国家情報会議設置法案質疑!〜参議院内閣委員会〜

去る5月26日(火)、今国会の最重要法案の一つと政府が位置付けている、

国家情報会議設置法案に対する最後の質疑が行われました。

また、冒頭、立憲民主党の杉尾秀哉委員から、

修正案(政府案に対する修正案)が提出され、塩村委員は

政府案(原案)と修正案の両案に対して質疑を行いました。

以下、修正案提出者の杉尾秀哉議員、そして官房長官、参議院法制局と国立国会図書館への質問の概要(わかりやすくまとめたもの)です。議事録は文末に掲載します。

本法案最後の質疑が行われた参議院内閣委員会室。

参議院内閣委員会 質疑概要(5月26日)

議題:国家情報会議設置法案(原案)

及び立憲民主党提出修正案に対する質疑

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【立憲民主党は情報機能の強化に反対しているのか?】

  • 塩村委員

     国際情勢が厳しさを増す中、テロやサイバー攻撃、経済安全保障上のリスクなどに対し、政府が的確に情報収集・分析を行う必要性は高まっている。今回の修正案はインテリジェンス機能そのものに反対するものではなく、「必要な情報機能を強化するからこそ、国民の権利や民主的統制との両立を図るための修正」という理解でよいか

  • 杉尾秀哉 議員(修正案提出者)

     安全保障上の脅威に対抗するためのインテリジェンス強化は全く否定しないし、異存もない。しかし、機能強化は国民の権利利益の侵害にもつながりかねない重大な問題であり、国民の理解と民主的統制との両立が不可欠である。原案の立法過程における拙速さを正すために修正案を提出した

    ※塩村委員より、国連元職員である田島麻衣子議員の「外国の外交官と対話する中でもこうした仕組みは必要である」との連合審査での質疑実績も補足紹介された

  • 修正案について質疑をする塩村あやか委員。

    【地方自治体の機微情報まで集約?】

  • 塩村委員

    福祉・医療・税務などの機微情報や、地方自治体が保有する個人情報までが、本人の知らないところで政府内に集約され、市民活動や政治活動の萎縮を招くのではないかという不安が広がっている。この声をどう受け止めているか

  • 杉尾秀哉 議員

    全国の地方議員の皆様とZoom会議をさせていただいたが、地方の現場でもこれだけ心配する声が広がっている事実に衝撃を受けた。国会議員はこうした地方や市民の声に真摯に耳を傾ける必要がある

  • 木原稔 内閣官房長官

     法案第7条に基づく情報提供の主体に「地方自治体」そのものは含まれない。しかし、「国の行政機関(関係行政機関の長)が現に保有している資料又は情報が、自治体や民間に由来するものであったということは当然あり得る」。ただし、無制限ではなく重要国政運営に資する必要な範囲に限られ、個人情報保護法のルールに則って適切に処理される

     

  • 塩村委員

    政府は「国家情報会議から直接自治体に求める制度はない」と最後に持ってきてしれっと答弁するが、「各省庁が吸い上げた自治体・民間由来のデータが上に上がっていく構造」が暗に隠されている。誠実に正しいことは答えているようで、逆に国民の不安や懸念を生むような状況になっている


 【組織法だから人権保護や歯止めは書かないという政府の言い訳】

  • 塩村あやか 委員

     政府はこれまで「組織を設けるための組織法だから個別の活動規制や歯止め規定は置かない」と説明してきた。しかし、今回の修正案は情報の定義や人権侵害防止、政治的中立性、国会報告を盛り込んでいる。なぜ組織法の中にこれら実効性のある歯止めを加える必要があると考えたのか

     

  • 杉尾秀哉 議員

    政府は「組織をただ格上げして整理しただけで新たな権限付与はない、懸念は当たらない」と法案を小さく見せようとしているが、総理を頂点とする巨大な情報組織のピラミッドができる以上、これは重大な政策変更である。原案には人権侵害防止や政治的中立性の確保、国会監視の視点が抜け落ちており、「組織法の中であってもこうしたものを規定することは法律的にまったく問題がない」と考えて、修正案を出した
    塩村委員に対して答弁を行う杉尾修正案提出者。

 【疑いをかければ、一般市民も情報集約の対象に?】

  • 塩村委員

    法令上の除外規定がない以上、個人の決済、通信、移動、宿泊履歴、SNSの関連情報までが行政機関経由で国家情報会議に吸い上げられることになる。どういう状況であれば「多くの国民が安心だ」と思える一線を示せるのか

     

  • 木原稔 内閣官房長官

    サイバー攻撃の対象となった企業・大学の先端技術情報や、テロの計画が明らかになった場面での捜査情報・出入国情報などの共有を想定している「テロリストに関する情報であればこういった情報が必要となる場合も考えられるが、一般の市民の方々のそういった情報が必要となるという場合はあまり想定されない」
    ”あまり想定されない”と答弁する官房長官。
  • 塩村委員

    あまり想定されない」ということは、「疑いをかければすべての一般市民が対象になり得る」という裏返しだ。政府の法案に反対の声を上げている市民が、何か疑いをかけられて「自分も調べられるのではないか」と萎縮し、家族に止められて活動に参加できなくなるようなことがあれば、逆に民主主義から遠のく。だからこそ、事前に様々な歯止めをかけておくべきだった

【人権侵害防止・中立性を明記すると現場が「萎縮」?】

  • 塩村委員

    修正案第3条の調査審議事項として「基本的人権の侵害防止」や「職員の政治的中立性確保のための方策」を追加した目的は何か?政府側の「萎縮効果を招く」という説明に合理性はあるか

     

  • 杉尾秀哉 議員

    政府は公務員法や個人情報保護法を理由に「不当な活動は行わない」と言うが、裏で様々な不当活動が行われてきたのは周知の事実である。「組織法だから作用法的なものを書けば現場が萎縮する、バランスが取れない」という政府の主張は完全な「詭弁」だ。政府自身も、情報活動の推進方策を文書化・公表する際には中立性を損なわないための具体的方策を検討の上盛り込むと言っているのだから、法律の中にしっかり規定すること自体、何ら問題はない


【組織法の中に「歯止め規定」を置いている事例は?】

  • 塩村委員

    組織法を理由に歯止めを拒む政府に対し問う海外の情報機関や情報会議等の組織法において、人権保障や中立性の歯止めを設けた例はないのか

     

  • 国立国会図書館(専門調査員)

     存在する

    【ドイツ:連邦情報庁法】 第2条で権限行使にあたり「本人に対する侵害が最少となる措置」を選ぶべきこと、第7条で「個人情報の訂正・消去・遮断」を規定
    【韓国:国家情報院法】 第11条で「職員の政治関与の禁止」、第13条で「職権濫用による逮捕・監禁等の禁止」、第14条で「不法な検閲・通信傍受等の禁止」を規定
    【アメリカ:合衆国法典第28編(FBI規定)】 第534条で司法長官に情報の収集・保存・交換を認める一方で、「情報交換の目的や外部提供の範囲の制限」についても規定

    答弁を聞いて、次の質問に備える塩村委員。

    【組織法に”人権侵害防止や政治的中立性確保”の明記

  • 塩村委員

    本法案において、人権侵害防止や政治的中立性確保のための方策を調査審議事項として追加する我が党の修正案は、国内の法形式上、整合性として問題ないか

  • 参議院法制局

    今回の修正案では、組織法たる本法案において、国家情報会議の所掌事務として、国民の基本的人権の不当な侵害の防止及びこれらに従事する職員の政治的中立性の確保のための方策について調査審議することを追加することとしており、『このようなものであれば、法形式上、特に問題はない』ものと考えている」

     


【政治家(閣僚)が参加しているから安全」!?】

  • 塩村委員

    政府は「閣僚が参加するから民主的統制が働く」と説明するが、政治家が参加していること自体が十分な統制の根拠になるのか

    過去に公職選挙法違反で有罪が確定した河井克行 元法務大臣の事件を思い出すべきだ。現職の与党国会議員であり、当時の総理に近い人物が、裁判の過程で、内調や警視庁出身の警察関係者を使って「対立候補への尾行を3ヶ月もの間行っていた実態」が白日の下に晒された。これは氷山の一角ではないか
    その3ヶ月間不当に尾行されていた対立候補というのは、まさにこの私、塩村あやかなんですよ

    参加者が与党の政治家に偏っている会議体だけで民主的統制が働くという説明だけでは不十分すぎる。政治家による情報・調査機能の私利私欲的な利用、政治利用・選挙利用を防ぐためにこそ、野党も入った国会の関与(秘密会であっても)が必要ではないか

     

  • 杉尾秀哉 議員

    参加者が与党議員に偏る中で、政治家が参加しているということだけで中立性が担保されているというのは、幾ら何でも無理筋の説明だ。だからこそ修正案では国会への報告・公表を義務付けており、将来的には衆参両院の「情報監視審査会」を活用・機能強化していくことが極めて重要だ

     

  • 木原稔 内閣官房長官

    議院内閣制を採る我が国において、閣僚級の会議が情報活動の基本方針を定めていくこと自体は、政治による監督の強化(民主的統制の強化)の観点から大変意義がある。委員が指摘されたように、過去にはそうではない事例(河井元法相の事件等)があったことは確かだが、概ね方向性としては意義のあるものだ。本法案は行政機関相互の関係を律する組織法であり、新たな調査・捜査権限を設けるものではないため、国会報告等の規定は設けていない

    その後、同じ会派の小島とも子委員からも、個人情報保護や政治的中立に関する条文を原案に入れ込むこと等について、厳しく政府を質し、質疑は終結しました。

直ちに杉尾議員提出の修正案と原案の採決が行われ、修正案は賛成少数で否決、原案は賛成多数で可決されました。

その後、可決された原案(国家情報会議設置法案)に対して附帯決議案を提出し、塩村本人が案分を朗読いたしました。

 

「附帯決議(ふたいけつぎ)」ってなに?

政治が身近になるわかりやすい解説!

 

国会中継やニュースを見ていると、法律が決まる瞬間に「附帯決議(ふたいけつぎ)」という言葉を耳にすることがあります。

「法律案には反対だけど、附帯決議は出す」 「与野党で附帯決議の中身を話し合う」

一見すると矛盾しているようにも思えるこの仕組み。実は、法律の暴走を止め、私たちの暮らしや人権を守るための、国会における極めて重要な「ブレーキ&注文書」なのです。

今回は、政治に詳しくない方でも一瞬でわかるように、解説します!

1.附帯決議をひとことで言うと「注文書付きの条件」

国会で審議される「法律案」は、いわば大枠のルールです。しかし、法律の文章だけではカバーしきれない細かい懸念や、将来的な悪用のリスクが残ることが多々あります。

そこで、委員会で法律案を多数決で可決(成立)させる際、「法律そのものは通す(あるいは多数決で通ってしまう)けれど、政府は実際にこの法律を使うときに、絶対にこの条件や注文を守りなさいよ!」と国会から政府に突きつける公式な約束事、それが「附帯決議」です。

【 法律案 】
政府がこれから新しく始める大枠のルール

(多数決で成立)


【 附帯決議 】
国会から政府への「強力な注文書」
・「絶対に国民の人権を侵害するな」
・「不当な市民監視に使うな」
・「勝手にルールを広げるな」

2.「法案には反対なのに、なぜ附帯決議を出すの?」

野党などが法律案そのものには「反対」の立場であっても、附帯決議の作成に深く関わり、提出するのには明確な理由があります。

国会のルール上、与党が多数派を握っている場合、野党がどれだけ反対しても最終的に法律は成立してしまいます。 その際、ただ反対して終わりにするのではなく、「もし法律が通ってしまったとしても、最悪の事態(人権侵害や政府の暴走)だけは絶対に防ぐための防波堤(歯止め)を1文字でも多く公文書に残しておく」ことが、国民の皆様から信託を受けた大切な役割だからです。

3.「法律」と「附帯決議」の決定的な違い

「法律」そのものと「附帯決議」は何が違うのでしょうか? 分かりやすくまとめました。

項目 法律(本文) 附帯決議
役割 新しい組織を作ったり、ルールを定める 法律を運用する際、国会が政府に課す「注文・条件」
法的拘束力 有り(違反すると違法になる) 無し(ただし、政府は「尊重する義務」を負う)
政治的重み 条文の通りに行政が動く 無視すると国会軽視となり、政権が激しく糾弾される
主な中身 組織の目的や権限の定義 「人権の尊重」「政治的中立」「国会への報告」など

附帯決議の「政治的なパワー」

附帯決議には、法律そのもののような強力な「法的拘束力(破ったらすぐ罰せられる仕組み)」はありません。

しかし、これは国会の委員会で公式に議決される「国会と政府の厳粛な約束」です。もし政府が附帯決議の注文を無視して勝手な運用を始めれば、「国会軽視」「国民への背信行為」として国会で徹底的に追及され、政権の存続に関わる重大な政治問題へと発展します。そのため、行政府(官僚や大臣)にとって極めて重い心理的・政治的なブレーキとして機能します。

4.附帯決議によく盛り込まれる「3つの柱」

特に、政府に新しい権限や情報集約の仕組みを与えるような法律の場合、国会からは以下のような注文(附帯決議)が厳しくつけられます。

  • ① 基本的人権の尊重: 「法律の運用によって、国民のプライバシーや自由を無用に侵害してはならない」

  • ② 政治的中立性の確保: 「特定の党派の利益や不利益のために、この仕組みを政治利用・選挙利用してはならない」

  • ③ 国会への報告と説明: 「密室で勝手にやらず、定期的に活動内容を国会に報告し、国民へ公表しなさい」

5.まとめ

附帯決議は、法律という巨大な権力に対して、国民の目線から「暴走するなよ」と釘を刺すための国会の知恵です。

法案の成立を防ぐ闘いと同時に、万が一の成立時に備えて少しでも強力な「歯止め」をかけておく。この重層的な取り組みこそが、私たちの民主主義と権利を裏側で支えています。

これからも、法律の中身だけでなく、その運用を縛る「附帯決議」という約束が守られているかどうか、私たちは厳しくチェックを続けてまいります!

以下、議事録です。塩村本人が朗読した附帯決議(案)も掲載されています。

提出会派を代表して附帯決議(案)を朗読する塩村委員。

○委員長(北村経夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。

 休憩前に引き続き、国家情報会議設置法案を議題とし、本案及び杉尾君提出の修正案について質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言願います。

○塩村あやか君 立憲民主・無所属の塩村あやかです。

 まず、私たち立憲民主党は、インテリジェンス機能の強化に反対しているということではないということはまず申し上げておきたいというふうに思っております。

 その上で、まず修正案提出者にお聞きしたいというふうに思っているんですけれども、国際情勢は厳しさを増している中、テロやサイバー攻撃、そして外国勢力による情報工作や経済安全保障上のリスクなど、政府が的確に情報を収集して分析をして政策判断につなげる必要性は高まっているというふうに思います。

 そこで、お伺いをいたします。

 今回の修正案は、インテリジェンス機能そのものに反対するものではなくて、必要な情報機能を強化するからこそ、国民の権利でありますとか、民主的統制との両立を図るための修正であるという理解でよろしいでしょうか。インテリジェンス機能強化の重要性も含めて、杉尾提出者の意見をお伺いいたします。

○杉尾秀哉君 御質問ありがとうございます。お答えいたします。

 今、塩村委員が指摘されましたとおり、我が国を取り巻く国際情勢、それから安保環境、厳しくなる一方であります。その中で、今お話がありました偽・影響工作、それからサイバー攻撃など、安全保障上のリスクや脅威の増大に対してしっかりと対応するためにも、インテリジェンスの強化は、これは我々は全く否定するものでありませんし、異存はありません。

 しかしながら、そのインテリジェンスの機能強化というのは、国民の権利利益の侵害にもつながりかねない重大な問題でありまして、国民の理解が欠かせないということが何よりも大事だというふうに思います。また、本法案の立法過程、この本委員会でも私、質問しましたけれども、やっぱり拙速さが否めません。インテリジェンスの強化と国民の権利及び民主的統制の両立を図るために修正案の提出に至ったということを申し上げます。

○塩村あやか君 ありがとうございます。

 この委員会でもそうですし、連合審査の方でもその辺の視点が、我が党の田島麻衣子議員からも、彼女は国連の元職員でありまして、そして外国の外交官の皆さんとお話しする中でも、やっぱりそうしたことは必要であるというような質疑があったというふうに思います。

 続けてお伺いしたいんですけれども、次に、市民そして地方議員の皆さんからの懸念について私からも改めてお伺いをしたいというふうに思っております。

 まず、提出者の杉尾委員にお伺いするんですけれども、今回の法案につきましては、市民団体や地方議員などから様々な不安の声が寄せられています。午前中の傍聴にも来ていらっしゃいましたし、今もいらっしゃいますよねと。例えば、この国家情報会議に集約をされる情報の中に、地方自治体が保有する情報まで含まれているのではないかという疑念があって、前回、私も質問させていただきました。これ、含まれるということでございました。本人が知らないところで、福祉や医療、税務などの機微な情報が政府内で集約されていくのではないかという疑念の声もありました。これ政府は否定していないような状況でありまして、市民活動や政治活動の萎縮を生むのではないかという懸念もいただいております。

 提出者にお伺いするんですが、こうした市民そして団体や地方議員の声をどのように受け止めているのか、お伺いしたいと思っています。あわせて、官房長官にもお伺いをしたいというふうに思っております。政府として、こうした懸念は杞憂であるというふうに考えているのか、それとも国民の不安として真摯に受け止めて対策をしなくてはいけないと考えているのか。お二方にお伺いをしたいと思います。

○杉尾秀哉君 御質問ありがとうございます。

 本法案の審議が始まったのは、衆議院で、これゴールデンウイーク前でした。メディアの方も余り報じておりませんでしたし、またこの法案の本質というものもなかなか理解されていなかったというふうに思います。

 ところが、一か月強を経て、衆議院から参議院に審議が移って、本法案への疑念の声というのが広がったと。例えば、今ありましたように、自分の個人情報は本当に大丈夫なんだろうかと、それから、市民活動が監視されたり、萎縮するのではないか。これに対しては、政府はこれまで一貫して否定的な答弁をしておりましたけれども、本当にそうなんだろうかという懸念が払拭できなかった、人権に関わる極めて重大な問題だというふうに思っておりますので、その中でも特にやっぱり大きかったのが、地方自治体の議員の皆さんとズーム会議、塩村委員も一緒ですけれども、させていただきました。五十人、六十人ぐらいの方が入れ替わり立ち替わり質問いただきまして、この中でも、地方の方でもやっぱりこれだけ心配する声が広がっているんだなというのをある意味衝撃を持って受け止めたところであります。

 こうした声を正面から受け止めて、将来の日本のインテリジェンス政策を誤らないためにも、私たち国会議員は地方や市民の声、国民の声に真摯に耳を傾ける必要がある、こういうふうに思ったということであります。

○国務大臣(木原稔君) 五月十二日に塩村委員の方から、自治体の議員さんであるとか、あるいは自治体の職員さんから委員に示された御懸念について質問がありました。内容としては、税務情報であるとか医療、福祉、教育に関する情報、自治体や民間事業者から取得した情報も場合によって含まれるのかという御質問であったものと承知しております。

 それに対して、政府参考人からは、本法案の第七条に基づき、資料又は情報の提供等を行うべき主体は内閣官房長官又は関係行政機関の長とされ、この関係行政機関には地方自治体は含まないものであるということ、関係行政機関、すなわち国の機関が現に保有している資料又は情報が自治体や民間に由来するものであったということは当然あり得ること、また、それが無制限に認められるということではなく、安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急の事態への対処、そういった重要国政運営に資する情報の収集調査活動などに関して同会議が調査審議するために必要なものに限られるものであることを政府参考人から申し上げたと承知をしておりますが、仮に提供される資料又は情報の中に個人情報が含まれるのであれば、個人情報保護法のルールにのっとって、関係行政機関との間で適切なやり取りがなされるものであることは、これまでも質疑において繰り返し御説明をさせていただいているところでございます。

○塩村あやか君 つまり、官房長官は、杞憂なんですよというふうにおっしゃりたいのかなというふうに思うわけなんでありますが、でもやっぱり懸念の声は止まっていないというか、広がっているような状況だと思うんですね。

 先ほど政府参考人の話がありましたけれども、私への御答弁で、当該行政機関から、例えば自治体などから国家情報会議に提供することはあるけれどもという前置きの下で、その後にしれっと、国家情報会議から直接に自治体に何かこの第七条に基づく求めを行うことは、制度、そういう制度ではありませんという御答弁があって、そこだけ、一番最後に持ってきているので、そこだけ聞くと、あっ、全然大丈夫なんだというふうに思ってしまうんですけれども、その前を読んでみると、結局のところ、そこから得た情報は国家情報会議が直接下さいというような話ではないけれども、省庁が集めたものがそこに上がっていくというところが、まあちょっと暗に隠されているではないですけれども、逆にいろんな方の懸念を生むというような状況になっておりまして、やっぱり誠実に、正しいことは答えているんだけれども、逆に不安を生むような状況になっているというところはちょっと指摘をしておきたいというふうに思っております。

 続いて、修正案提出の理由についてお伺いをしたいというふうに思っております。

 政府は、これまでこの法案について、国家情報会議という組織を設けるための組織法であると説明をされてきました。しかし、今回の修正案なんですが、単なる組織の設置にとどまらず、対象となる情報の定義、そして、基本的人権の侵害防止とか、職員の政治的な中立性でありますとか、国会への報告など、複数の重要な修正が盛り込まれているんですね、修正案の方には。

 そこでお伺いするんですが、提出者は、政府案のどの点に問題意識を持って今回の修正案を提出するに至ったのでしょうか。どのような制度的な歯止めを加える必要があると考えたのか、提出者にお伺いをいたします。

○杉尾秀哉君 今のやり取りの中にもありましたけれども、これまでの質疑の中で、政府側は、本法案はこれまでの組織をただ格上げしてその関係を整理しただけで、情報の収集等に関しては新たな権限を付与されるわけではなくて、懸念は当たらない、こういうふうに再三再四答弁をしてきたところであります。大したことないんだと、これまでと変わらないんだと、法案をスムーズに通すために小さく見せようという意図もあったのかもしれません。

 しかし、よくよく考えてみますと、午前中の質疑でも私申し上げましたけれども、国家情報会議の議長の総理を頂点とする、こういう巨大な国家の情報の組織のピラミッドができるわけです。しかも、この国家情報会議議長の総理は、NSC、国家安全保障会議の議長の方も兼ねるという。しかも、この間の関係がよく分からない。この峻別というのが本当に大事だというのは、先般イギリス大使館の館員の方もやっぱりMI5、MI6のことについてやっぱりおっしゃっていたそうです。その意味では、今回の法改正というのは決して小さなものではなくて、重大な政策変更であるというふうに考えているんですね。

 しかし、その中でも、この本法案には、情報収集の対象が不当に解される、広く解される可能性がある。それから、人権侵害の防止、政治的中立性の確保の観点がこれ明記されておりません。さらに、国会による民主的統制のための措置が規定されていない。あくまで組織法なので必要ないという、そういうことだったわけですけれども、組織法の中でもこうしたものを規定すること、これは全く私たちは法律的にも問題がないというふうに考えて、今回の先ほど紹介しました修正案を提出したということであります。

○塩村あやか君 ありがとうございます。

 本当にその点に尽きるというふうに思うんですね。不安はやっぱり解消していかなきゃいけないし、それができる状況なのではないかというふうに思っておりますので、引き続きの質疑で正していきたいというふうに思っております。

 一問飛ばさせていただきまして、五番の質疑に入りたいと思うんですが、政府提出案の第七条に基づく情報集約の範囲について改めて官房長官に、今日も先ほど私も申し上げたんですが、改めて確認をしておきたいというふうに思っているんです。

 自治体議員さんいらっしゃっていますけれども、税務とか医療情報等についても法令上の除外規定はないということで、さらに、行政機関が保有する情報が自治体や民間由来である場合も含まれるという御答弁があるわけなんですね。

 その上でまたお伺いをしていきたいんですけれども、捜査情報とか出入国情報とか税務情報、医療情報、福祉情報、さらには地方自治体や民間への情報まで、法令上の除外規定がないから含まれ得るということであれば、国民の視点から見ると、じゃ、どこまでの情報が集約されるんだろうかというところはまだまだ疑念が拭えず、やはり外で声を上げていらっしゃる方も懸念の声を上げているという状況だというふうに思っております。具体的な説明がもうあった方がいいというふうに思っています。ただし、全部手のうちを明かすこともできないということも分かっています。

 改めて申し上げたいのは、私たちはインテリジェンス機能が強化するということは全く反対していないんですが、それと引換えになる国民の個人情報でありますとか様々なところ、ここが懸念だということをお伝えしているんですね。具体的にどのような場面でそうした情報が国家情報会議に例えば自治体とか民間から上がってくるのか。こういう場合ですとダイレクトに言えないかもしれないんですけれども、どういう状況であれば自分の情報が対象になるのか、逆に言えば、ほとんどの皆さんが対象にならないという、そういったところも示していただきたいなというふうに思っているんです。

 具体的に、ちょっと一点お伺いしたいのが、先ほどもお伝えをしたやっぱり民間由来の情報とか行政機関、自治体の情報なんですよね。これが国家情報会議に共有される場面、決済であるとか通信情報とか関連情報とか移動とか宿泊の履歴とか、SNSの関連情報は対象になり得るのかということとか、自治体の情報はまた違う、さっき言った税務とかいろんなものが、健康情報とかあったりすると思うんですが、民間から直接集めたりとか自治体から直接集めるということではないけれども、やはりこれ、国家情報会議がその経由として情報を吸い上げるということは間違いないということでいいのかというところがまず一点お伺いしたいのと、それに対して、それは全部否定することはできないと思うんですよ、当然のことながら。だけれども、じゃ、どういう状況であれば、多くの、ほとんどのと言っていいと、過言ではないと思うんですけれども、国民の皆さんが安心だと思えるような状況なのかというところ、この二点を具体的にお伝えいただきたいというふうに思っております。

○国務大臣(木原稔君) 国の行政機関から国家情報会議に提供される資料又は情報から、委員御指摘のような情報を実際には排除する規定があるわけではないので、確かにこれは含まれ得るということになりますが、国家情報会議の調査審議に必要な範囲にこれは限られるわけでありまして、これと関係のない情報が無制限に集約されるというものではないということは重ねて申し上げておきます。

 具体的にどのような情報がどのような状況で会議に提供されるかというのは一概にお答えすることは難しいですが、例えば、企業や又は大学が保有する先端技術情報というのがありますが、そういうのが外国から狙われたりサイバー攻撃の対象となったりする場合がございます。そういった場合には、その手口や被害に関する情報というのをこれは企業の側から所管官庁を通じて提供いただいたりすることは、これはあり得ることだと思いますし、またこれも例えばですが、仮に我が国でテロが発生する、あるいはその他のテロの計画が、まだ実際に起こっていないけれども、計画が明らかになったような場面で、その捜査当局が捜査の過程で得たテロリストに関する様々な情報や、出入国管理当局が保有するテロリストの出入国あるいは在留に関する情報、どこに住んでいるのかとか、そういった情報を御提供いただいたりすることは、当然にこれは想定されることだろうというふうに思います。

 今言ったように、テロリストに関する情報であればこういった情報が必要となる場合も考えられますが、一般の市民の方々のそういった情報が必要となるという場合は余り想定されないのではないかなというふうに思います。

○塩村あやか君 その御答弁については、そりゃそうだなというふうに当然のことながら思うんですね。今御答弁いただいた以外は含まれないという認識でいいのかというところを聞かせていただけると安心できるかなというふうに思っています。

 そして、やっぱり懸念されるのが、疑いを掛ければ全てのものが対象になるというところが一番の論点じゃないかなというふうに思っているんです。だからこそ、事後検証であるとか第三者の機関を設置するとか、国会の中での自浄作用じゃないですけれども、年一回の報告とか、それをセットで今回出していただきたかったなというのが今回、私たちが修正を出すという動機になっているというふうに思っているんです。

 官房長官、もう一度お伺いするんですが、先ほど御答弁いただいた以外は含まれない、それ以外の限定的なものに、これだけですよと言うと、必要な、本当に必要だったときに動けなくなるというようなことがあってもいけないというふうに思うんですが、余りにも今の御答弁だと、疑いを掛ければ、例えば私であったとしても全部調べられちゃうみたいなことが今の御答弁だとあり得るわけなんですよね。

 となってくると、民主主義ですから、政府の出す法案に反対と叫ばれていらっしゃる方もいます。何か疑いを掛けられて、その活動が大きくなっていったときに、正当な方法で大きくなっていったとしても、そういうときに自分が疑い掛けられるんじゃないかというふうに思うと、御本人は声を上げていこうと思っても、例えば御家族に止められちゃったりとか、いろんなことがあったりとかして、そういう活動に参加ができなくなるということがまた逆に民主主義から遠のくんじゃないかという懸念があるんです。その点について官房長官にもう一言いただけると、官房長官に聞いております。だって時間がないので、済みません、官房長官、お答えいただけたらと思います。お願いします。

○国務大臣(木原稔君) 全ての事柄を例示で出すことはもう当然できませんから、またどのような状況で会議に提供されるかというのをこれ一概に短い時間で答えることはできないし、全てをあからさまにすると手のうちを明かすことになりますので、それは難しいということは御理解いただいた上で、あくまでもこれは国家情報会議の調査審議に必要な範囲に限られると、これと関係のない情報が無制限に集約されるものではないということ、これまでぐらいしか申し上げられないということで御容赦いただきたいと思います。

○塩村あやか君 ありがとうございます。

 いろいろな気持ちも含んで今御答弁いただいたんだなというふうに思うんですが、それでもやっぱり、だからちゃんといろんなその歯止めを掛けておくべきだったのじゃないかな、そうすれば私たちも賛成できたんじゃないかなというふうに改めて思うわけなんです。

 続けて六番に入るんですが、修正案についてお伺いしたいんですが、修正案の三条なんですが、第三条、調査審議事項として、基本的人権の侵害防止や職員の政治的中立性確保のための方策を追加しているというふうに思います。これに対して政府側は、これまで法体系のバランスや萎縮効果などを理由に否定的な答弁繰り返して、これ入らなかったという経緯があるんですね。しかし、国家情報会議は、政府全体の情報集約をして、重要国政に関わる判断に資する情報を扱う組織になります。そうであれば、むしろ、基本的人権の侵害防止とか政治的な中立性の確保、これ明記することは国民の信頼を得るためにも不可欠ではないかというふうにこの長い審議を通じて私は感じているところであります。

 提出者はなぜあえてこれらの事項を第三条に追加をしたのか、また、政府が述べている法体系のバランスや萎縮効果という説明に合理性があるのか、提出者に、修正案提出者にお伺いをしたいと思います。

○杉尾秀哉君 お答えいたします。

 これまでの政府の説明では、例えば、プライバシーの保護というのは個人情報保護法に書いてある、それから、公務員は憲法で全体の奉仕者というふうに規定されているから、公務員法もあります、人権や政治的中立性を損なうような情報活動は行わない、こういうふうに説明してきたわけですけれども、しかし、そういう説明とは裏腹に、これまでそういうことがいろんな情報機関の中で行われてきたというのはこの本委員会でももう明らかになっているわけなんですよね。

 しかし、何というんですかね、政府はそうやって、今回は組織法だから、作用法的なものを書けば、萎縮効果になったり法体系全体がバランスが取れないというふうな、これは私はやっぱり詭弁じゃないかというふうに思います。法律の専門家の方に聞いても、これは配慮規定ではなくて、これ調査審議事項の一つとして、一項目として入れているということも考えますと、政府も実際、これまでの答弁の中で、政府の情報活動の中長期的な推進方策を文書としてまとめ、今日もありましたけれども、公表する際には、個人情報やプライバシー保護を侵害し、又は全体の奉仕者としての立場を逸脱して政治的中立性を損なう情報の収集、提供などを行わないための具体的な方策について検討の上盛り込むと、こういうふうに言っているわけなので、ならば、この法律案の中にこれらの事項をしっかり書き加える、これ自体は何ら問題ないのではないかというふうに思っています。

○塩村あやか君 ありがとうございます。

 もう重ねて申し上げますけれども、私たちはインテリジェンス機能の強化については賛成をしているわけなんですね。

 続いて、七番に入ります。組織法における歯止めの可否についてお伺いをしたいというふうに思います。

 先ほどからあるように、政府は、今回は組織法であるから個別の活動規制、歯止め規定を詳細に置くものではないという趣旨の説明をされているわけですね。しかし、何度も申し上げますけれども、情報機関、そしてその情報を集約をする組織であったとしても、組織法の中に人権の保障とか政治の中立性でありますとか監督、報告、外部監視といった歯止めを設けることは、制度設計としてはあり得るのではないかというふうに私は考えております。

 そこで、お伺いをしたいと思います。

 組織法であったとしても、人権侵害や政治的中立性の歯止めを設けている例はないのか、海外の情報機関、情報会議等の組織法において歯止めを置いた例はないのか。国立国会図書館の調査結果、求めたいと思います。

○国立国会図書館専門調査員(石原隆史君) お答えいたします。

 海外の情報機関等の組織について定めている法律には歯止め規定を置いている例がございます。

 例えば、まず、ドイツの連邦情報庁法第二条では、権限行使に当たり本人に対する侵害が最少となる措置を選ばなければならないことなどを規定しております。また、第七条では、個人情報が誤っているものについては、訂正、消去、遮断をしなければならないことを規定しております。

 次に、韓国の国家情報院法第十一条では、職員の政治関与の禁止、第十三条では、職権を濫用した逮捕、監禁等の禁止、第十四条では、不法な検閲、通信傍受、位置情報の確認等の禁止を規定しております。

 さらに、アメリカ合衆国法典第二十八編第三十三章は、連邦捜査局、FBIについて定めており、そのうち第五百三十四条は、司法長官に情報の収集、保存、交換を認める一方で、情報交換の目的や外部提供の範囲の制限についても規定しております。

 以上でございます。

○塩村あやか君 あるんですね。

 じゃ、国内について法制局にお伺いをしたいと思います。

○法制局参事(小野寺理君) 今回の修正案では、組織法たる本法案において、国家情報会議の所掌事務として、重要情報活動の実施又は外国情報活動への対処に際しての国民の基本的人権の不当な侵害の防止及びこれらに従事する職員の政治的中立性の確保のための方策について調査審議することを追加することとしており、このようなものであれば、法形式上、特に問題はないものと考えております。

○塩村あやか君 そのとおりなんです。なので、この修正案をみんなで賛成していただいて、みんなで賛成ができるような状況をつくっていくことが、私は、国民の皆様の安心と、そして民主主義が成熟していくという形になるんじゃないかなというふうに思っております。

 続いて、ちょっとお伺いしたいというふうに思っているんですが、ちょっと八番は飛ばしたいと思いますが、参考人の北村参考人も、こうした歯止めとかオーバーサイトについては、まさに国会の方でお決めいただくことだというふうに参考人の意見陳述でおっしゃっているわけなんですよね。

 やっぱり、検討にとどまるという答弁を政府が繰り返しているんですが、歯止めの確認ができていないので、やっぱり今回この修正案、是非皆さんに賛成いただきたいなというふうに思っておりますし、各国も、後から追加してできたというような、歯止めができたという経緯もあります。やっぱり必要なんだということで、やっぱり今、今、日本は組織法ができようとする中で、組織法の中にも歯止めがある国があるのであれば、やっぱりやっておかなきゃいけなかったんじゃないかなというふうに思っております。

 続いて、九番の質疑に入りたいと思うんですが、政治家の参加を民主的統制の根拠とする政府の説明でありますとか、参考人もそうおっしゃっていたんですが、それについてちょっとお伺いしたいと思っているんです。

 政府は、国家情報会議には閣僚が参加をすることなどを民主的統制の根拠の一つとして説明をしているわけなんですね。しかし、政治家が参加をしていること自体をもってその情報権限に対する民主的統制が十分に働くと言えるのかということ、ちょっと皆さん、これさすがにみんな、えっ、違うよねと思うんじゃないですかね。私はやっぱり思いますよ。

 皆さん、覚えていらっしゃいますか、これ。河井克行元法務大臣です。公職選挙法違反で有罪が確定していますよねと。これまで出てきていない例を出しているのでここ出しているんですが、河井氏は当時、現職の与党の国会議員でありまして、当時の総理に近い人物とされ、その後、法務大臣にも就任をしているわけなんですよね、その後ですよ。さらに、あの裁判の過程で明らかになったのが、警察出身者を使って、それは内調であるとか警視庁だというふうに分かっているわけなんですけれども、そういうふうに報じられていますけれども、対立候補への尾行をこれ三か月もしたということが裁判で明らかになったという形で報じられているわけなんです。これ、氷山の一角ですよね。三か月尾行されたのは私ですよ。そう思うと、これ本当に、これちゃんと民主的な統制が選挙で選ばれた政治家だから利いているのかというと、私はやっぱり違うんじゃないかなと思うんですよ。

 今回の国家情報会議は、内調を格上げをして、政府全体の情報を集約、総合調整をする司令塔となる組織なんですね。そうであれば、政治家が会議に参加をしているから民主的統制が働くという説明だけでは不十分過ぎるのではないかというふうに感じています。むしろ、政治家による情報や調査機能の私利、私的な利用、そして政治利用、選挙利用を防ぐためにこそ国会の関与が、やっぱり野党も入って、秘密会でいいと思うんですが、必要だというふうに思うんですよ。官房長官の認識をお伺いするとともに、提出者にもお伺いしたいというふうに思います。

 こうした過去の事例を踏まえたとき、修正案において国会への報告を盛り込む意義をどのように考えているのか、お二方にお伺いをしたいというふうに思います。

○杉尾秀哉君 お答えいたします。

 今、塩村委員の発言にもありましたけれども、国家情報会議の議員は閣僚ということでありますので、閣僚ということになりますと与党議員ということになりますよね。そうすると、参加者は与党議員に偏るということで、会議にその政治家が参加しているということだけで政治的な中立性が担保されている、十分だというのは、これはやっぱり、幾ら何でもやっぱり無理筋の説明だろうというふうに思うんですね。

 やはり、国会の民主的統制の確保は重要であります。修正案においては、国家情報会議の調査審議の結果、それから活動状況について、国会報告及び公表を義務付けております。

 それとともに、今後の政府の活動状況、それから立法動向などによっては、将来的には、今、衆参両院に設置されております、私も委員をしたことありますけれども、情報監視審査会を活用する、あるいはこの機能を強化する、こういったことが重要なんではないかというふうに思っております。

○国務大臣(木原稔君) 閣僚級の会議が各省庁の行う情報活動の基本方針を定めていくというこのこと自体は、議院内閣制を取る我が国においては、民主的統制の観点から、大変これは意義のあることだと考えています。

 委員がおっしゃったように、そういう過去にはそうでない事例もあったことは確かですが、しかし、おおむねその方向性としてはこれは意義のあることだろうというふうに思っています。

 国会による行政の監視のありようというのは、これは国会法などの改正も関係する事柄なので、政府としては意見を申し上げる立場にはありませんけれども、その上で、本法案において関連する規定を設けていないという理由については、法案提出者、政府としての考えを尋ねられれば、もうこれは過去にも答弁しましたけれども、この法案というのは、行政機関相互の関係を律するものであり、国民から情報を取得することを容易にするような調査権限、捜査権限を新たに設けるものではなく、また本法案によって、閣僚級の会議が各省庁の行う情報活動の基本方針を定めていくことは、政治による監督の強化、すなわち民主的統制の強化が果たされるものであることから、関連する規定を設けることとしてはいないということ、繰り返しになりますが申し上げておきます。

○塩村あやか君 いろいろ申し上げましたけれども、修正案に何とぞ賛同していただきたいということを最後に申し上げまして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。


○委員長(北村経夫君)
この際、塩村君から発言を求められておりますので、これを許します。塩村あやか君。

○塩村あやか君 私は、ただいま可決をされました国家情報会議設置法案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び参政党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
国家情報会議設置法案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一 国家情報会議及び国家情報局は、複雑で厳しい国際環境において、インテリジェンス施策の中核を担う司令塔としての機能を発揮することを通じ、国力の強化を真に実現すること。また、情報活動を推進するに当たっては、日本国憲法が保障する基本的人権を尊重すること。
二 情報部門である国家情報会議及び国家情報局が政策部門である国家安全保障会議及び国家安全保障局と対等な関係として新たに位置付けられることに鑑み、情報収集や分析は政策部門の的確な判断に資するために行われるものであることに一層留意するとともに、両部門の適切な連携と分離を確保すること。
三 本法に基づく調査審議の対象となる「重要情報活動」については、「重要国政運営」に「資する情報」の解釈が過度に広範なものとなることのないよう、国民の安全や国益の確保の観点から、政策部門における対応のために必要と認められる情報を取り扱うものとすること。
四 「重要情報活動」及び「外国情報活動への対処」に関する情報の収集及び提供並びにそれらの要請に当たっては、個人情報やプライバシーの保護に関し、個人情報保護法等の法令や各組織における関連規定の遵守はもとより、これらが無用に侵害されることのないよう、十分な配慮を行うこと。また、目的外利用となる個人情報の提供及びその要請については、同法を遵守するとともに、提供を受けた情報についても、同法の規定に反する利用目的以外の利用を厳に慎むこと。プライバシーの保護についても、法令の規定の有無にかかわらず、これと同様の取扱いに留意すること。
五 内閣総理大臣や内閣官房長官を始めとする政策部門は、情報部門に対し、その所掌事務とは無関係な情報収集依頼を行わないこと。また、国家情報局及び関係行政機関における「重要情報活動」及び「外国情報活動への対処」に当たっては、国家公務員法等の遵守はもとより、全体の奉仕者としての立場を逸脱するような政治的中立性を損なう情報収集は行わないこと。特に、特定党派の利益又は不利益を図るため、国内の政治家や選挙区に関する情報や、選挙及び選挙運動に関する情報の収集は行わないこと。
六 本法の施行後、政府の情報活動の中長期的な推進方策を文書としてまとめ、国会に報告するとともに、公表すること。その際、四及び五に反する情報の収集及び提供並びにそれらの要請を行わないための具体的方策についても検討の上、盛り込むこと。
七 国家情報会議及び国家情報局の活動内容について、六の文書とは別に、国民の懸念を払拭するため、関係法令、本法案に関する国会答弁及び本附帯決議の内容が遵守されているかどうかを含め、その求めに応じるなどして、国会に適時適切に説明すること。
八 事後に検証できるよう国家情報会議の議事の記録を作成し、配付文書とともに、公文書等の管理に係る制度に基づき、公文書として適正な期間保存すること。
九 国家情報局長は一定期間継続して在任することが好ましく、その人選に当たっては、その職責の重要性にかかわらず実質的に同一行政機関の出身者のいわば指定席となっているとの疑念を招くことのないよう、適材適所を旨とし、それまでの経験を踏まえつつ、人物本位・能力本位で行うこと。また、国家情報局の新規採用職員については必要な知識や技術を習得するために一定の研修期間等を確保することや、幹部職員を構成する他省庁等からの出向者についても相当期間在任させること等により、業務の継続性を確保し、インテリジェンス・サイクルが円滑に機能するよう配慮すること。
十 対外情報を収集するための行政機関の設置の法制度や、いわゆるスパイ活動を含む外国による我が国に対する不当な影響力の行使を防止するための法制度であって国民の権利利益を制約するものを仮に検討する場合には、適切に国会が監視できるようにすることを前提に検討すること。また、これらの法制度が実施された場合、国家情報会議及び国家情報局の集約し得る情報は質的量的に大きく変わることも考えられることから、それらによる国家情報会議及び国家情報局に対する情報提供の状況を国会の監視対象とすることも検討すること。
十一 十の法制度も含む、一層のインテリジェンスに係る態勢の整備を仮に検討する場合には、インテリジェンスに係る態勢の整備が国家の存立及び国民の安全の確保に関わる重要な課題であるとの認識の下に、我が国の健全な民主主義の根幹の維持を始め国益に寄与することを旨として行うこと。あわせて、政治的中立性及び国会による民主的統制が確保されるとともに、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならないことに留意すること。また、外国の利益を図る目的で行われる一定の活動を行う者に係る国への届出制度の創設を含む当該活動の把握及びこれを国民に周知するための措置、情報収集等に係る手法を拡充するための措置、インテリジェンスに従事する者等の安全及び適切な処遇の確保のための措置、インテリジェンスに関する専門的知識や技能を有する者の確保のための措置、インテリジェンスの実施状況及びその効果の検証のための措置等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
十二 国家情報会議及び国家情報局には機密性の高い情報がより多く集約されることが見込まれることに鑑み、施設・設備や構成員などについて万全の情報保全措置を講じること。
十三 情報部門の業務の専門性や複雑性などが増大していることに鑑み、国家情報局においては総合職職員の採用を検討するなど、プロパー職員の比率を高めていくこと。また、情報活動に従事する職員の給与等の在り方については、国家公務員全体の給与の在り方等との公平性に十分に留意し必要な検討を行うとともに、AIやサイバーセキュリティ等に関する民間出身の高度専門人材の確保に当たっては、特定任期付職員制度等の活用についても検討を行うこと。
十四 経済安全保障、サイバー攻撃、偽情報拡散による影響工作等の変化が著しい先端領域の横断的な課題が増大していることを踏まえ、情報活動に従事する職員の士気の向上を図りつつ、省庁横断的に必要な知識・技術等を習得するための研修や共同研究の実施、養成機関の早期の実現、情報コミュニティ省庁間での出向など実効性の高い人材育成を進めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

○委員長(北村経夫君) ただいま塩村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

〔賛成者挙手〕

○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、塩村君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。

 

(了)

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