済州フォーラムに参加「日韓女性議員連盟の創設を!」

 9月14日から9月16日の日程で、済州フォーラムに参加しました。

 韓国のチェジュ・フォーラムに超党派の議員4人で昨日から参加しています。潘基文元国連事務総長など錚々たるメンバーが参加をしています。様々なラウンドテーブルが開催され、私たち日本の議員団は本日の午後に、韓国議員団と未来志向の日韓関係について議論をします。

 1番右の登壇者が私です。国際的な女性議員議連の話は各国の在韓大使や公使の心に響いたようで、後の晩餐会で大使達のテーブルで話を聞かせてと複数の大使館員が私の元に来ました。私は次の予定があり会場を後にするタイミングで伺えませんでしたが、何だか実現しそうな気がしてきました。

 この時の発言が好評で、帰りの飛行機で荷物が出てくるのを待っていた時に、また記者の方から「発言が良かった。支持します」との声を頂きました。あまりにも多くの知らない人たちから褒めてもらえるという謎現象が発生しているので、皆さんに発言主旨をシェアします。

【チェジュフォーラム発言主旨】
 日本の参議院議員の塩村あやかです。
 発言に入る前に、見てみてください。私以外の登壇者が全員男性です。これを踏まえて、最後に提案をしたいと思います。
 日本と韓国が不幸な歴史を乗り越え、国交を正常化してから半世紀以上が経過し、今や経済、社会、文化のあらゆる面で日韓間の交流は日常的なものとりました。
 懸案となっている問題のほとんどは政治的な側面であり、先に日韓の議員が述べた通り、数多くの政治課題が横たわっていることはご承知のとおりです。
 このような日韓間の懸案事項の中には、日韓両国の時の政権が政治利用や、外交カードとして利用した事により、必要以上に問題解決が困難な状況に陥った案件もあると思います。
 未来志向の「関係構築」を進めていくためには、そうしたわだかまりのない、まさに新しい政治の力が必要です。その点に関して私は、特に日韓両国の若い議員が積極的に声を発していくことが重要だと感じております。
 2週間前、私は、所属政党の若手議員とともに韓国を訪問し、韓国の与党と、野党の両方の議員と意見交換をいたしました。夜はご飯も飲み会も。私の印象でありますが、韓国の若い議員との議論を通じて、政治的に困難な課題についても同じ感覚を持ち、考えを共有することができると感じました。
 日韓の首脳同士が直接会談をする、いや、しないというような、つばぜり合いを始めることに比べて、私たち日韓の若い議員は、染まっていない白い紙の上で未来に向けて議論を重ね、大きな絵を描くことができるはずです。
 現在、日本と韓国の関係は、大変重要な局面にあります。それは、この北東アジア地域の平和と安全が大きく脅かされているからです。近隣には北朝鮮の核・ミサイル問題があります。北朝鮮が近年、ミサイルの開発を進め、多様な種類の発射実験を繰り返していることは、日本、韓国の両国にとって直接的な脅威です。
 また、中国の台頭は、日韓両国の共通課題でもあります。日中関係、中韓関係は、両者とも経済的に深く結びついており、近年の米中対立の影響を強く受けることになりました。台湾をめぐる最近の情勢も注視する必要があります。
 ロシアによるウクライナ侵略をみれば、この地域でいついかなる形で危機が発生するかわかりません。経済や安全保障の観点から、米中対立の偶発的な危機を防ぎつつ、アメリカと中国の両者を包括する地域秩序を構築しなくてはいけない点で、日韓両国の立場は共通しています。
 さらに日本と韓国は、国際社会の主要国となった現在、東アジア地域だけでなく、グローバルな観点からも国際社会に貢献し、両国の役割を考えていくべきです。
 私は 4 日前まで、(WFP国会議員連盟のメンバーとして)ラオスを訪問いたしました。ラオスでは、ご承知のとおり中国主導で進められたラオス・中国鉄道が昨年開通し、今後も壮大なインフラ計画が進められています。中国の一帯一路戦略により強行に進められた巨大プロジェクトであり、債務の問題が指摘されていますが、今後、ラオスが中国に大きく依存することは避けられないはずです。
 これは一例であり、中国はその経済力によって、他のASEAN諸国にとってもますます大きな影響を及ぼすことが予想されます。日本は、このような中国の一帯一路戦略をはじめとする地政学的な影響力に対して、自由で開かれたインド太平洋を標榜し、地域の各国と協力して地域秩序を構築しようと外交努力を行っています。
 これには韓国との協力も重要になってきます。ラオスだけでなく、ASEAN各国に対する協力を日韓が連携して行うことで、無駄をなくし、さらにはより大きなプロジェクトを動かすことも可能となります。また、こうした日韓両国の取組が、環境やエネルギー分野など、地球規模の課題に対する協調に結びつけばグローバルな国際貢献となりますし、ひいては、日韓関係の深化にも結びつくと思います。
 最後に提案です。
 こうした政治課題は右に座っている議員の皆さんに引き続きご尽力頂き、日韓女性議員連盟を作りませんか。新しい関係を女性議連で作るというのはどうでしょうか。日韓に限らず、世界で女性議員議連を作るというのもいいかもしれません。こちらを提案して、私の意見とさせて頂きます。

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