結局は対話だ。国際シンポジウム「北東アジアにおける核擴散の防止と政治リーダーシップの役割に参加

 日本の国会議員を代表して、公明党の秋野議員と共に参加をしました。本来であれば昨年の春に韓国にて対面開催の予定でしたが、コロナによりオンライン開催となりました。

 日韓の国会議員、有識者を交えて10人程のセッション。
 韓国からは保守派の議員の意見も参考になりました。北朝鮮の脅威を考えれば、抑止としての核を韓国でも肯定する人が多いという話でしたが、核兵器を肯定するものではないという意見でした。政治家は運動ではなく現実を考えるという話でした。

 確かに、私の主張とは大きく異なると思います。しかし、オンラインだったとはいえ、直接こうして話ができたことにより、考えが色々とあるということが理解できましたし、決して政治的スタンスで威勢のいい話をしているのではないと感じた次第です。
 こうした立場が違う者同士、国会議員同士の意見を交換する場は非常に重要だと感じました。決して罵倒という論破をしない。お互いの意見に耳を傾ける。日本の国会にいると、こんな当たり前のことを忘れてしまいそうです。

 私は、こうした対話を重ねて、お互いの理解を深めることが大事で、信頼関係を積み重ねていくことが偶発的な衝突を起こさない第一歩だと信じています。もちろん、現実的な対応も大事で、東アジアに非核地帯を作ることや、朝鮮半島の非核交渉を進め、北朝鮮・韓国・日本が同時に核兵器禁止条約に参加をすれば「北朝鮮は核兵器の完全廃棄とその検証の義務づけ」となります。韓国と日本は「米国の核を自国に配備できなくなり、アメリカの核使用の援助をしない」ことが法的に義務づけられます。これは、北朝鮮からすると日米韓の核の脅威が激減するメリットにもなります。

【Asia Pacific Leadership Network APLN official Twitterから】

 政治的スタンスで脅威を煽ったり、逆に非現実的な理想だけを叫ぶことはしないことが、大事であると感じます。核を行使できる政治的リーダーが常に理性的な判断ができるとは限らないうえ、メディアや国民世論に押されて正しい判断ができない場合もある訳ですから。

1972年 生物兵器禁止条約
1993年 科学兵器禁止条約
1997年 対人地雷禁止条約     
2008年 クラスター爆弾禁止条約
2017年 核兵器禁止条約

 対人地雷はかつて50か国以上が生産していました。今日では数か国になっています。輸出していた国は34か国、禁止条約発効後は、対人地雷の輸出入は、条約に加入していない国を含めて、まったく確認されなくなりました。クラスター爆弾を製造してきた米の複数の企業は、禁止条約の発効後に製造を中止しています。

 条約は国際規範です。例え参加していなくても、このように世界を変えていく力を持っています。数々の条約がそれを示しています。今日のシンポジウムに参加した私達国会議員や有識者が先頭となって、新しい道を作っていく機運を高め、努力をしていくことが大事であると再確認をしました。

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