去る5月27日に外交防衛委員会が行われました。
塩村は自衛隊音楽隊の活用やフィリピン残留日本人2世、慰霊碑の管理、外国人による国内不動産の所有などについて、中谷元防衛大臣、岩屋毅外務大臣、吉田真次・厚生労働大臣政務官、国定勇人・国土交通大臣政務官らと質疑しました。
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https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=8559
塩村の出番は「 0: 47: 20 」ごろからです。
当日の質疑の内容は以下の通りです。
【自衛隊音楽隊の活用】
儀式や式典での演奏に加え、隊員の士気高揚や対外広報を任務とする自衛隊の音楽隊。
自衛隊に対する国民の理解増進のため、そして平和の実現のために、大きなポテンシャルがありそうですが、防衛省側の認識はどうなのでしょうか。
塩村:先日開催されました極真空手の世界大会で、自衛隊中央音楽隊の鶫真衣さんが3曲を披露しました。新たな旅立ちを歌った「タイム・トゥー・セイ・グッバイ」、反戦の歌である「一本の鉛筆」、そして鶫さんが被災地の出身ということで「ふるさと」の3曲となります。極真空手は半数以上がロシアの選手で、その前でこれらの歌を歌ったということになり、とても意味があったのではないかと感じています。「一本の鉛筆」の歌詞には「一本の鉛筆があれば八月六日の朝と書く」とありまして、自衛隊が歌うというところに、とても重たい、いい意味での意味が込められているのではないかなと感じたところございます。こういった活動はとてもすばらしいと感じたところですが、音楽隊の国際親善活動について、何か行っていれば教えていただきたいと思います。
政府参考人(防衛省):国内での国際的な事業への参加のほか、海外で開催される国際軍楽祭に派遣するなど、日本国民のみならず海外の方々にも防衛省・自衛隊を知っていただくとともに、信頼関係の構築に努めている。
塩村:選曲の方針やルールなどがあれば教えてください。
政府参考人(防衛省):部外のイベントにおいて演奏を行う際には、主催者の要望によるもののほか、主催者と相談しながら、イベントのテーマに沿って音楽隊が選曲をすることになっている。
塩村:自衛隊というものを国民の皆さんに理解してもらうことが重要だと私は考えておりまして、自衛隊というのは国を守っていくもの、平和を守っていくものなんだというところがしっかりと伝わる活動が重要だと思っていますが、大臣の考えをお伺いしたいと思います。
中谷防衛大臣:選曲、曲目についてはそれぞれの要請に応じているが、基本的には演奏する部隊に任せている。ただし、演奏する以上は、やはり自衛隊というものを身近に感じてもらいたいと思うし、自衛隊の活動に理解をいただくため、現場としてもいろいろと工夫をして選曲をしていると思う。
塩村:ありがとうございます。是非工夫をしながら国民の理解を得る活動をしていただきたいなと思っております。
【フィリピン残留日本人2世】
去る3月5日の予算委員会で、石破首相が存命中のフィリピン残留日本人2世の帰国に関して前向きな答弁を行い、4月29日には首相がマニラで3人の残留日本人と対面しました。また、今月25日には別の2人が沖縄に住む親族と対面を果たしました。
戦後80年、節目の年の終戦の日までに、親族探しのための一時帰国は実現するでしょうか。
岩屋外務大臣に質問しました。
塩村:フィリピン残留日本人2世の問題になります。3月5日の予算委員会で取り上げた際、石破総理がこの問題を取り上げたドキュメンタリー番組を見たと答弁されましたが、外務大臣はご覧になったことがあるか、教えてください。
岩屋外務大臣:幾つか視聴したことがある。
塩村:日本の外務大臣として彼らに対する思いや、この問題をどう認識しているか、教えてください。
岩屋外務大臣:フィリピン在留日系人の方々の長年にわたる苦労、困難、そして、そのような中でも地域できずなを育まれてこられたことに敬意を表したいと思う。同時に、残留日系人の方々の国籍取得が実現していないことは非常に残念で悲しいことだと感じている。政府としては、残留日系人の方々の高齢化が進む中において、希望する方々の一日も早い国籍取得や一時帰国に向けた支援を進めることが重要だと認識している。
塩村:国籍を希望する2世の方は当初4000人ぐらいいらっしゃったところ、49人にまで減ってしまっています。数少ない御存命の2世の救済を急がなくてはいけないと私は考えております。戦後80年の終戦の日までに、一人でも二人でも構いません、何とか一時帰国を実現させていただきたいと改めてお願いを申し上げますが、御答弁をいただけないでしょうか。
岩屋外務大臣:一時帰国は、親族捜し等を通じて国籍取得に必要な情報を得るためにも重要な機会だと考えている。この段階でいつまでに必ず実施するといった具体的な時期は申し上げられないが、関係者の方々の切なる声を踏まえ、一日も早く一時帰国が実現するよう政府として引き続き真剣に検討を進めていく。
塩村:大臣のリーダーシップで、ここはもう是非お願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【慰霊碑の管理の在り方】
去る3月24日の外交防衛委員会で取り上げた、広島県呉市・旧海軍墓地内の設営隊の慰霊碑に何者かが旭日旗(軍艦旗)を加えた問題に関して、先日呉市の担当者より、旭日旗はステッカーで、すでに撤去されたとの連絡がもたらされました。
これにより問題はひとまずの解決を見ましたが、この騒動は、公有地にある慰霊碑ですら適正な管理が難しいという現実を私たちに突き付けています。
根本的な解決に向け、ルールや方針、ガイドラインといったものは作れないのか、政府側に質問してみましたが・・・いまひとつ、かみ合わない質疑となってしまいました。
塩村:呉市の設営隊慰霊碑に貼られていた旭日旗のステッカーは撤去されましたが、慰霊碑の在り方に対する、国の方針というものがないことが、今回の一連のごたごたで判明しました。また、設営隊は非戦闘部隊ですが、その慰霊碑に軍の旗である旭日旗が加えられることで戦闘部隊と混合されて、設営隊の存在の意味が、歴史が変わってしまうのではないかと危惧しました。そろそろルールとか方針を。ガイドラインを作るか、それが難しいのであれば国会答弁に残して何かあったときに解決ができるような方策を取っていかないと、変な形に歴史修正が起こるのではないかと感じております。この件について御答弁をいただけたらと思います。
吉田大臣政務官:民間建立慰霊碑については、それぞれの慰霊碑に建立をした方々の思いがあると認識している。このため、国が一律の方向性を示すという形ではなく、建立者あるいは管理者に検討いただき、適切に管理を行っていただくことが望ましいと考えている。他方、建立者等が不在、あるいは高齢等のために自ら維持管理ができなくなった場合に、地方自治体が移設等を行う際の経費補助を令和7年度予算で増額計上した。こうした事業を通じて、民間建立慰霊碑に対する地方公共団体の取組を支援をしていくこととしている。なお、令和7年度においては、国内の民間慰霊碑の管理状況などを確認する調査を行うこととしており、その結果を踏まえた上で、地方自治体とも連携をしながら、管理不十分である慰霊碑の取扱いについて適切に対応していきたいと考えている。
塩村:民間の慰霊碑で、民有地にあって管理不十分なものをまず公有地に移し、適正に管理を行っていくという政府の方針は理解していますが、私の今回の質問の趣旨は、旧海軍墓地という公有地にあるものですら適正な管理が難しくなってきているという現実があるのだから、きちんと管理ができるような方向性、例えば落書きであるとかステッカーが貼られてしまうだとか、そういったものに対して自治体が何もできないというような事態は解消していきましょうということです。そこはきちんと踏まえていただけているのか、御答弁ください。
吉田大臣政務官:そういったことも含めて、やはりまず実態を調査をしなければいけないというところは大前提であり、建立をした方々の思いというものをしっかり我々も受け止めなければいけないというところである。
塩村:それは理解していると申し上げています。私が言っているのは、公有地に移したとしても適正な管理がもうできていないのだから、ガイドラインを作るなり、そういったことを検討していただけますかということです。お答えください。
吉田大臣政務官:繰り返しになるが、慰霊碑というのはやはり、建立した方々に維持管理をしていただくことが望ましいというふうに考えている。
政府参考人(厚生労働省):先生がお話されているような課題も含め、調査をしていきたいと思っている。
塩村:では、お願いを申し上げておきます。きちんと調査をしていただき、旧海軍墓地のような場所にあるものですら既に適正な管理が難しくなってきている。いたずらか何か分からないものに対して、自治体ですら動けない、動くにしても、方向性もないのでどうしていいか分からない。こういった状況はしっかりと解消していただきたい、そのためには方向性なりガイドラインを出すなりしていただきたいと強く申し上げておきます。お願いいたします。
【外国人による不動産の所有について】
近年、外国人による日本国内の不動産の取得が増加し、それに伴って様々な問題も耳にするようになりました。
外国人特有の問題もあれば、日本人所有者にも通じるものもありますが、政府による実態の把握と対策はどの程度まで進んでいるのでしょうか。
途中で時間切れとなってしまいましたが、まずは前半戦の質疑です。
塩村:全マンションにおける、外国人所有者の割合が分かれば教えてください。
政府参考人(国土交通省):マンションの所有者のうちどの程度が外国人かという、不動産全体のストックベースでの数値については把握していない。国交省は不動産取引の動向を把握する観点から、法務省より定期的に所有権の保存及び移転登記の情報を入手し、その分析を行っているが、国内に住所を有しない区分所有者数については、近年の保存、移転登記を基にして、不動産取引のフローベースでの分析を進めているところである。
塩村:外国人所有者が増加をしている主な理由が分かれば教えてください。
政府参考人(国土交通省):外国人所有者が増えているというデータが明確に数字としてあるわけではないが、民間調査等によって円安等で日本の不動産価格の割安感が生じた結果、海外投資家等により一定の需要があることなどが指摘されている一方、事業者などからの聞き取りによると、新築マンションの購入の主力はあくまで日本人であると聞いている。また、日本に居住する外国人が増加している傾向があり、これに伴ってマンションの購入が増えている可能性があると認識している。
塩村:外国人所有者が増加するメリットとデメリットを、端的に教えていただければと思います。
国定勇人・国土交通大臣政務官:一般的に、外国人富裕層等の需要にも応えられるようなマンションは購入者にとって訴求力の高い仕様、設備、条件等を備えていると想定され、こうした住戸が広く供給されることにより、好立地への居住を希望する共働き世帯などの選択肢となること、これに伴う人口流入などで地域が活性化することが考えられる。他方、海外投資家等の購入が価格高騰を引き起こしているのではないかと指摘されていることは事実であり、言語や生活習慣の違いなどから外国人居住者と十分なコミュニケーションが行えず、結果としてマンションの管理が十分に行われなくなるのではないかとの指摘も頂戴している。
塩村:経済効果の一方、日本人の所得ではマンションの購入が難しくなってきているという現状をどのように認識しているか、それに対する方策はあるか、教えていただきたいと思います。
国定大臣政務官:住まいは生活の基盤であるので、こうした問題は大変重要な課題であると捉えている。引き続き、住宅価格や金融市場の動向を緊張感を持って注視をしつつ、住宅ローン控除などによる取得負担の軽減、全期間固定金利の住宅ローンの提供、あるいは既存住宅流通市場の活性化など、希望する方が安心して住宅を確保できるような環境の整備に努めていきたいと考えている。
塩村:ありがとうございます。たくさん質問を準備してきたのですが、時間がなくなってしまいましたので、残りはまた次回にさせていただきたいと思います。