2021年を迎えて

新年を迎えて

 コロナ禍のなか、新年を迎えました。
 皆様のなかには、職を失った方や厳しい状況におかれている方々もいらっしゃるはずで、まずは国会の末席で仕事をしている野党議員の私なりにできることを今年も着実にしていきたいと思っています。

 昨年、国会では学生支援の一環として私も要望をしていた支援である、休業支援金を政府がスタートさせました。しかし、実際の労働実態を踏まえていなかった制度であり、ほとんどの方が申請できないという欠陥を含んだ制度でした。パートやアルバイトの雇用契約が実際は「日々雇用」「シフト制」で申請できない、「事業主が休業指示を認めない」など、多くの障がいがありました。皆様からの声をもとに、数か月をかけ先輩方と共に制度改善に取り組み実現させました。時間がかかりましたが、皆様と一緒に勝ち取った成果です。

 また、女性の自殺が8割も増えた10月の結果は衝撃的でした。
 今回のコロナ禍は、特定の業種、非正規雇用と不安定雇用で働く女性を直撃し、経済的崩壊を招いた一因でもありました。しかし、警察庁が自殺の現場や家族から聞き取りを行う「統計原票」は、その現実を示していたとは言い難いものでした。
 なぜなら、事件か否かを判断する為のものであり、こうしたコロナ禍などの社会の実態を把握して対策を打つものではなかったからです。
 そのことを、超党派議連で指摘、改善を促し、内閣委員会で質問準備をしていました。委員会では時間切れで質問はできませんでしたが、「統計原票」の項目の見直しを警察庁は迅速に動き、来年の1月にはシステム改修も完了させ、運用がスタートされます。これにより、こうした経済・社会状況により自殺者が激増した場合、省庁が連携をして効果的な施策を迅速に打つことができるようになります。

 「休業支援金」「自殺統計原票」の改善。
 これはどちらも、私が議員になる以前に「就職氷河期」「非正規」というアンダークラスと経済学者に分類されるカテゴリで仕事をしていたからこそ、すぐそばにある現実から分かることで、改善の働きかけができたものでした。
 議員は様々な背景をもつ人がなるべき、というのは私の持論です。二世議員やエリートだけでは見えない世界があるんです。

 今年は、少なくとも前半は昨年同様、コロナ対策が国会の中心になると思います。私なりにできることをしっかりと取り組んでまいります。

 選挙時から公約に掲げていた「不妊治療」も大きく動きました。私自身も疾患から卵子凍結を選択している当事者です。超党派議連の事務局次長として与野党で力を合わせて進めてまいります。また、国会でも取り上げた「子宮頸がんワクチン」も科学的知見に基づき、推進をしたい。WHOが接種率90%を目標に掲げ撲滅を目指す中、日本の接種率は1%前後。毎年1万人が発症し、3割が死亡するという惨状です。この先、このままだと「さらに罹患者、死亡者が4000人も増える」ことが大阪大学の調査でも判明しています。

 私自身ももちろん、年齢的にワクチンを接種していません。
 結果、昨年3年ぶりに受けた健診の結果、前がん変異が確認されました。医師からは「前がん変異でまだ時間がある。可及的速やかに不妊治療を受けるように」と言われ、衝撃を受けました。自分の政策と自分の現状が一致してしまいました。

 私事になりますが、私は今年、43歳になります。
 基本的にはこの43歳が不妊治療の一つの節目となります。家族とも共に熟考をした結果、パートナーと不妊治療に取組む事と致しました。私は夫婦別姓を支持しており昨今の議論の前進を見守っていたため、婚姻届けを提出して入籍または、新戸籍の編製を行うことは今のところ考えていません(今後については未定)。

 今年も皆様と共に、議員活動に確りと取組んでまいります。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。

2021年(令和3年) 1月4日
参議院議員 塩村あやか

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