杉田政務官、大串副大臣、就職氷河期・新しい資本主義、こども・女性政策 4大臣と質疑 ~内閣委員会~

 本日の内閣委員会は「大臣所信に対する質疑」です。塩村は杉田水脈総務政務官の問題、大串正樹内閣府副大臣等旧統一教会と政務三役との関係、就職氷河期世代支援・新しい資本主義について、こども・女性政策について等を、松野博一官房長官、小倉將信男女共同参画担当大臣、後藤茂之経済財政担当大臣、谷公一国家公安委員長等と質疑を行いました。

 塩村あやかの質問は「0:40:25」からです。

【杉田水脈総務政務官の問題】
 まず、杉田政務官に対し、性暴力被害者を侮辱する「枕営業の失敗ですよね」「見苦しい 品性の無い 情けない」「どう考えてもカネを掴まされた工作員」「ジャーナリストになる為のコネを作ろうとホテルに行ったのに、上手くいかなかったと分かるとレイプされたと虚言を吐き始めたのです。」というツイートに「いいね」をしたのかと問いました(なんと塩村の質問の最中に杉田政務官から笑い声が!)が、杉田政務官からは「高裁の判決を受けてただいま検討中」との答弁、自分がした事実関係も答えられませんでした。

 小倉大臣には杉田政務官の10月20日の判決についての受け止めを聞きました。
 小倉大臣からは、「性犯罪性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、心身に長期にわたり重大な悪影響を及ぼすものと思っている。被害者が勇気を出して相談しても、二次的な被害が生じ、被害を誰にも話さなくなる、といった悪循環が起こることが無いようにする必要がある。このような観点から、性犯罪の被害者に対する誹謗中傷は許されず、一人ひとりが注意を持って行動することが重要」との答弁をいただきました。

 塩村から改めて杉田政務官に、これまでの言動、高裁判決等は、#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)をスローガンに、SNS等における誹謗中傷対策に取り組んでいる総務省の政務官として不適格であり、政務官の辞任を求めました。
 また、松野官房長官にも任命責任を問いました。

【旧統一教会問題について】
 次に、大串副大臣に対して、消費者委員会、消費者庁、消費者政策会議を担当する副大臣として、また、霊感商法等の悪質商法への対策検討会も所管している副大臣としては不適切であり、大串副大臣本には副大臣の辞職を、松野官房長官には副大臣の交代の検討を迫りました。
 また、先週金曜の質問通告の際に、内閣委員会所管の大臣、副大臣、政務官の計19名について、旧統一教会との「政策協定(推薦確認書等を含む)に署名」、「旧統一教会の関係者を議員会館や国会議事堂、各省庁に入館させた」者がいるか調査を依頼しましたが、調査していないとのことでした。

【就職氷河期問題・新しい資本主義について】
 次に、就職氷河期問題の「ひきこもり」対策として、短時間雇用の支援が重要と考えており、東京の東久留米商店街の例をあげ、好事例の横展開等、支援の拡充を検討してもらえないかと後藤大臣に問いました。
 後藤大臣からは、「就職氷河期世代の置かれた状況はさまざまであり、実情やニーズにあわせて多様な就労や社会参加の場を提供することが重要。指摘の短時間の就労や週に数日の勤務などいわゆる中間的就労については、直ちに一般就労が困難な方に対する社会参加や、就労支援の取り組みとして大変期待できる。厚労省では福祉事務所を設置している自治体等にマッチング等を支援する担当者を配置して、個々の段階やニーズにあわせた多様な社会参加や働き方の提案ができるよう訓練先企業開拓、訓練先での業務の切り出しなど受け入れ体勢整備の支援を行っている。その上で、支援対象者の特性と企業側の体制等を踏まえたマッチングを実施している。さらに、令和5年度概算要求においてマッチング後の支援対象者と訓練先企業との双方のフォローアップや定着を図るための支援を行う予算要求も行っている。加えて、今回の総合支援対策に盛り込んだ地域就職氷河期世代声援交付金は地方公共団体による先進的積極的な取り組みを支援するもので、これを通じてひきこもり状態の方々の社会参加や、就労の支援を後押ししていきたい。今後も就職氷河期世代の方々が置かれた状況や多様なニーズを踏まえ、短時間就労も含め、そもそも働くことや社会参加の支援にきめ細かく取り組んでいきたい。」との答弁をいただきました。

 また、奨学金返還の延滞している人のうち40代と50代で約4割を占め、その半数は非正規又は無職であり、奨学金の控除税制の導入や交付金を活用した補助の拡大等、応援をすべきと訴えました。
 後藤大臣からは「奨学金支援の在り方ですが、就職氷河期世代のみならず20代や30代前半の若者も含めて幅広い年齢層を念頭に検討していく必要がある。奨学金制度を所管する文科省とも意識を共有して行きたい。また、内閣府では地域就職氷河期世代支援交付金を通じて地方公共団体による先進的積極的な取り組みを支援している。今年度は大阪府枚方市が交付金を活用して就職氷河期世代の奨学金返還を補助する事業を行っている。今後も本交付金を通じて地方公共団体の取り組みを支援すると共に、取り組み事例集の作成、周知等によって優良事例の横展開を図っていきたい。」との答弁をいただきました。
 また、NPO支援として、遺贈寄付のみなし譲渡課税の適用除外や寄付の返礼品問題についても指摘をさせて頂きました。

【こども・女性政策について】
 まず、➀NPOの女性代表は雇用保険に加入できず、「育児休業支援金」が支給されない。子育てと仕事との両立が困難になっているので、改善して欲しい。
 ➁フードバンク支援税制・食料品寄付促進税制の広報とともに、廃棄・ロスの多い医療や学用品、家電などの食品以外の物品寄贈・寄付についても全額損金算入をして欲しい。
 以上2点を要望しました。

 次にAV出演被害に関し、被害者支援団体への誹謗中傷や、公表していない相談窓口の外観をさらすなどの行為がネット上を中心に行われており、相談支援にも影響が出ている。このことについての政府の見解を伺いました。
 小倉大臣からは「AV出演を含む性犯罪性暴力の被害者を支援する団体への誹謗中傷などにより、その業務に支障が生じた場合、被害者が支援を得られなくなり、泣き寝入りや二次被害を招く恐れがあるものと考える。被害に会われた方や支援団体等の声は性犯罪性暴力の根絶に向けた社会的機運の情勢に大きな役割を果たしてきたものあり、このような声がかき消されることは会ってはならないと考える。」との答弁でした。

 次に、新たな性犯罪を防ぐためにも、被害者支援団体に対する刑法犯に当たるような侮辱、名誉棄損、業務妨害などの行為に対しては、毅然と取り締まるべきではないかと政府を質しました。
 谷国家公安委員長からは「警察においては、インターネット上も含めた誹謗中傷、業務妨害等に関し、相談や被害の届け出がなされた場合には、被害者の心情に寄り添い、被害届をすぐに受理するなど適切に対応している。また、告訴については、要件が整っていれば、これを受理し被害者の立場に立って誠実に対応することとしている。その上で、警察では、刑罰法令に触れる行為が認められれば、個々の事案の具体的な事実関係に即して法と証拠に基づき適切に対処することとしている。引き続き被害者の心情に配慮した適切な対応がなされるよう警察庁を指導して参りたい。」
 また、これは各警察に届くように指導するのか。の問には。
 「当然だ。末端まで、都道府県警察の警察署、あるいは、は派出所駐在所に至るまで徹底されると思っている。」との答弁をいただきました。

 次に、SNS上で個人によるAV撮影の募集が行われており、AV出演被害の温床となる懸念がある。一部にAV出演被害防止・救済法への批判としてアングラ化への対応が不十分というものがある。このような誤解が広がると個人AV撮影により被害にあった方が諦め、泣き寝入りする危険があると考えている。改めて、法律がいわゆる個人AVや同人AVにも適用されることを積極的に周知して欲しいと要望しました。
 小倉大臣からは「AV出演被害防止・救済法の対象となる製作公表者は、出演者との間で出演契約を締結し、又は、締結しようとするものであって、指摘のとおり、事業者であるか個人であるかを問うものではない。このため個人としていわゆるアダルトビデオを製作公表している場合にも本法は適用され、出演契約書等の不交付や虚偽の記載等があった場合には罰則の対象となり、厳正に対処されることになる。内閣府としては、製作公表者が、事業者であるか個人であるかは問わず被害者の方の救済が図られるよう、引き続きSNS等を活用して法制度や相談先の周知に努めていきたい。」との答弁でした。

 さらに、AV出演被害防止・救済法には、契約書や説明書の不交付や任意解除の妨害に罰則がある。いわゆる個人・同人AVを含め、このような行為を厳正に取り締まるべきと政府を質しました。
 谷国家公安委員長からは「アダルトビデオ出演被害に関する問題は、被害者の心身や生活に長期間にわたって悪影響を与える重大な人権侵害であり、深く憂慮する問題であると認識している。警察では、アダルトビデを出演に関し被害を認めた場合には、撮影や公表するものが、事業者であるか個人であるかで関わらず法令を適用して取り締まりを推進して来たところであり。引き続き、AV出演被害防止・救済法を含む各種法令を適用し、厳正に取り締まりを行われるよう警察を指導していく」との答弁をいただきました。

 コロナ禍以降、インターネットなどで「パパ活」が増えているといわれる。「パパ活」の多くは売買春であり、このような行為がはびこるのは問題ではないか。売買春の根絶に向けた男女共同参画担当大臣としての見解を問いました。
 小倉大臣は「指摘のとおり。いわゆる「パパ活」や「援助交際」などなんと呼ぶかに関わらず、売買春に当たる行為は性を商品化して人間の尊厳を傷つけるものであり、その根絶を目指す必要がある。このため男女共同参画基本計画において売買春の対策として関係法令の厳正な適用と取り締まりの強化、売買春からの被害からの女性の保護などの施策を盛り込み、関係省庁による取り組みを推進している。また、売春等による性的搾取の加害被害の当事者になることを防ぐため、広く啓発に取り組むことも重要と考えている。内閣府としてもパパ活の言葉を使いながらそれぞれの層に向けた動画を作成するなどの取り組みを行っていく。引き続きさまざまな機会を捉えまして広報啓発に努めていく。」との答弁をいただきました。

 また、売春防止法を改正して、性を買う側の「ネットでの勧誘行為」が処罰されるようにすべきではないかとの問には、「性的搾取が助長される実態、買う側の行為、処罰とする行為の規定等慎重な検討が必要」との答弁でした。

 最後に、総理に、明石市長、奈義町長に会うように小倉大臣から働きかけて欲しいと要望しましたが、小倉大臣からは「大臣就任以来、世田谷区や町田市を訪問、今後は鎌倉市を訪問する予定。明石市長も経団連のフォーラムでお会いをしてお話をじっくり聞いた。どこで誰に会ってどういう風に話を聞くかについては、今後事務方とも相談して適時適切に決めていきたい。いずれにしても、自治体の声現場の意見を第一に大切にしながらこども政策を着実に進めていきたい。」との答弁でした。 塩村からは最後に「総理が直接会った方が良い」再度要望して質問を終えました。

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