「関係省庁と連携しこれまでの取り組みを加速化させるための方策について積極的に検討していく」上川外務大臣 ~ODA沖縄北方特別委員会

 本日、政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会「大臣所信に対する質疑」が行われました。
 塩村は、フィリピン残留日本人二世の救済について、上川陽子外務大臣、自見はなこ内閣府特命担当大臣等と質疑しました。

 塩村あやかの質問は「0:14:25」からです。

本日の質疑の内容は以下の通りです。

【フィリピン残留日本人二世の救済について】

塩村:無国籍のフィリピン残留日本人2世の問題が生まれ、未だ解決しない理由は。
林外務省大臣官房参事官:まず、フィリピン残留日系人問題の経緯は、第二次世界大戦前、多くの日本人労働者が職を求めてフィリピンに移住しており、1930年代後半最盛期にはフィリピン残留邦人数は約2万4000人に達した。
 しかし第二次世界大戦とその後の混乱の中で、在留邦人の戦死や米軍による本邦への強制送還などの結果、日本人と結婚していたフィリピン人配偶者とその子供、いわゆるフィリピン残留日系人の多くの方々がフィリピンに取り残された。
 これらフィリピン残留日系人の方々は、大戦中からフィリピン国内での反日感情の高まりにより、戸籍関係の書類を焼却するなど身分を隠して生活せざるを得ない状況となり、そのため日本人父の国籍確認ができない状態となり、また1973年まではフィリピン憲法が父親の国籍をもとに子の国籍を認定する、父系血統主義を採用しており、その多くの方々が無国籍の状態になった。その後、日・フィリピン関係の改善とともに、徐々に反日感情が和らいだことを受け、1980年のダバオ日系人会発足を皮切りに、フィリピン各地に日系人会が組織されたほか、1992年にはフィリピン日系人会連合会が発足し、残留日系人が一体となって国籍確認を求めるようになった。
 またフィリピン残留日系人問題の未解決の理由は、1995年以降日本政府は日系人会等の協力を得て実態調査等を通じた身元確認や就籍を進めてきたが、家庭裁判所等での就籍手続きのために必要な過去の資料の収集等に時間を要している、といった課題があると認識している。

塩村:出生当時は日本もフィリピンも「父系血統主義」の時代。つまり当時フィリピンで生まれた、父が日本人の子は「日本人」で間違いないか。

上川外務大臣:ご指摘のフィリピン在留日系人の方々は、まさに今説明したとおりですが、日本人父の国籍確認ができない状態で、さらに1973年までフィリピン憲法が父親の国籍をもとに子の国籍を認定する父系血統主義を採用していたことから、その多くが無国籍の状態となった。
 また一部の残留日系人は、母方の祖父等との養子縁組を通じて、フィリピン国籍を取得をすることになった。
 フィリピン在留日系人の方々の高齢化が進む中で、希望する方々の1日も早い国籍回復をはじめとする支援を進める必要があると認識をしている。

塩村:12月14日に残留日本人2世が来日予定。要望しておいた出迎えはどうか。答弁では「この二人の方の出迎えにつきましては、今後何ができるか検討したい」とのことだったが、あれから3週間。来日も近づいた。検討の結果は。
林外務省大臣官房参事官:外務省としては、フィリピン残業日系人の問題の対応を重視しており、指摘の出迎えを含め、今後何ができるか引き続き今検討している。

塩村:大臣所信で「日本は責任ある主要国」との発言があった。その他、2名の来日に対して責任ある政府としてできることや、検討をしていることはあるか。また、その方向性や内容は何か。
上川外務大臣:外務省としては、このフィリピン残留日系人の方々の高齢化が進む中で、フィリピン残留日系人の方々への聞き取り調査を含め、1995年から計17回の身元確認につながる実態調査を実施している。
 特に直近の取り組みとしては、2016年以降当該聞き取り調査に在フィリピン日本大使館員及び領事館員を立ち合わせ、聞き取り調査の実施およびその内容を証明する証明書を発行しているほか、当該実態調査に係る予算をここ3年間で約6倍に拡大し、就籍申請に係る書類作業の迅速化や、また、厚生労働省に対し在留日系人の親族の軍歴等の身元紹介を支援をしている。
 フィリピン在留日系人の方々の1日も早い国籍回復等に向けて、この実態調査の拡充を含めフィリピン政府とも意思疎通しながら、これまでの取り組みを加速化させるための方策について積極的に検討していく。

塩村:今回の来日に対して何か政府としてできることはないか。
上川外務大臣:今答弁したが、委員からは出迎えを含めということだったが、今どんなことができるのかということについて検討している状況であり、なるべく早く結論を出していきたい。

塩村:沖北担当大臣として、できることはないか。沖縄で親族が名乗り出やすい環境づくりや、出迎え、沖縄でお二人との対話を考えて頂けないか。

自見大臣:お尋ねの件については、政府としては外務省においてこれまでも在留日系人の実態調査等を通じ、身元の確認や国籍の回復を支援していると承知している。
 今回訪帰されるフィリピン残留日系人の2人だが、沖縄県にルーツがあると思われる方々と聞いている。現在外務省において検討が進められており、私の立場から具体的なコメントは差し控えたいと思うが、戦前そして戦後を通じて沖縄から海外に多くの県民が移り住んでおられると認識している。沖縄担当大臣としても、外務省における支援の検討状況を注意深く見守りつつ、自治体による海外に住む沖縄出身者のネットワーク支援など沖縄振興の枠組みから対応ができることがあれば協力していきたい。

塩村:残留日本人2世問題は、問題の解決ではなく、2世の高齢化による死去により、問題の消滅になると危惧されている。現在把握できているのは、151人にまで減少しているが、就籍は簡単ではないと言われており、中国残留邦人支援法の改正などでフィリピンの2世の救済を、中国残留孤児と同等に行うことなどをそろそろ本気で検討すべき時期ではないか。また、政府の予算で日本へ一時帰国親族探しをすべきではないか。
上川外務大臣:この中国の在留邦人等については、戦後の現地情勢を含む様々な理由により日本に帰国することが困難であったという事情に鑑み、厚生労働省において中国残留邦人等支援法に基づき帰国旅費の支給等の一定の支援を行っている。
 他方フィリピンの在留日系人については、日本国籍を有していない場合や、また身分を隠して生活をしていた場合などあり、中国とは事情が異なっていた。
 フィリピン在留日系人による本邦渡航については、ご指摘のようなご家族を探すということを通じて国籍回復に必要な情報を得るためにも大変重要な機会の一つだと考えている。
 外務省としては、このフィリピン在留日系人の方々の1日も早い国籍回復等に向けて、在留日系人の身元確認につながる実態調査に係る予算を、ここ3年間で拡大をしてきた。こうしたことをすでに取っているが、ご指摘もあったが時間に余裕もないというところも勘案しながら、関係省庁とも連携し、これまでの取り組みを加速化させるための方策について積極的に検討していく。
塩村:是非取り組んでいただきたい。

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