内閣委員会〜国旗損壊罪🇯🇵〜

国旗損壊罪法案の矛盾を突く!塩村あやか議員の質疑まとめ

現在国会で審議されている「国旗損壊罪法案」は国家が刑罰(2年以下の拘禁刑など)をもって個人の表現行為を制約し、市民社会に萎縮効果や相互監視をもたらすのではないかという懸念が広がっています。

塩村あやかは、法案提出者(衆議院議員)に対し、法理的な矛盾や実務上の危険性をただしました。

国旗損壊罪で会派のトップバッターとして質疑に立つ塩村委員。

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なぜ「国旗を悪用したヘイトスピーチ」は規制されないのか?

  • 塩村議員: (質疑当日朝の)NHKニュースで、たくさんの国旗がたなびく中、ヘイトスピーチ(差別的言論)が行われている実態が報じられていた。国旗を汚す行為(損壊)だけでなく、国旗をヘイトスピーチの道具として悪用することこそ国民感情を著しく害するはずでは。なぜこうした悪質な利用態様が規制から外れているのか

     

  • 法案提出者: ヘイトスピーチが好ましくないという認識は共有するが、本法案はあくまで「国旗の象徴的価値や国民感情を損壊行為から守る」ためのもの。ヘイトスピーチには既存の解消法などで別途対応すべきである

    答弁に立つ法案提出者。

     

抗議デモの「日の丸に×」は犯罪か?高すぎる免責(違法性阻却)のハードル

  • 塩村議員: 政治的抗議として自己所有の国旗を公然と損壊した場合、「原則として違法性が阻却(免責)される」のか、それとも「原則犯罪となり、例外的にしか免責されない」のか、どちらの原則に立つ法律案なのか。

  • 法案提出者: 政治的な抗議活動だからといって、原則として免責されるわけではない。 刑事法の通則通り、個別具体的な事案ごとに社会通念で判断する。一つの指標としては、「その方法(国旗損壊)以外に自らの政治的意見表明を行う手段が一切ない、やむを得ない社会的状況であったか」などが挙げられる

     

     

「国旗をわざと踏みつけても汚れていなければ無罪」?

  • 塩村議員: 衆議院の与野党協議(理事委員に配布されたもの)で提出された資料には、該当しない(無罪)の事例として「国旗を新品の靴で踏みつけたとしても、不潔にしていなければ汚損に当たらない」とある。 国に抗議する熱い思いを込めて日の丸にバツ印(×)を書く政治表現は処罰される可能性がある一方で、公衆の面前でわざと日の丸を新品の靴で踏みつけても、泥がついていなければセーフというのは、理解できない

     

  • 法案提出者: 新しい靴で間違って踏んでしまったような偶発的な過失のケースを想定した例示である。本法案の「汚損」の定義において、物理的に一切汚れておらず外観上の毀損がなければ、構成要件(犯罪の形)そのものを満たさないという客観的な判断となる

     

警察による「内心の詮索」とスマホ・通信記録の差押えリスク

  • 塩村議員: 正当な政治活動か、処罰対象の侮辱行為かを見極めるためとして、実際の捜査現場では被疑者のスマートフォン(端末情報)や通信記録、過去の演説歴や所属団体が警察の捜索・差押えの対象になるのではないか。 客観的な外形で判断すると言いながら、実務上は個人の内心や思想への実質的な介入(動機調べ)が不可避となるのではないか。

  • 法案提出者: 本法案は個人の思想信条を直接の要件とはしていない。ただし、捜査の過程において、任意捜査や令状主義に基づく必要最小限の範囲内で、刑事訴訟法に基づいて適切な捜査が行われる

    質疑が行われた参議院内閣委員会室。

直近18年間、国内での実害事例はゼロ。何のための緊急立法か?

  • 塩村議員: 提出者が挙げた過去の具体例(沖縄国体での焼き捨てなど)は、すべて現行の「器物損壊罪」などで既に対応・検挙済みである。今回、新たに刑事罰を新設する対象である日本の国旗損壊について、直近18年間、国内で具体的な事例も示せていない。 具体的な立法事実(必要性の根拠)がないのではないか。自己保有の国旗は「財産」。自己保有の国旗の損壊を処罰対象から除外しないのか、答弁を求めます。

  • 法案提出者: 現行法に規定がないため統計や報道に載っていないだけであり、立法事実がないとは考えていない。将来における法益侵害の蓋然性について合理的な予測に基づき予防的に法整備を行うことは、刑事立法として十分あり得る考え方だ。自己所有であっても、多くの人の目に触れる公然たる場所での損壊行為は、守るべき社会的法益(国民感情)を害するため規制すべきである。そういった意味で、塩村先生が今おっしゃられたように、自己保有の旗だったら何でもしていいんじゃないかという考えももちろん一部ではあるかもしれませんが、我々としては、自己保有の国旗であったとしても、多くの方の目に見える場所でそれを損壊したり汚損したりする、これについてはやはり守るべき社会的な法益がある。

  • 塩村議員:私は自己保有の国旗に何をしてもいいなんて一言も言っていません。自己保有のものは財産にあたるので、そこに国家が介入して行って刑罰を与えることに対しての疑問があるだけで、自分が持っている国旗に対して汚損してもいいとは一言も言っていません。答弁を聞くにつれて、非常に問題の多い法律であると感じざるを得ません。国旗を大切に思うからこそ、このようなあやふやで主観的な線引きの刑事罰を導入すること、本法案を通してしまっていいのか疑問に思うと申し上げて質問を終わります。
塩村に次いで質疑に立つ立憲民主党の鬼木委員。

審議はまだまだ続きます。

来週は参考人質疑もあり、専門家の先生から貴重な意見を伺います。

皆さんも、ぜひ本法案にご注目ください。


○塩村あやか君 おはようございます。立憲民主党、塩村でございます。よろしくお願いいたします。
私も、国旗を大切に思う気持ちを持つ一人でございます。しかし、今回の法案、今審議をしているのは、国旗を大切にするという、そういった感情とか心情の問題を超えて、国家が刑罰を科して、逮捕とか捜索とか差押えができるということをするという、新たな犯罪を設ける、そういう法律だというふうに私は認識をしています。逆に、国旗、もしかして損壊に当たるのではないか、怖いなということで、逆に国民感情として、国旗は触らないでおこうとか、本来であれば掲げようと思って持っていたものとかも、こういうのをやめようということが起こり得るんじゃないかというふうにやっぱり思うわけなんですね。逆の方向に行ってしまう可能性もあるということで、私は今回とても危惧をしています。
そして、今朝、NHKのニュースを見ていました。たくさんの国旗がたなびく中で何が行われていたのかというと、ヘイトスピーチです。これ、国民感情として、国旗がそのようなヘイトスピーチ、これ犯罪ですよね、そこに使われることの方が国民感情を私は害するというふうに思っています。
今回は損壊しないということでそこは対象にならないということだと思うんですけれども、こうした問題について、国民感情、ここをしっかりと守っていくというのであれば、なぜそういったところが外れてしまうのか、今日は今朝ニュースを見て感じたので、まずこれをお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。
塩村先生が今おっしゃったNHKのそのヘイトスピーチに関する報道、私も見ておりましたが、もちろんヘイトスピーチなどが好ましくない、そうしたことが行われない方がいいという思いは私も全く共有しております。
それはまさにそのとおりでございますが、今回の法案自体は、国旗という多くの、塩村先生も含めて大切に思っている国旗をしっかり守っていきたいという、その国民感情はどういうふうに保護法益として守っていくかという観点から法案として提出させていただいているものでございまして、ヘイトスピーチはヘイトスピーチとしてしっかり対応していくことが肝腎かと思っております。
○塩村あやか君 何か納得できないんですね。そういった犯罪的なそのヘイトスピーチの中で国旗がたなびいている、そういった犯罪に当たるようなものに国旗が使われる、そうしたものも対象にしていかなきゃいけないのに、どうしてそっちが対象にならずに、ちょっと私は非常に、今御答弁を聞いて、まだちょっと解せないところであります。
それでは、通告に従って質問をしていきたいというふうに思っております。
衆議院の質疑の中では、政治的抗議として行った場合であったとしても、法案に定める方法で国旗を公然と損壊をすれば構成要件に該当し得るとの答弁がございました。一方で、政治的な意見を表明をする目的であったり、行為に至る経緯や動機などを踏まえて社会通念上相当と認められる場合には、違法性が阻却される可能性があるともございました。
しかし、政治的抗議であれば原則として違法性が阻却されるのか、それとも、原則として犯罪になって、例外的な場合に限って違法性が阻却されるのかというところを明らかにされておりませんでした。これでは、どういうことで処罰をされ、何であれば阻却されていくのかということが分からないということになります。
政治的な抗議として公衆の面前で自己所有の国旗を損壊した場合、どのような場合であれば違法性が阻却されて処罰されないのか、具体例と判断基準を幾つか教えてください。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。
今回の法案は、政治的意見そのものを処罰対象とするものではございません。こちらは、この構成要件としては、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊、除去又は汚損する外形的、客観的な行為態様のみを構成要件としております。そういった意味で、政治的な抗議としてなされたかどうかということにつきましては、直接その構成要件該当性の判断の枠組みとは別の要素ということになってまいります。
その上で、仮に構成要件に該当したとしても、刑法三十五条の正当行為など、この違法性阻却に該当する場合というのはあり得るということでございまして、そのときの判断基準としては、社会通念上相当かどうか、つまり、社会一般に通用している常識や見解に照らして、個別具体的な事案ごとに行為の目的、態様、行われた状況、一連の経過など、こうしたものを踏まえて判断されるものと理解しております。
今、そうしたことについての判断基準、より具体化できないかというお話ありました。なかなかこの違法性阻却について類型化するというのは難しいところでございますが、一つの判断要素としては、例えばその方法以外による方法で政治的な意見表明ができないような、社会的に、状況にあったかどうか、こういった要素というものは挙げられるというふうに我々としては考えております。
○塩村あやか君 ありがとうございます、御答弁。
であれば、そうした方法を用いて以外に政治的な表明ができない場合は阻却されるというふうに今御答弁あったんですけれども、それって、ほとんどの場合がほかに手段があるだろうと言われて、はい、アウトというふうになり得るんじゃないかなというふうに私は感じるわけなんですね。そういうことになるんじゃないですか。
逆に、手段、それ以外に手段がないという方法で政治的な表明が行われたという場合は、逆にそれは何なのか、逆に教えていただきたい。だって、それしかないわけですよね。それしかないって、例えば、じゃ、どういったものを想定されてそのような御答弁を用意されたのか、聞かせてください。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。
まず、一義的には、今、違法性阻却のお話がここで議論されていますけれども、まずは構成要件に該当するかどうかということが中心的な論点でございます。そこにおいては、政治的な意見表明としてなされたかどうかというその目的や内心ではなく、行為の外形に基づいて判断をさせていただくというのが今回の法の枠組みでございます。ですので、まさに外形上多くの社会的な市民感情、保護法益を害するかどうかという、ここの判断が主体となってくるという、そこの点で明確性を担保させていただいておるところでございます。
その上で、違法性阻却のお話ということにつきましては、なかなか、これはほかの犯罪類型でも同様でございますが、違法性阻却事由というのは、まさに個別具体的にこの構成要件に該当した上で、しかし例外的に阻却をするというものでございますので、なかなかここで類型化するということは難しいということについては御理解いただければと思います。
○塩村あやか君 それだとちょっと困るんですよね。結構、政治的なデモで、さっきも言いましたけれども、国旗が使われることはあるわけなんですよね。そのときに、何がよくて何が駄目なのか。例えば、日本は特別な歴史を持っておりまして、戦争というものが、さきの大戦がありました。そうしたときに、どうしてもこの国旗というもの、国に対しての責務であるとか、そうしたものに抗議をしたい場合に国旗を使うということもやっぱりあるというふうに思うんです。そうしたものについてはどうなのかと。
例えば、一つの要件として、バツと書いたら今回これは該当し得るんじゃないかという話もあるわけですが、そうした場合であったとしても、そうした表明をすることは許されない法律なのか、その確認をさせてください。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 繰り返しで恐縮でございますが、仮に政治的なデモの場で行われた行為であったとしても、そうでなかったとしても、構成要件上はまさにその国旗の損壊行為、この態様が人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法であるかどうかと、ここによって判断されるものとなってまいりますので、そうしたことについての構成要件該当性を判断するということになってまいります。
なお、具体的な事例として、より挙げられるものがないかということがありましたので、衆議院の方の理事会におきまして、我々の方から、基本的に構成要件に該当すると考えられる事例又は該当しないと考えられる事例につきまして、追加で例示を提出させていただいた次第でございます。
○塩村あやか君 ありがとうございます。
その衆議院の資料を何とかして手に入れたわけなんですけれども、違法性が阻却される可能性がある場合というところにおきまして、先ほど御答弁いただいたとおり、政治デモにおいて国旗を損壊する等の以外の手段では主義主張を伝えることができない状況で行われた行為であると、ここが阻却されるというんですが、であれば、これほとんどアウトになるというふうに思うわけなんですよ。幾つか選択肢があって、こっち使えるだろうとなったときに、はい、アウトという形になってくると、ちょっとこれ、ほとんど阻却される可能性なんてほぼないんじゃないか、政治の関係においてはというふうに思ってしまいます。
なので、ちょっと御答弁いただきたいんですが、先ほど私がお伝えしたように、様々な主義主張があって、悲しい歴史があって、そして国に抗議をするときに、日の丸に、どうしてもそこにバツと書いたという事例があった場合、これはこの法律でいけばアウトになるのか、教えてください。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。
こちらで提出させていただいた資料の中で、違法性が阻却される可能性がある場合として、先ほど国旗を損壊する等の以外の手段では主義主張を伝えることができない場合というのを挙げておりますが、これ以外であれば全て違法性が阻却されないという書き方をしているものではないということは委員も御案内のとおりかというふうに思います。
まさに違法性阻却につきましては、個別具体の判断という刑法の枠組みになってまいりますので、なかなか類型化すること、一般化すること、仮定の状況の下でこの場合はどうかということを判断することが事前には難しいという性質のものであるということでございますので、今回、可能な限り明確にということで、我々としての考え、可能な範囲としてお示しをさせていただいたものでございます。
○塩村あやか君 その資料の中に、阻却、違法性が、汚損したとかに該当しないと考える事案が書かれているんですが、国旗を新品の靴で踏み付けて、それでも不潔にしていないのであれば大丈夫という、一体何なんですかねとみんな思いませんか。さっきのことが、政治的な主張で本当に気持ちを込めて主張をしているのに、それはもしかするとアウトになるかもしれないのに、片や一方で、新品の靴で踏んで不潔になっていなければオーケーというような例示がされているという、ここの私は理解ができないので、改めて御説明いただいてもよろしいでしょうか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) これ、なかなか一つ一つということになりますと、それぞれ難しいところでございます。
あくまで今回の法律につきましては、外形的、類型的に見て、この行為の客観的な状況から人に著しく不快な思いをさせるものかどうか、これが構成要件の規範でございます。じゃ、それの判断の指標としてどういったものになるかというところで、個別具体から少し考えて入っていったときに、この資料の中でお示しした一つの例が、国旗を新品の靴で踏み、何ら不潔にすることがない場合。確かに、新しい靴で間違ってこの国旗を踏んでしまったというような場合に、ああ、もう国旗がダメージを受けてつらいなというふうに皆さんが思われるかどうかというところで考えたときに、まあ、それぐらいはいいのかなという方が、まあ考えられるのではないかという一つの整理としてお示ししたものでございます。
どうしてもこの文書の性質上、かなり、それはさすがにないだろうというものをお示ししているものであるということは御理解いただいた上で、御判断の参考となればというふうに思っております。
○塩村あやか君 済みません、理解してくれということですが、これを理解しろというのは難しいというふうに国会の場では思います。
改めて、今後ろから何か入ったようでございます。明確に答弁をいただきたいと思います。こちらの方からもしっかり答弁してくれという、何が違うんだと、しっかりと、それぐらいというのはいいのかと、そこもしっかりと……(発言する者あり)どういう意味ですかねと、それがいいというのは。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 塩村先生から御質問をいただいているのは、まさに汚損の定義に当たるかどうかというところでございまして、損壊、除去又は汚損が構成要件でございますが、新しい靴で踏んだとき、そして国旗が汚れていなければ、これは汚損に当たらないのではないかという考えをお示しさせていただいた次第でございます。
○塩村あやか君 ごめんなさい、ちょっとこういうことで時間使いたくないんですけれども、新しい靴だったら汚れないからオーケー、じゃ、古い靴で汚れなくてもそれはオーケーなんですかとか、何か本当にいろんな疑問が出てまいりまして、これもうちょっとちゃんと整理された方がいいというふうに思います、これ刑罰科すものですから。これ、最後の手段ですよね、刑罰科していくのって。本当にそれ以外手段がないときに刑罰を科していくという観点から考えると、今のその御答弁とかいただいた資料を見ても、これ、本当に本気でこれやるつもりなんだ、やるつもりなのかというやっぱり疑問を感じるんですね。
その観点でお伺いしたいんですが、これ、原則として、個別具体でその判断するというのはちょっとやめていただきたいと思っているんですよ。基本的な考えとして、例えば政治的な抗議で使われた国旗の損壊というのは、原則として違法性が阻却されるのかと、又は原則として犯罪となって、例外的な場合に違法性が阻却されるのか、まずここをちょっと、まず一問目なんですね、これ、お願いします。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 塩村先生からの御質問にお答えいたします。
政治的な抗議として行われた場合にこれは原則として違法性が阻却されるのかということでございますが、我々としては、違法性阻却事由というのは、これは個別具体的に判断されるというふうに考えておりますので、政治的な抗議だから原則としてという考えに立つものではございません。
○塩村あやか君 それで聞きたいんですけれども、最終的に違法性が阻却されるという正当な政治表現であったとしても、これ、この後にいろいろ聞きたいことにも関わっていくわけなんですけれども、私人の逮捕とかも聞きたいんですが、これ、ここまで行かないと思います、私の今の通告の順番で行くと。
まず、調べなきゃ分からないですよねということで、まずは捜査とか逮捕とか捜索、差押え、起訴の対象になり得るということでよろしいですか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) まず、構成要件該当性についての判断ですが、これは政治的な意思や目的、思想、信条を対象要件としているものではございません。また、捜査の過程の中でそうした、例えば、御質問、通告にもいただいておりますけれども、端末などが捜索、差押えの対象になるのかどうかということでございますが、これ、捜査につきましては、これは、任意捜査の場合を含めて当然、必要性そして関連性、相当性、これを欠かない範囲で行われなければならず、また、とりわけ物の捜索、差押えなどにつきましては、これは令状主義の下で厳格に要件が定められておりますので、その範囲内でのみ行い得るものというふうに考えております。
○塩村あやか君 なので、やっぱり否定されないわけなんですよね。となってくると、そこで何が行われるのかというと、その人がどんな思想を持ち合わせているかとかそうしたところにやっぱり踏み込んでいく法律になるというふうに考えれば、やっぱり原点から立ち返って改めていろいろ考え直すべきところがあるんじゃないかと。だって、それやらないことには分からないこともあるわけですよね、これまでの御答弁でいけば。それしないと分からないことがある。となってくると、それをやらなきゃいけないという形になってくると、思想に踏み込んでくる形にもやはりなるわけなんです。
そうしたことがないようにしていただきたいというふうに思っているんですけれども、法的な限界をちょっとお伺いしたいと思っています。
問い三なんですけれども、三条について、先ほども松川委員の質問にもありましたけれども、表現の自由でありますとかそのほかの権利を不当に侵害しないようにというふうに留意してくれという規定を設けてあるわけなんですが、この三条は警察による逮捕、捜索、差押え、取締りを具体的に制限をする法的な効果を持つのか、持つのであれば、どのような場合にその捜査を制限するのか、お伺いをしたいと思います。
○衆議院議員(塩崎彰久君) この三条の規定でございますが、これは、本法案が憲法に違反するものではないということを前提に、なお念のため、本法の適用に当たっての留意事項として、憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害することのないよう、その旨を定めたものでございます。
そういった意味では、この刑事手続、刑事訴訟手続の逮捕、捜索、差押え、取調べ、こういった手続を要件を変更するというものであったり、新たな手続的な制限を設けるというものではなく、これは当然、刑事訴訟法に基づいて適切な捜査が行われるというふうに思っております。
他方で、この第三条というのは単なる宣言というものにとどまるものではないというふうに考えておりまして、本法を適用する全ての機関、公私において向けられた規範としてしっかり尊重していただくように趣旨が及ぶものと考えております。
○塩村あやか君 じゃ、つまり、直接制限しない、訓示規定ではないということでよろしいでしょうか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 第三条は単なる宣言というものにとどまるものではなく、やはり、この三条の趣旨を踏まえてこの法律の運用、施行などを進めていってほしいという、そういう趣旨が及ぶものと考えております。
○塩村あやか君 であれば、お伺いしたいんですが、この三条を捜査実務に確実に反映をさせていくために、逮捕とか今申し上げた捜査、差押え等、慎重に判断すべき場合を定めた統一的な運用指針、こちらを施行前に作成して公表するということでよろしいでしょうか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 今の点につきましては委員からの御提案ということかというふうに思いますが、ちょっと今ここで即答することは避けさせていただきたいと思いますが、今申し上げたとおり、いずれにしても、この第三条の趣旨というものが運用の中で具体化されていくべきものとして我々法案提出者としては考えております。
○塩村あやか君 これまでやり取りする中で、御答弁のその整合性を取るためにも、きちんとそうしたものは作っていった方がいいと思います。そうしないと、結局あやふやなままになってしまって何も解決しないことになりますから、これちゃんとやっていただきたいというふうに思っています。じゃないと、実務上の歯止めがなくなるということになりますから、三条が死文化してしまうわけなんです。これちゃんとやった方がいいというふうに思うので、お願いをしておきたいというふうに思います。
よろしいでしょうか。改めて御答弁いただけますか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) やはり、この今回の法律を通じて表現の自由とか様々な権利が侵害されるべきでないという思いは我々も同じ思いでございます。
そうした中で、この第三条というものがしっかりと運用の中で反映されていくということを、我々も思いは同じくするところでございます。
○塩村あやか君 ちゃんとやってくださいというふうにお願いをしておきます。そうしたものを作らないと、何回も申し上げますけれども、この法律、国民にとって安心できるものではなくて、国旗が怖いものになってしまいますので、是非お願いをしておきたいというふうに思っております。
時間がありませんので次の質問に入らせていただくんですけれども、今回、この法律の立法事実なんですが、これまで、昭和六十二年、平成三年、平成八年、平成二十年、これを立法事実として示されているところだと思います。
一方で、提出者自身が、これらはいずれも他人が所有又は管理をする国旗に対する行為で、器物損壊罪や暴行罪等により検挙された事例であるというふうに認めていらっしゃるところでございます。さらに、自己所有の国旗を損壊した具体的な事例については把握していないとの御答弁でございました。つまり、衆議院で示された具体例は既存法で既に対応済みでありまして、本法案によって新たに処罰される自己所有旗につきましては具体的な国内事例が示されていないという、立法事実がないというような不思議な状況になっているというふうに思うんです。
そもそも、平成二十年以降、十八年ぐらいですかね、直近十八年間、国内事例も示せないのに、なぜこれ緊急に立法していかなきゃいけないのかという疑問があるわけなんですね。SNSの時代だから必要と言いますけれども、SNSの普及後に国内事例が確認されていないということを踏まえれば、むしろちょっと私おかしいなというふうに思っていまして、立法が不要の根拠にもなっているんじゃないかというふうに指摘をさせていただきたいというふうに思っています。
そこでお伺いしたいんですけれども、現行法では対応できず新たな刑罰を設ける必要が生じた自己所有旗の損壊に関する具体的な国内事例、あるのであれば改めてお示しいただきたいというふうに思っています。新たな事例が示せないのであれば、このSNSの時代に、なぜ自己所有旗を処罰対象から除外しないのか。そもそも自分が持っているものって財産ですよね。そうしたものから考えるとちょっと疑問が湧くわけなんです。お答えください。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。
自己所有である国旗の損壊等の事例につきましては、まさに現行法においてこういう行為を処罰の対象とする法律がないため、その件数の統計であるとか、又は報道で取り上げられる、そういったことがなかなかないということでありまして、そうした背景もあって、具体的な事実として現在確認をしているものではございませんというふうに答弁をしております。
ただ、だからといって立法事実がないというふうには我々は当然考えているわけではなくて、まず、この現行法の下でもSNSが加速度的に普及している中で、国内にとどまらず海外でも生じている国旗を損壊等する行為がリアルタイムあるいはそれに近い形で我が国の人々が知るところになり、様々な形で影響を与えることは否定できないというふうに思っております。
また、立法事実の考え方につきましても、これは、既に発生した被害事例の存在に限られるという、そういうお考えももしかしたらあるかもしれませんが、将来における法益侵害の蓋然性についての合理的な予測に含まれるという考えも十分あり得るというふうに我々は考えているところでございます。
そういった意味で、塩村先生が今おっしゃられたように、自己所有の旗だったら何でもしていいんじゃないかというお考えももちろん一部ではあるかもしれませんが、我々としては、自己所有の国旗であったとしても、多くの方の目に見える場所でそれを損壊したり汚損したりする、これについてはやはり守るべき社会的な法益があるのではないか、そうした立場から今回提案させていただいている次第でございます。
○塩村あやか君 ちょっと次に入る前に、私、別に自己所有の国旗に何もしていいなんて一言も言っていないです。自分で持っているものは財産に当たるので、そこに国家が介入していって刑罰を与えていくことに対しての疑問があるというふうに申し上げただけでありまして、誰も自分が持っている国旗に対して汚損してもいいとかそういうことは一言も言っていないです。そこだけはちょっと間違えがないように言っておきたいというふうに思っています。
その上で、二つあったと思います。海外のSNSの事案であります、そして予防的な立法に関してなんですけれども、海外で拡大していると、で、日本にも影響を与えるという判断を裏付ける具体的な資料というものは示されていないというふうに思うんですね。
なので、教えてください。海外のどの国でどの期間に、自国旗の損壊行為がどの程度増加していったのかというところをお伺いしたいというふうに思っています。その海外事例が国内における、日本国内における、海外の例が日本国内における自己所有旗の損壊を誘発するという因果関係又は具体的な蓋然性を示す調査、そしてそのほか分析したもの、そうしたものを参考にして立法されたのか、お伺いをしたいと思います。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。
塩村先生から、海外の事例が国内で同様の行為を誘発するということの因果関係を証明したような論文とかそういったものはあるかという御質問がありました。
なかなか、特定の海外事案が国内の特定の行為を誘発したということを個別の因果関係をもって統計的に立証するということを立法の前提として求められるとすると、これはなかなか厳しいところではないかというふうに思っております。
むしろ、我々として立法事実として考えておりますのは、そうした個別の因果の証明ではなくて、やはり規制の必要性を基礎付けるこの社会的事実として、やはり海外でもそういったことが起きている、そして国内でも多くの市議会などからそうした懸念の声が上がっている、同様の行為を行ったときにこの処罰の間隙が今の規制の体系の中にあるのではないか、こうした点を立法事実として考えているところでございます。
○塩村あやか君 何かちょっと、説明を聞いていて、これ大丈夫なのかと不安に思うところなんですね。やっぱり国旗って大切なものだからこそ、こうしたあやふやな形で立法されてしまっていいのかというところは非常に疑問に思います。
私も海外にいたときに、例えば応援しているチームが勝って日の丸が掲げられたときにはとても誇らしい気持ちになりました。そうしたことによって国旗を大切にしていこうという気持ちを醸成していくことの方が重要だと思うんです。
残り一分になりました。
もう一問、先ほど聞き落としたんですが、予防的な刑罰立法ですよね。
調べたんですけれども、これってないことはなくて、日本にも、条約上の義務とか、現実に発生した重大な被害、生命、身体の具体的な危険でありますとか、犯罪の計画や準備行為など客観的な立法根拠があるもので、これまで予防的に日本でも立法はされているということを私は確認したところですが、今回、これまでの御答弁聞くと、そうじゃないわけなんですね。
今回、海外の行為が日本にも影響を与えるという可能性否定できないという形で御答弁いただいたんですが、それ以外、新たな刑罰を、だって確認できなかったわけですよね、刑罰を正当化する客観的な根拠は何なのか、これ最後にお伺いをしたいと思います。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 立法事実についてのお尋ねだというふうに理解いたしました。
この予測について立法が無限定に許されるという趣旨で申し上げているつもりではもちろんございません。本法案につきましては、先ほど申し上げた現行法との間隙や、又はその海外事案、その伝播してくる可能性の状況、諸外国の立法例、こうした様々なものを前提に、やはり立法事実として社会的な保護法益、つまり、国旗を大事に思う、それを目の前で公然と損壊されたくない、汚損されたくないというこの国民の皆さんのお気持ちにしっかり正面から立法で応えていきたいと、そういう思いでございます。
○塩村あやか君 答弁を聞くにつれて、非常に問題が多い法律なのではないかというふうに、国旗を大切に思うからこそ感じてしまうところでございます。
この後、鬼木委員の方から様々な問題点、指摘があると思います。本当に問題が多いままこれ通してしまっていいのか疑問に思うと申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。

(了)

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