今週火曜日(4月14日)に続き、
参議院内閣委員会で質疑を行いました!
今回は前回とは異なり、”法案”についての質疑です。
政府(今回は警察庁)から提出された、「内閣提出法案」で、
”業界的には”一般に「閣法(かくほう)」と呼ばれています。
対して、国会議員が提出する法案は「議員立法」と呼ばれ、
こちらは一般に「議法(ぎほう)」と呼ばれます。
今回の閣法名は、
「犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案」。
略して「犯収法」と呼ばれることもあります。

今回の法改正の主な変更点は3つあります。
1・通帳やキャッシュカードなどの不正譲渡の厳罰化
2・「送金バイト」に対する罰則の創設
3・警察による「架空口座」を利用し、犯行グループの検挙を目指す
特に、3の「架空名義口座」は、都市銀行や地銀、信金などなど
様々な金融機関の協力を得なければならず、思うようにうまくいくのか?!
たくさんの疑問を塩村あやかが、国家公安委員長、佐藤官房副長官に質しました。
(事務所スタッフによる文字起こしです。参院事務局の正確な議事録は後日掲載します)
▶️動画はこちらから◀️
【北村委員長】
ただいまから内閣委員会を開会いたします。
犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより質疑に入ります。質疑のある方は順次ご発言願います。塩村あやか君。

【塩村委員】
立憲民主・無所属の塩村あやかでございます。本日はよろしくお願いいたします。
まず質疑に入る前に、通告の最後にも関連しますが、一言述べさせていただきます。
今回は匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)対策の一環として法改正が行われますが、
トクリュウといえば、私はこれまで悪質ホストの問題等に真っ先に取り組んでまいりました。
この4月は新入学生や新社会人が地方から上京してくる時期であり、適切な啓発がなされなければ同じ被害が繰り返されると危惧しております。新入生歓迎会等を通じた啓発、また夏に向けて急増する日本人女性の海外売春への送り出し対策についても、しっかり取り組んでいただきたい。この点については後ほど詳しく伺います。
それでは順次質問いたします。まず、今回の改正案の中心的目的と、本法の本来の趣旨である「犯罪収益の移転防止」との関係について、政府の整理を伺います。
【大濱組織犯罪対策部長】
お答えいたします。現在、トクリュウが関与するSNS型投資・ロマンス詐欺を含む特殊詐欺の被害は極めて危機的な状況にあります。 これらの犯罪では、預貯金口座のほか暗号資産など多岐にわたる金融サービスがマネーロンダリングに悪用されています。 今回の法律案は、令和7年4月に政府決定された「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」に基づき、より実効的な対策を講じるものです。 具体的には、
①預貯金通帳の不正譲渡に対する罰則の引き上げ、
②いわゆる「送金バイト」に対する罰則の創設、
③「架空名義口座」を利用した被害回復のための措置の創設を主な内容としております。
本案により、これらを利用した特殊詐欺やマネロン等の防止が図られるものと考えております。
【塩村委員】
次に、新設される「送金バイト」規制について伺います。
今回の改正では「正当な理由」がある場合には規制から除外されますが、
食事の会費の集金や家族への振込依頼などが例示されています。
どのような基準で判断され、それを国民や事業者にどう周知・明確化していくのか、国家公安委員長にお尋ねします。
【あかま国家公安委員長】
お答えいたします。罰則の対象を刑罰に値する行為に限定する観点から、「正当な理由がない」との要件を設けました。 「正当な理由」にあたる典型例としては、通常の商取引や金融取引として行われる場合、また委員ご指摘の食事代の集金や家族への振込依頼などが該当します。 これらの解釈については、事例を含めて警察庁ホームページ等でしっかりと周知し、適切な取り締まりが行われるよう指導してまいります。

【塩村委員】
周知については、トクリュウに悪用されないよう具体的な基準を示していただきたい。
続いて、帰国外国人の口座対策についてです。 在留外国人が帰国時に不正に譲渡した口座が、トクリュウの資金獲得活動に利用されている実態があります。今回の改正で、帰国前後の口座譲渡・売買をどのように防ぎ、金融機関や入管庁との連携をどう強化するのか伺います。
【大濱組織犯罪対策部長】
極めて重要な問題と認識しております。警察庁では、金融庁や入管庁と連携し、口座悪用防止のリーフレット作成等の啓発を行っております。 また、金融機関に対し、システム上での犯罪検知を要請しており、検知された情報は随時捜査に活用しております。 今回の改正により、預貯金通帳を売る側・買う側の双方について罰則を引き上げることで、帰国前の譲渡やその買い受けに対する抑制効果が期待できます。
【塩村委員】
実効性のある対応をお願いします。
次に、改正案の射程外となっている高リスク分野について伺います。 宝石や貴金属、士業などが特定事業者として規制対象となっている一方で、私が取り組んできた悪質ホスト商法やデジタル性的搾取などは対象外です。 こうした分野の資金の流れを今後どのように把握し、特定事業者の指定拡大を検討していくのか、認識を伺います。
【大濱組織犯罪対策部長】
国家公安委員会では、疑わしい取引の情報を集約・分析し、リスクの高い手口を毎年公表しております。 今後とも、性的搾取や違法な風俗営業など、個々の治安事象に応じた必要な対策を適切に講じてまいりたいと考えております。
【塩村委員】
出口の措置、被害回復についても課題があります。 今回の改正では、架空名義口座の被害金返還・給付金制度が整備されますが、性的搾取由来の犯罪収益については被害回復の仕組みが見えません。 なぜ制度設計が検討されていないのか、今後どの枠組みで検討していくのか伺います。
【大濱組織犯罪対策部長】
性的搾取を受けた方が、犯行グループにより財産を移転させられた場合には、今回の架空名義口座の規定に従って返還が可能となる場合があります。 また、性的搾取由来の収益を把握した場合は、組織的犯罪処罰法に基づく没収保全命令を活用するなどして、確実に剥奪することを目指してまいります。

【塩村委員】
トクリュウは法の欠缺(抜け穴)を突くのが得意です。悪質ホストの問題でも、当初は「男女間のトラブル」として警察が十分に取り合わなかった間に、深刻な被害が拡大しました。 今後、新たな搾取事案が生じた際、後手に回らず迅速に立法措置や対応を行うための司令塔機能をどう強化していくのか伺います。
【山田生活安全局長】
既存の法令で対応できない場合には、国会での議論を踏まえ、迅速に立法措置を講じることが重要です。 今後、新たな治安課題が発生した場合には、この考え方に基づいて適切に対応してまいります。
【塩村委員】
次に、トクリュウ対策の実効性と警察組織の公正性についてです。 米国大使館サイトに掲載された人身取引報告書では、日本の元公職者と性産業のつながりが、法執行や規制の遅れに起因している可能性が指摘されています。 政府はこの指摘をどう受け止め、点検を行う考えはありますか。
【あかま国家公安委員長】
ご指摘の報告書は米国が独自の基準で作成したものであり、コメントする立場にはございませんが、警察としては違法行為を認めた場合には適切に対処するよう指導してまいります。
【塩村委員】
また、現職警察官がトクリュウに取り込まれ、捜査情報を漏洩させる事案も発生しています。 これは単なる個人の倫理の問題ではなく、組織浸透型の脅威と認識すべきではないでしょうか。再発防止策をどう強化しますか。
【大濱組織犯罪対策部長】
警察官による情報漏洩は国民の信頼を損なう言語道断の行為です。 捜査員が犯罪組織に取り込まれる危険性を再認識し、業務管理の徹底を全国の警察に指示いたしました。
【塩村委員】
最後に、佐藤官房副長官に伺います。 警察庁長官として改革を進めた露木副長官の経験も踏まえ、トクリュウ撲滅に向けた政府横断的な決意を伺います。

【佐藤官房副長官】
高市内閣ではトクリュウ対応を最重要課題と位置づけています。
警察の情報収集・分析により実解明を進め、政府一体となって「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」を強力に推進し、トクリュウの撲滅に向けて取り組んでまいります。

【塩村委員】
期待しております。ありがとうございました。
その後、各会派の委員より質疑が順次行われ、
本法案の採決(賛否)が行われ、賛成多数で可決し、
立憲民主党の小島とも子委員が代表して附帯決議を提出、朗読しました。
直ちに採決が行われ、こちらも賛成多数をもって、参議院内閣委員会で決議されました。
【附帯決議って何??】
簡単に言うと、附帯決議(ふたいけつぎ)とは、
「法案を通す際に、政府に対して『この法律を運用する時は、これらの我々の方針や注意点もしっかり守ってくださいね』と突きつける注文(要望)」のことです。
1. 附帯決議の主な役割
法律は条文として固定されるため、細かな配慮や将来的な見直しをすべて書き込むのが難しい場合があります。そこで、国会(立法府)が政府(行政)に対し、以下のような意思表示を行います。
-
条文の補足: 法律の文言だけでは読み取れない、具体的な配慮事項を指示する。
-
将来の見直し: 「施行後〇年以内に、状況を見て内容を見直すこと」と約束させる。
-
懸念の解消: 野党が懸念している点について、政府に「善処する」と約束させることで、法案成立の合意形成をスムーズにする。
2. 附帯決議の性質
ここで重要なのが、法案本体との違いです。
| 項目 | 法案(法律) | 附帯決議 |
|---|---|---|
| 法的拘束力 | あり(国民も政府も守る義務がある) | なし(政治的な尊重義務にとどまる) |
| 決定場所 | 本会議での可決で成立 | 主に各議院の「委員会」で採択 |
| 違反した場合 | 違法となり、罰則や行政処分が伴うこともある | 法的な罰則はないが、政治的責任を問われる |
国会にはたくさんのルールがあり、さらに院(ハウスとも言います)ごと、








