賞受賞者(計20名)
    *1990年以降〜
    受賞年 受賞部門 氏名
    1994年 文学賞 大江 健三郎
    2000年 化学賞 白川 英樹
    2001年 化学賞 野依 良治
    2002年 物理学賞 小柴 昌俊
    化学賞 田中 耕一
    2008年 物理学賞 小林 誠
    物理学賞 益川 敏英
    化学賞 下村 脩
    2010年 化学賞 鈴木 章
    2012年 生理学・医学賞 山中 伸弥
    2014年 物理学賞 赤崎 勇
    物理学賞 天野 浩
    2015年 生理学・医学賞 大村 智
    物理学賞 梶田 隆章
    2016年 生理学・医学賞 大隅 良典
    2018年 生理学・医学賞 本庶 佑
    2019年 化学賞 吉野 彰
    2025年 生理学・医学賞 坂口 志文
    化学賞 北川 進

    参考)日本出身・日系で、外国籍としてノーベル賞を受賞した人(計5名)
    *1990年以降〜
    受賞年 受賞部門 氏名 現在の国籍 主な受賞理由・背景
    2008年 物理学賞 南部 陽一郎 アメリカ合衆国 素粒子物理学における「自発的対称性の破れ」の発見。1970年に対称性研究のため米国籍を取得。
    2014年 物理学賞 中村 修二 アメリカ合衆国 青色発光ダイオード(LED)の開発。米国での研究活動や特許・権利の関係から2000年に米国籍を取得。
    2017年 文学賞 カズオ・イシグロ イギリス 長崎県生まれ。5歳で渡英し、1983年にイギリス国籍を取得。英語圏の最高峰作家として受賞。
    2021年 物理学賞 真鍋 淑郎 アメリカ合衆国 地球気候の物理的モデリングと地球温暖化の確実な予測。1958年に渡米、1975年に米国籍を取得。

    ○塩村あやか君 立憲民主・無所属の塩村です。よろしくお願いいたします。
    今回の特定海外事業の促進と、今回は海外事業の促進とグローバルサウスの連携についてお伺いをしたいなというふうに思っております。
    インフラ投資にかなり偏重しているんじゃないかなというふうに印象を受けておるんですが、そのものの意義については否定はしません。一方で、経済安保とその核心というのは、特定国への過度な依存を脱却して、必要な素材や部品とか調達先を例えばグローバルサウスなどに多様化するという、これフレンドショアリングという言い方をしているそうなんですが、そうしたところにあるんじゃないかなというふうに思っております。
    近年、例えば中国などに依存するような部品があったりと、自動車のメーカーなどはあったりということもあって、やっぱりまだその特定国に依存する状況が高いというふうに思っているんですね。政府の審議会等にも関わってまいりました早稲田大学の戸堂康之氏も、レポートを、資料をいただいて読んだんですけれども、指摘しているとおり、我が国の経済安保を強化するためにはグローバルサウスにサプライチェーンを拡大していく必要があるというふうに指摘がされておりまして、私もそのように認識をしております。
    直接的な、今回この法案が仕組みになっているのかなというときに、中小を含めたところが今回しっかりと入っているのかというところは先ほどの松川委員の質問にもあって、それは排除するものでもないし含まれるというところではあるんですが、実際的にその調達先になっているのかなというその疑問があるわけなんですね。この政府の見解を伺いたかったんですが、ちょっと時間の都合で、最後に時間があればお伺いしたいなというふうに思っています。
    それを踏まえて、例えば、結果として、現状、今お伝えしたように、大規模なインフラ投資に偏っているという印象を受けるというふうにお伝えしたと思うんですが、中小を含む日本企業の直接的な投資のその調達網、この構築、サプライチェーンの拡大に十分なっているのかという疑問があると、その上で、フィリピンのような準同盟国とか同志国との関係についてお伺いをしたいなというふうに思っています。
    防衛装備品であるとか防衛面ではかなりフィリピンとは関係が深化してきていて、深まっているというふうに思っているんですが、これも今後深まっていくんでしょうということ、これ自体は地域の平和と安定にとって重要であるという指摘、それはそのとおりだというふうに思うんですね。
    しかし、やっぱりその安保というのは、経済安保というのは防衛協力だけでは完結しないというふうに思っておりまして、むしろ、いざというときに日本の国民の生活とか経済活動を支えるためには、同志国間で物流、通信、エネルギー、医療、重要技術、例えば素材であるとか物資、防衛以外の面で調達先とか供給網の選択肢を広げていくということが重要だというふうに思っております。
    地理的にも戦略的にも、フィリピンというような国は重要なんです。単なる援助やインフラの整備だけではなくて、日本企業、とりわけ中堅とか中小企業も含めたサプライチェーンの新たな結節点として位置付けるべきではないかなというふうに私は考えているところです。
    そこでお伺いしたいんですけれども、例えばそのフィリピンのようなグローバルサウスであるとか同志国間でどのような今後分野を優先して、どのように中小とか中堅企業も含めた日本企業の参画につなげていくのか、政府の具体的な方針をお答えください。
    ○国務大臣(小野田紀美君) 委員御指摘のとおり、我が国のみで自律性を確保することが困難な重要物資のサプライチェーン多角化などのためには、グローバルサウス、もちろんフィリピンも含み、いろんな、フィリピン始め準同盟国、同志国、グローバルサウスを含むところと緊密に連携することは重要だというふうに考えております。
    例えば重要鉱物については、こうした国々と鉱物資源の採掘や製錬を支援するといった連携も行っているところでありまして、今後とも、同盟国、同志国との連携を強化して、サプライチェーンの多角化に取り組んでまいりたいと思います。
    どの物資に関し具体的にどのような取組が必要であるかについては、絶えず変化する国際情勢や社会経済構造等を踏まえつつ判断していく必要はありますが、本改正案により新設される支援策を含む様々な施策ツールも活用しながら、サプライチェーン上のリスクについて不断の点検を行い、検討、見直しを行ってまいりたいと思いますし、先生御指摘の中小企業等というものにしっかりコミットしていただけたらと思っています。
    ○塩村あやか君 ありがとうございます。
    やっぱりグローバルサウスと連携をしていくことはこの先の日本にとって非常に重要だというふうに考えておりますので、特にお願いをしておきたいというふうに思っております。
    その上で、資料の一を御覧いただきたいんですけれども、これ、金曜日の予算委員会でも使わせていただいた資料になります。
    経済安保の確立には、やっぱりサプライチェーンの強靱化だけではなくて、大前提として日本自体を強靱化することも喫緊の課題だというふうに思っています。その上で、今の急速な円安というのは国力を著しくそいでいるんじゃないかなというふうに思うわけなんですね。
    資料の一の上の方なんですが、これ、円安倒産、過去最多のペースということで、右側の縦軸の方が円、ドルと円のレートになっておりまして、円安が進んでいるということが表されていると。下の方なんですが、下の表は、これ、日本の実効為替レートがとっても下がっているということで、九〇年代と比較して、これも財務省に御答弁いただいたそのままなんですが、六三%から六五%も下がっている。つまり、三分の一ぐらいに日本の購買力が落ちているというのが今の日本の現在地なんだということなんです。
    これって、やっぱり経済安保上も非常に私はダメージが大きいというか、プラスにはなっていないんじゃないかなというふうに思っているんですね。やっぱりこの構造的な円安の構造というのは、安保の観点からおいても、日本の国力においても、やっぱり問題があるんじゃないかなというふうに思うんですが、副大臣にお伺いをしたいと思います。
    ○副大臣(舞立昇治君) 御質問ありがとうございます。
    まず、為替相場の変動は輸出入等を通じ国民生活や企業の事業活動に影響を及ぼしますので、為替政策は経済を支える上で重要であると考えております。
    その上で、為替に関する具体的なコメントは差し控えますが、円安の影響について一般論として申し上げれば、輸出などを通じて企業の売上げが改善するといった面がある一方で、御指摘の重要物資の国外からの調達に対する影響を含め、輸入物価の上昇を通じ、国民生活、事業活動の負担を増加させるといったマイナス面もあると承知しております。
    高市内閣では、日本の供給力を強化するための国内投資、すなわち危機管理投資や成長投資を大胆に進めることで、戦略分野などにおけます国内のサプライチェーンを強化するとともに、潜在成長率を引き上げ、強い経済を実現していくこととしておりまして、いずれにいたしましても、為替につきましては必要に応じていつでも適切に対応してまいります。
    ○塩村あやか君 つまり、やはり適切に対応しなくてはいけないというぐらいにやっぱり影響あると、マイナス面があるという理解でよろしいでしょうか。
    ○副大臣(舞立昇治君) 具体的なコメントは差し控えさせていただきますが、これは総理や大臣も言っておられますけれども、為替変動にも強い経済を高市政権でつくっていくことで、しっかりと円の信認確保にも努めてまいりたいというふうに考えております。
    ○塩村あやか君 ありがとうございます。
    私がお伝えしたいのは、今の円安の状況って国民生活にも非常にきついということ、ここもみんなで共有しておきたいなというふうに思っています。
    こういう質疑をしたときには、これまでレクなどでは円安というのは大企業にとってプラスの面が大きいんだみたいな話も聞いてきましたけれども、この数十年間やってみた結果、やっぱり輸入に頼っている日本としてみれば、価格が高くなってきてしまって、それが国民生活に跳ね返ってきて、その価格転嫁がしにくいという状況になっているということ、これやっぱりみんなで考えて、構造をやっぱりちょっと変えていかなきゃいけないんじゃないか、ひいては財政の問題にもやっぱり跳ね返ってくると思うので、この根本原因をしっかり考えてやっていかないと、この先、日本は相当厳しい状況になっていくんじゃないかなと、円の信認、それこそそこに影響していくんじゃないかなというふうに考えていますので、是非皆さんに受け止めていただいて、財政の状況含めてみんなで考えて、選挙の目先の、まあ我が党にも言えることかもしれませんけれども、目先の状況だけで選択するというのはそろそろやめなきゃいけない、危機的な状況ではないかなというふうに思っているので、共有しておきたいと思って今日またシェアさせていただきました。安保にもやっぱり関わってくるというふうに思っております。
    次です。次に、外交戦略についてお伺いをしたいなというふうに思っております。
    今日、グローバルサウスを一つ軸にお話をさせていただいているんですけれども、やっぱり日本のサプライチェーンにグローバルサウスを引き込んでいくということは非常に重要であるというふうに思っております。特定の国を言うのはいいことではないと思うのでそこは言わないんですけれども、やっぱりその特定の国がグローバルサウス等を経済的に取り込んでいるという状況がありますので、そこに対抗していくためには、日本が主導してグローバルサウスの国を国際社会の意思決定の場に引き上げていくと、これが重要だと、そして確固たる信頼を日本とグローバルサウスの国々と築いていくことが重要だと、不可欠だというふうに考えています。
    その最大のやっぱり具体策が、やっぱり国連の安保理改革じゃないかなというふうに私は考えています。日本はこれまで、日本、ドイツ、インド、ブラジルのG4で連携をして常任理事国入りを目指すというふうに御答弁いただいてきたんですけれども、やっぱり常任理事国というのは、最近余り評判のよろしくない拒否権ですよね、拒否権を増やす国を増やすという形になってくるので、やっぱり既存の大国の壁もあるし、それに反発をする他国の状況もあると。既に何十年、これ既に二十一年も行き詰まっているというような状況になっているわけなんです。
    こうした閉塞をした状況を打破するために、長谷川祐弘元国連事務総長特別代表らが、専門家の皆さんが提唱しているように、常任理事国を増やして、問題というか拒否権を持つ国を増やしていくのではなくて、グローバルサウスを含むミドルパワーの国々を、選挙で選ばれる再選可能な準常任理事国、これ任期が四年から八年程度として、そして、それを複数か国加えて安保理全体を二十か国前後にする、拡大していくという構想、これを提唱していらっしゃって、これが日本が率先して行っていくべきではないかという提唱がされているところなんです。
    これ実現可能だというふうに長谷川さんたちはおっしゃっていまして、こうした国連改革を日本が主導をして、グローバルサウスの諸国を国際社会の中枢に引き上げる大胆な外交のイニシアチブを取ることこそが、グローバルサウス、彼らの信頼を獲得して、強靱なそのサプライチェーン陣営へと引き込むウィン・ウィンな関係につながって、これこの先の日本の国家戦略としても日本の生き残る道としても、非常に重要ではないかなというふうに考えているんですが、外務副大臣のお考えをお伺いいたします。
    ○副大臣(堀井巌君) お答え申し上げます。
    まず、基本的な我々の認識でありますけれども、国連は、加盟国数が、創設当時の五十一か国から現在は百九十三か国にまで大幅に増えております。
    一方で、安保理の構成は御案内のとおりほとんど変わっておりません。現在の構成は国際社会の実態を反映していないと考えております。国際社会の諸課題により効果的に安保理が対処できるように、改革を推進し、安保理の代表性と正当性を向上させることが必要不可欠だと考えてまいりました。
    そのためには、常任及び非常任理事国の双方の拡大が必要であると考えております。この点に関しては、我が国を含むG4、日本、ドイツ、インド、ブラジルでありますが、とともに、アフリカの諸国も、また一部の常任理事国などを始めとする多くの国々も、この双方の拡大が必要という考えを共有しているところでございます。
    したがって、我々は、常任及び非常任双方の議席拡大以外の案については現時点で我が国として検討はしていないところでございます。
    なお、本年三月、国連総会の下で安保理構成国拡大や機能強化を議論する枠組みであります安保理改革に関する政府間交渉のヴァン・ハーレン共同議長が訪日をされました。私も同議長と会談を行い、安保理改革の具体的進展に向けて引き続き連携していくことで一致をしたところでございます。
    安保理改革というのは、各国の利害も複雑に絡み合う、なかなか容易ではない改革ではありますけれども、引き続き多くの国々と連携しながら安保理改革の実現に向けて粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
    ○塩村あやか君 御提案でもないですけれども、苦言は申し上げておきたいと思います。
    二十一年たっているわけです。二十一年たって日本の状況はどうなっているのかというと、厳しい状況に経済上も立たされているというふうになったときに、私たちが常任理事国に入りたいと言った場合にどれぐらいの国が応援してくれるんだろうかということも考えなきゃいけないと思いますし、お隣の韓国だって力を付けてきておりまして、そもそも論、韓国は日本が常任理事国入りすることについては賛成をしていないという状況もあり、時の経過だけが過ぎていって、このまんま国連の力がそがれるということの方が私はやっぱり問題だと思っています。法の支配というのはすごく重要だというふうに思っておりますので。
    そろそろ二十一年たって実現しなくて、日本の国力が落ちてきているというふうに考えたときに、でもやっぱり日本の外交資源として非常に重要なものだというふうに思っておりますし、そろそろ現実的なその見直しをしなきゃいけないんじゃないかなと。二十一年たったということを踏まえていただいて、戦略の転換、そしてグローバルサウスの国々が台頭しているということを考えれば、そろそろ見直しをしていかなければいけないし、そのときに日本が率先をしてリーダーを、リーダーシップを取っていくことができれば、例えば経済安保の面でもやっぱり連携をすることができると思いますし、様々なことを考えたときに、二十一年たっても前へ進まないものを、いまだにずっとやるんだって言っていたとしても、ちょっと私、国会議員として、それ本当に正しいのかという疑問がありますので、受け止めていただきたいなというふうに思っています。
    次です。
    資料の二を御覧いただきたいと思っています。
    最後に、国連改革と並んで、グローバルサウスなど海外へのサプライチェーン拡大の強力な呼び水となる人的ネットワークについてお伺いをしたいと思います。
    現在、海外には五百万人の日系人がいると推計されておりますけれども、外務省も日系人のネットワークを我が国の外交な貴重な財産として、労働力の補完や国際競争力の観点から連携を強めていると。五百万人、いっぱいいるなって、ちょっと増えたって書いてあるんですけど、それは純増したわけではなくて、探しに探して、ちょっと定義を変えて増やしているというところがみそなんですが、この記事。
    ここで、経済安保の観点からも大きな壁となっているのが日本の国籍法なんですね。現在の制度では日本は重国籍が容認されておりませんので、海外で活躍をする高度なスキルを持つ日本人が、お仕事の都合で現地の国籍を取得したり、これ研究者の方多いと思うんですが、現地で生まれ育った日系人が、自分の国の、生まれ育った国の国籍を選択したりすると日本国籍を離脱することになるわけなんですね。
    例えば、ノーベル物理学賞の中村修二さん、研究職なので米国籍が要求されておりまして、日本国籍を離脱しております。日本人ではなくなったということなんですね、国籍がなくなったと。そして、ノーベル賞でいけば、物理学賞南部陽一郎さんや真鍋淑郎さんなど、日本の頭脳と言われる皆さんが国籍を離脱して日本国籍ではなくなるということになってしまっています。
    資料の①ですが、番号振ってあります、資料の二の中の①なんですが。
    ドイツとか韓国は、国際競争力の維持でありますとか労働力の補完のために重国籍を容認をするというような法改正をしています。日本では対応遅れているんですね。
    海外の日系人大会でも、アイデンティティーを保つための国籍法の改正は、毎年大会で要求がされていて決議されているというような状況なんですね。②を見ていただきたいんですが、政府も日系社会との関わり合いを強める上で、これは議論を避けては通れないというふうに言っているということなんです。
    ③なんですが、日系人の過半がいると言われている中南米なんですが、重要鉱物や食料の一大生産地で、日本として経済安保から関係を強めたい地域であると同時に、この地域には中国もしっかりと入り込んで、一帯一路に関連したインフラ支援を行っているということで、ここはちょっと私も本当に懸念をしているところなんです。
    お伺いしたいんですけれども、現行の単一の国籍制度なんですが、グローバルに活躍をする日系人や高度人材の日本離れでありますとか、いわゆる頭脳流出を引き起こしておりまして、経済安保の根幹を成す人的サプライチェーンや知的ネットワークを自ら断ち切っているというデメリットがあるという面も私はしっかりと目を向けていかなきゃいけないと思っているんです。
    グローバルサウス等の日系人や高度人材を日本の経済安保事案に引き止めるため、これ、国益のために今のままで本当にいいのか。単一の国籍、まあ、重国籍を認めている国は八割にも上る中で、本当にこのままでいいのか、議論もなくていいのか、お伺いをしたいと思います。
    ○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。
    現行国籍法は、基本的に重国籍を認めておりません。これは、重国籍者については、どちらの国家が保護すべきかという外交保護権の衝突や、それぞれの国家において別に登録されることによる身分関係の混乱といった弊害が生ずるおそれがあること等を踏まえたものでございます。
    我が国におきまして、御指摘いただいたとおり、広く重国籍を保有することについて様々な意見があるというふうには承知をしておるところではございますけれども、もちろん先ほど述べた弊害が生ずるおそれや、また国の成り立ち、これは移民から成るアメリカですとか、EUとしての取組を進めているヨーロッパの国々とはこの国の成り立ちも様々ということもございまして、慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
    なお、日本人のネットワークを生かしていくという御指摘は本当に大事なことだとはございますけれども、拙い経験から申し上げれば、中国人あるいはインド人、そして韓国の方、そういった方々が外国で一つのところにまとまろうとするところがある一方で、日本人は国籍を持っていてもできるだけ現地に溶け込もうという、そういったところがありまして、国籍をどうこうすれば果たしてそういった日系人ネットワークというものを生かすことができるかというのは様々な検討があり得るところかなというふうには承知をしております。
    以上です。
    ○塩村あやか君 日系人大会でも皆さんが要望しているところもあります。どんどんと日系人が減っていくという状況に日本は今あるということを、ほかの国とは違うんだというところ、悪い意味で、そこを認識して課題の克服が必要、そこが経済安保にもつながってくるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
    ありがとうございました。

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