悪質ホストクラブ問題「しっかり実態を把握して対応して頂きたい」加藤大臣に要望 ~内閣委員会~

 本日、内閣委員会「一般質疑」が行われました。
 塩村は、先週の内閣委員会に引き続き、杉田水脈元総務政務官の過去発言、悪質ホスト商法・ホスト売掛問題について、さらに、この夏、慰霊祭参加のためフィリピンを訪問しましたが、関連して、遺骨収集ついて、フィリピン残留日本人二世問題について、松野博一内閣官房長官、松村祥史国家公安委員長、加藤鮎子内閣府女性活躍担当大臣等と質疑しました。

 塩村あやかの質問は「0:05:15」からです。

本日の質疑の内容は以下の通りです。

【杉田水脈元総務大臣政務官について】

塩村:政務官辞任の経緯について。アイヌ民族や学者らでつくる市民団体「アイヌ政策検討市民会議」から自身の言動に直接謝罪を求められ「こんな団体に謝罪するぐらいなら、私は政務官をやめます(と伝えた)」と本人がネットメディアで発言している。事実か。
松野官房長官:先生ご指摘の報道について、そのような事実は承知していません。
塩村:確認をして私たちに報告していただきたい。
松野官房長官:先ほど申し上げました通り、ご指摘の報道についてそのような事実は承知していない。けれども杉田議員はご自身の判断で、国会審議に迷惑を掛けられないということで、総務大臣政務官を辞任したものと承知している。

塩村:このようなことが二度とないようにお願いをしておきたい。

【遺骨収集について】
塩村:この夏に日本軍(海軍)の駐屯地があったフィリピンルソン島のインファンタに慰霊に行ってきた。90歳になる日本軍に家を接収された女性と、市長よりこの場所に日本軍の遺骨が眠っていると教えて頂いた場所がある。確度の高い情報だと考えられるが、収集を早急に行うべきではないか。
泉厚労省大事官房審議:フィリピン共和国での我が国の戦没者の遺骨収集は、平成三十年にフィリピン政府と取り交わした協力覚書に基づき実施している。毎年翌年度の遺骨収集事業の計画をフィリピン政府に示した上で、具体的な調査地域、調査時期等について両国間で協議を行い、合意された内容に従い事業を実施している。議員ご指摘のケソン州インファンタについては、厚生労働省でも別のご遺骨に関する情報を得ている。今後、来年度の計画案について、議員から提供いただいた情報も踏まえ、フィリピン政府と協議を行う中で同地での現地調査を実施できるよう調整を進めていきたい。

【フィリピン残留2世問題について】
塩村:証明が難しいと考えられていた、2人の2世の身元が判明しつつある。その2人がクラウドファンディングで来月に来日し、親族探しを行うこととなった。戦争で父を失い、貧しい環境で育ち、日本人ではなく無国籍となっている二人。その2人の日本到着(福岡空港)を政務3役で迎えて欲しい。いかがか。
岡野外務省大臣官房審議官:外務省としては、フィリピン残留日系人の問題の対応を重視しており、残留日系人の方々の実態の把握、希望する方々の一日も早い国籍回復をはじめとする支援を進めている。この二人の方の出迎えについては、今後何ができるか検討したい。

【悪質ホストクラブ問題について】
塩村:この問題を質疑に取り上げた反響は大きく、被害者の家族や知人・友人から被害状況の報告が多く届いている。被害者や家族から届いたメールやメッセージの内容を紹介する。感想を伺う。
松村国家公安委員長:私も子を持つ親の一人であり、お子様を思う親御様の悲痛な気持ちを真摯に拝聴させていただいた。その上で警察においては、本年四月にホストクラブ従業員の男が、売掛金を回収するために、女性客に売春の客待ちをさせたとして、同ホストクラブ従業員の男を検挙するなどの取り組みを行ってきた。こうした違法行為に対する捜査をはじめとする風営法の遵守の徹底や、効果的な広報・啓発、注意喚起など様々な対策を、さらにしっかり講じていくよう、警察を指導していきたい。
加藤女性活躍担当大臣:ご指摘の悪質ホストクラブ商法の問題については、委員ご指摘の通り、特に若い女性の恋愛感情等を利用され、多額の売掛金を背負わされる事案が生じていると認識している。こうした事案は多額の売掛金を返済するために、そうした若い女性が売春等させられるなどのケースがあるなど、女性に対する性的サービスの強要等の犯罪となる行為も含む問題につながっており、大変深刻な問題だと受け止めている。本日の先ほどの委員からのご指摘の中には、実際に被害にあった当事者やそのご家族ご友人などからのメッセージをご紹介をいただき、その悲痛な訴えや助けを求める切実な声に、改めてこの問題が当事者だけでは解決し難い深刻な問題であるということを感じた。関係省庁の連携者対応が必要になるが、男女共同参画の推進を担当する立場からも、困難な状況にある女性たちが相談しやすく支援につながることができる環境の整備などに努めていきたい。

塩村:悪質ホストクラブ商法の問題と、他の問題との差異は。ホストクラブの売掛は実質的な借金であるにも関わらず、貸金業法の総量規制にも該当せず、社会経験の少ない18歳など20代の「支払い能力のない若い女性が短期に数百万や1千万円を超える売掛金を背負う」こと。そして、「友営」「色恋」「本営」、「鎖をかける」「地雷を置く」という女性をマインドコントールにかける手法まで用い、結果的に多額の売掛金の返済のために売春や風俗勤務を教唆されることにある。つまり、売掛金の与信が「若い女性の身体」ということにあると指摘されているが、国家公安委員長の認識は。

松村国家公安委員長:ホストクラブで背負った借金の返済のために、女性が売春するなどの事例があることを踏まえると、このようなおよそ返済困難な売掛をさせることは、常識的に考えて問題ではないかと、先般もお答えした通り考えている。いずれにしても、風営法の遵守を徹底させると共に、刑罰法令に触れる行為があれば、厳正に取り締まることが必要であると考えている。

塩村:被害を撲滅するために、何をすべきかが大事である。国家公安委員長は風営法をしっかりと適用するよう警察を指導するとのことだが、売掛問題は風営法で解決できるものではないと考えれば、総量規制などを考えなくてはいけないのではないか。そこで加藤大臣に伺う。貸金業法は総量規制、割賦販売法は過剰与信防止義務、法人不当寄附防止法は借金での寄附は禁止している。悪質ホスト商法問題は急拡大している。若年女性を狙った高額借金に対する規制がないのが現状だ。被害者の親や支援団体、有識者より法整備の声があがっているが、現行法だけで対応が可能と考えるか伺う。

加藤大臣:悪質なホストクラブにおけるご指摘の問題については、先般、国家公安委員長よりご答弁のあった風営法のほか消費者契約法、売春防止法、職業安定法により違反となり得る行為を含むものと承知をしている。現在の深刻な状況に鑑み、まずは関係法令の規定の周知やその遵守を徹底するための指導、取締りに力を入れることが肝要であると考えている。その上でご指摘の問題については、個々の状況が様々であり、関係法令の適用についても、個々の事案に応じたものとなると承知をしている。そのため、そもそも若い女性が恋愛感情を利用され多額の売掛金の返済のために売春等させられるという状況に至らないよう、予防の観点から、こうした問題がある状況等について、広報・啓発を図っていく。
塩村:答えていただいてない。現行法で対応できるかと聞いている。
加藤大臣:ご指摘の問題については、個々の状況が様々であり、関係法令の適用についてもそれぞれ個々の事案に応じたものになると承知している。先程申し上げた予防のための広報・啓発に加えて、被害に遭う背景として、貧困や虐待などにより若い女性たちが生活に困窮したり居場所を失ってしまうなどのケースもあると認識している。このため、関係法令による規制や、警察による取り締まり等の対応に限らず、関係省庁がそれぞれの観点から、若い世代へ総合的な支援に取り組むことが本問題の対応に資するものと考えている。
塩村:それじゃ守れないと思いますよ。女性を担当する大臣ですから、もうちょっとしっかりしていただきたい。本当にこれで守れるんですか。もっと実態を知っていただきたいと思っています。
さらに、どのような対応を今後、内閣府として行うか伺う。
加藤大臣:立場の弱い若い女性たちが他に選択肢のない状況に立たされ、性的に搾取されるようなことはあってはならないことであり、警察により取り締まり等に加え、困難に直面する女性たちが相談し必要な支援につながることができる環境を整備することも重要なことと認識をしている。内閣府としても関係機関が当事者の方々から相談を受けたときに、適切な対応をとることができるよう、まずは警察庁、消費者庁、厚生労働省等の関係省庁等との間において、必要な情報共有を図っていくことが必要と考えている。加えて、当事者の方々が被害にかかる認識を持てない場合もあることについても留意が必要であり、こうした点も踏まえ、この問題に関して当事者以外の方々も含め広く認識をして頂くための広報・啓発にも関係省庁と連携をして取り組んでいく。
塩村:しっかり実態を把握して対応して頂きたい申し上げて終わります。

シェアする