昨日(6月10日)に、塩村あやかが野党筆頭理事をつとめる「国際問題に関する調査会」が開かれました。
「委員会」はよくニュースなどで目にしたり、中継(テレビやラジオ)などでも皆さん馴染みがあるのではないでしょうか?
一方、「調査会」とはどのようなものなのか、細かく説明できる方は、かなりの”国会ツウ”です。
さて、今回は、「調査会」がどのようなものかを説明しながら、先日の塩村議員の発言を下に記載します!

1. 調査会とはどのようなもの?
参議院の「調査会」は、国政の基本的事項について、長期的かつ総合的な調査を行うために設けられた参議院独自の機関です。
通常の委員会(常任委員会・特別委員会)が、提出された法律案や予算案の「審査」を主な任務とするのに対し、調査会は特定の法案審議に追われることなく、数年先を見据えた国家的な課題(例:少子高齢社会、外交・安全保障、国民生活・経済など)をじっくりと調査・議論することに特化しています。現在、塩村議員は「国際問題に関する調査会」に所属をしています。

調査会独自の主な権能・特徴
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存続期間の長さ 通常選挙の後最初に召集される国会で設置され、参議院議員の半数の任期満了の日(約3年間)まで存続します(国会法第54条の2第2項、参議院規則第80条の2)。
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強力な調査権能 参考人や政府からの意見聴取、内閣や官公署への資料要求、委員派遣など、常任委員会とほぼ同等の調査権限を持ちます(国会法第54条の3で準用する諸規定)。
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独自の「立法勧告権」と「公聴会開催権」 調査の結果、法制化が必要と判断した場合、自ら法律案を提出できるだけでなく、所管の委員会に対して法律案の提出を勧告する権利(立法勧告権)が認められています(国会法第54条の4第2項)。また、調査のための公聴会を開くこともできます(参議院規則第80条の5)。これらは委員会にはない、調査会だけの特権です。
2. なぜ参議院にだけあるの?
一言で言えば、「参議院には解散がなく、議員の任期が6年と長い」という組織的な特性を最大限に活かすためです。
日本の二院制において、衆議院は「衆議院の優越」を持ち、政権交代や直近の世論を反映しやすい反面、任期が4年(そのほとんどが任期の途中で解散となる)と短いため、どうしても短期的な政局や目の前の法案審議に追われがちになります。 一方の参議院には、衆議院の「行き過ぎ」を抑制・補完する「良識の府」「再考の府」としての役割が期待されています。
「解散がなく腰を据えた議論ができる参議院こそ、国家の長期的な課題を政局と切り離して議論すべきだ」という理念から、国会法が改正され、参議院独自の制度として創設されました。

3. 「委員会」と「調査会」の比較は?
両者の違いをまとめました。
| 項目 | 衆議院・参議院の「委員会」 | 参議院の「調査会」 |
|---|---|---|
| 設置の目的 | 主に提出された法律案・予算・請願などの「審査」と国政調査。 | 国政の基本的事項に関する「長期的かつ総合的な調査」に特化。 |
| 法的な設置根拠 | 国会法第40条(常任委員会)、第45条(特別委員会) | 国会法第54条の2、参議院規則第80条の2 |
| 設置される院 | 衆議院・参議院の両院 | 参議院のみ(独自の機関) |
| 存続期間 | 常任委員会は常設。特別委員会は会期ごと(会期終了で消滅)。 | 次の通常選挙まで(約3年間常設)。 |
| 法律案の審査権 | あり(法案の本会議上程前に採決を行う)。 | なし(法案そのものの審査・採決は行わない)。 |
| 法律案の提出権 | あり(委員会提出法律案) | あり(調査会提出法律案) |
| 立法勧告権 | なし | あり(他委員会へ法案提出を勧告できる)。 |
| 証人喚問の権能 | あり(虚偽答弁に罰則がある証人を呼べる)。 | なし(参考人からの意見聴取にとどまる)。 |
○会長(鈴木宗男君) 国際問題に関する調査を議題といたします。
本日は、中間報告書を取りまとめるに当たり、これまでの調査を踏まえ、「世界の平和と安定に向けた日本の役割」のうち、「現下の国際情勢と世界の安定に向けた日本外交」について委員間の意見交換を行います。
発言はお一人五分程度となるように御協力をお願いいたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、発言のある方は挙手をお願いいたします。
○会長(鈴木宗君) 塩村あやかさん。
○塩村あやか君 立憲民主・無所属の塩村です。
現在、国際秩序の動揺の中で、極端な思想や社会の不安を利用して分断をあおる政治手法が台頭して、社会の連帯が揺らいでおります。
さて、本調査会のテーマである「世界の平和と安定に向けた日本の役割」のうち、一年目の調査、「現下の国際情勢と世界の安定に向けた日本外交」を通じて、日本外交においては、対立や緊張をあおるのではなく、対話による現実的な安全保障の構築が重要であるとの思いを強くいたしました。
日本を取り巻く今日の厳しい安全保障環境において、抑止力に重点を置く議論が高まっておりますが、参考人からは、抑止と対話は矛盾するものではなく、日本はこれらを外交において並行してこれまで以上に追求すべきであるとの認識が示されました。日本は、米国の変化を冷静に見据えながら、同志国との連携や軍縮の知見を生かし、平和国家としてのブランドを生かした対話外交を推進することにより、対話と抑止のバランスを図るべきであると考えます。
現在、中東地域において発生をしている米国、イスラエルによるイランへの軍事行動及びそれに伴う報復の連鎖に対し、深い憂慮を表明いたします。武力紛争によって人々の心に刻まれる怨嗟は次世代にわたる紛争の火種となり、国際社会の平和を永続的に損なうものです。
本年三月、平和調停の取組により、積極的かつ機動的に関与をしていくために、外務省に国際和平調停ユニットが設置をされました。これを名前倒れに終わらせることではなく、日本がこれまで培ってきた中東諸国との独自の信頼関係と中立性を生かし、対話の仲介者としての役割をより主導的に果たすべきであると考えます。
東アジアでは、北朝鮮の核・ミサイル問題、台湾海峡をめぐる緊張、中国による急速な軍事力の拡大など、緊張が高まっております。日米同盟による抑止力を維持しつつ、偶発的なものも含めて軍事衝突を未然に防ぐ外交努力が重要であり、この点に関連して、参考人からは、相手と話し合える関係をつくり、多くの共通利益をつくり上げることが重要であるとの指摘がありました。特に中国との関係においては、政治的な緊張が高まる局面こそ、身近な国民同士の交流に加え、対話の窓口を閉ざさず、意思疎通を図る外交努力が重要だと考えます。そうした視点を通じて、地域全体において緊張を緩和するための多層的な協力体制を構築すべきであると考えます。
今年、四年目に入ったロシアによるウクライナ侵略は、ウクライナの主権及び領土の一体性を著しく侵害する行為であり、国際秩序の維持のため、さらには日本自身の安全保障上の問題として、ウクライナへの支援を継続すべきだと考えます。日本の強みであるインフラ復旧、地雷の撤去、産業再生、医療支援といった人道復興支援において、国際社会を主導すべきであると考えます。
若年層を始めとする生活者が抱える不安は既存の政治への失望へと転じ、その隙間をつくように分断をあおる極端な政治が台頭する風潮が生じていることに憂慮をしております。
参考人からは、欧州でポピュリズムの拡大により欧州統合を支える基盤が侵食されている現状が示された一方、EUは、情勢変化に応じて政策を修正する柔軟性を持つが、理念そのものを捨てているわけではないとの重要な指摘がございました。社会の分断や排外主義をあおる極端な政治を廃し、自由、民主主義、人権、法の支配などの普遍的な価値や原則に基づく国際秩序の堅持を掲げ、対話を重んじる平和外交を貫徹していくべきだと考えています。
今後も、本調査会において、対話による現実的な外交の在り方について、与野党の枠を超えて、多角的な議論を深めていくことを期待しております。
以上になります。 (了)








