本日、内閣委員会が行われました。
「大臣所信に対する質疑」です。塩村は、5月の内閣委員会以来約半年ぶりの質問となります。
杉田水脈元総務政務官の過去発言、留置所ノーブラ問題、悪質ホスト商法・ホスト売掛問題について、松野博一内閣官房長官、松村祥史国家公安委員長、加藤鮎子内閣府女性活躍担当大臣等と質疑しました。
本日の質疑の内容は以下の通りです。
【杉田水脈元総務政務官問題について】
塩村:杉田水脈元総務政務官の過去発言について、ニュースサイトのコラムを削除するよう求め、総務大臣からも「しかるべき対応は必ずするように、私ども、していきたい」と強い答弁を頂いている。しかし、その後しかるべき対応はされていない。
松野官房長官:杉田議員がすでに撤回している。杉田議員からニュースサイトに対して当該投稿の削除要請を行ったと聞いている。その上で削除するか否かははニュースサイト側の判断と承知している。
【留置所ノーブラ問題について】
塩村:全国の留置所が一般的なブラジャーの着用を認めていない。紐なしブラトップの着用は、全国一律で認めるべきではないか。
松村国家公安委員長:留置施設の管理運営に当たっては、被留置者の自殺等を防止しつつ、人権への配慮が十分になされることが重要であると考えている。今後、都道府県警察の状況等を確認した上で、速やかに検討し、適切に対応するよう、警察を指導していく。
【悪質ホスト商法・ホスト売掛問題】
塩村:悪質な「ホストクラブ商法」が激増している。国家公安委員長は認識をしているか。
松村国家公安委員長:いわゆるホストクラブの利用客の皆様が高額な利用料金の売掛による借金を背負い、その返済のために売春させられるなどの事例があることは承知している。
塩村:悪質ホストの研修教材には女性に好意を抱かせるマインドコントロールが記されており、女性が自らどんどんと借金を積上げてホストの売上げに貢献をさせる手口がある。これは現行法で対応できるものがあるのではないか。
黒木消費者法制総括官:ご指摘のような手法が、消費者契約法第4条第3項第6号で定める要件に該当する場合には、取り消し得る可能性があると考えている。
塩村:消費者契約法第4条で、悪質ホスト商法もデート商法と同様に取り消すことが出来るということを強力に発信して欲しい。
塩村:悪質ホストの研修教材にある女性を支配下におく手法(マインドコントロール)は、職業安定法の63条に抵触するのではないか。また、風俗勤務は該当するか。
石垣厚労省大臣官房審議官:ホストがご指摘のような手法によって、女性客の精神的自由を奪うような場合については、最終的には個別の司法判断となるが、職業安定法第63条第1号の精神の自由を不当に拘束する手段に該当する可能性があると考えている。また風俗業務については、こちらも最終的には個別ケースの司法判断になるが、一般に人としての尊厳を害し、社会一般の通常の倫理道徳観念に反して社会の善良な風俗を害するような業務については、職業安定法第63条第2号の公衆衛生または公衆道徳上有害な業務に該当すると考えられる。
塩村:ホストが高額売掛の対応や解決策として、客に風俗や所謂立ちんぼを勧めることは条文上の「職業紹介」や「労働者の供給」に該当するか。
石垣審議官:ご指摘のように、ホストが自身の女性客に対し売掛金を回収する目的で、風俗業の店舗で働くことを勧めることは、最終的には事例ごとの司法判断となるが、職業安定法第63条で禁止をしている、第1号に規定の暴行、脅迫、監禁、その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段による職業紹介や労働者の供給、また第2号に規定している公衆衛生または公衆道徳上有害な業務につかせる目的で職業紹介や労働者の供給、ということに該当する可能性があると考えている。
塩村:悪質ホストの売掛問題で典型的なものが「売春」「AV」「風俗」で女性を働かせ、売掛金を回収するというビジネスモデルだ。売春や風俗店で女性を働かせることだ。売春の教唆でのホストの逮捕事例はどの程度あるのか。
檜垣警察庁生活安全局長:売春防止法の教唆による検挙事例はあるし、教唆以外でも検挙している事例はある。
塩村:売掛問題は深刻だ。これまでに警察庁が取った対応は。
松村国家公安委員長:警察においては、違法行為がある場合には、売春防止法違反や職業安定法違反で検挙するなどの取組を行っている。また、先ほど議員も紹介されていたが、例えば警視庁では、歌舞伎町の多数のホストクラブに対して、風営法に基づいて立ち入りを行うなどの指導も実施している。今後もこうした取り組みを推進していく。
塩村:書面を発出し、より強い警告をホストクラブに行うべきではないか。特に料金表と明細を記した請求書や領収証を発行するよう指導すべきではないか。
松村国家公安委員長:本年の9月警視庁においては、歌舞伎町のホストクラブに対する立ち入りに際し、売掛金回収に関するトラブル防止のための注意喚起を行った。風営法では、料金の表示が義務付けられているが、風営法の定める範囲でホストクラブに対して、どのような指導ができるのか検討するよう、警察を指導していく。
塩村:返済能力のない若年女性に、多額の売掛(借金)をさせることに倫理的な面を含めて問題はないのか。
松村国家公安委員長:売掛そのものについては、ホストクラブ以外でも、行われていると承知している。他方ホストクラブで背負った借金の返済のために、女性が売春するなどの事例があることを踏まえると、このようなおよそ返済困難な売りかけをさせることは、私も常識的に考えて問題ではないかと考えている。
塩村:貸金業法は総量規制、割賦販売法は過剰与信防止義務、法人不当寄附防止法は借金での寄附は禁止している。悪質ホスト商法問題は急拡大している。若年女性を狙った高額借金に対する規制を将来的には考えていかなくてはいけないのではないか。
松村国家公安委員長:先生ご指摘の各種の規制については、まずそれぞれの法目的や事業の仕組み等を前提に設けられているものと承知している。風営法では、料金の表示が義務付けられており、風営法の定める範囲で、ホストクラブに対して、どのような指導ができるのか、今後検討するよう警察を指導していく。
塩村:まずはしっかりと指導をしていただけると、取組を強化していただけるというご答弁でよろしいか。
松村国家公安委員長:はい先生ご指摘の通りです。しっかりと指導していきたい考えている。
塩村:相談・支援体制を整えるべきではないか。
加藤女性活躍担当大臣:売春などの性的サービスを強要することは、当事者に深刻な精神的肉体的苦痛をもたらすとともに、その尊厳を傷つけるものであり、許容できるものではない。本日、塩村委員のご議論をお聞きし、悪質なホストクラブにおいて、若い女性がその行為を利用され、売春等をさせられるなどのケースについて、その問題の深刻さを改めて認識をした。若い女性が、単に選択肢のない状況に立たされ、性的に搾取されるようなことはあってはならないことであり、そうした女性たちが相談し支援につながることができる環境を整備することは重要であると認識している。ご指摘の問題に関する相談支援体制は、警察や消費生活センターなど各種の問題に対応する専門機関があるが、まずは本日のご指摘の問題の状況等について、関係省庁間でよく情報共有等を行っていくことが必要であると認識している。
塩村:ちゃんと作ってください。そこまでの答弁いただけなかったと思うので、ちょっと残念ですが、作ってくださいとお願いをしておきます。
塩村:悪質ホストクラブ商法に対する今後の対応と決意を。
松村国家公安委員長:警察では、違法行為については、売春防止法違反や、職業安定法違反で検挙するなどの取組を行っている。こうした違法行為に対する捜査をはじめ、風営法の遵守の徹底や効果的な広報啓発、注意喚起など、様々な対策をしっかり講じていかなければならないと、認識している。今後も各種対策を強力に推進されるよう、警察を指導していきたい。
塩村:今日の質疑で、警察もしっかりと取組を強化して、前に進めてくれるという確認が取れました。ありがとうございます。
塩村:最後に、今日ご答弁いただいた内容を、各省庁のHPで啓発、これをちゃんとやっていただきたいということを要望して質問を終わります。