「国際人道法を遵守するよう引き続き呼びかけていくことが必須」 ~外交・安全保障調査会~

 本日、外交・安全保障に関する調査会が開催されました。
 当調査会での今年のテーマは「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」です。
 本日は、このうち「武力紛争等と人道主義の実践・再構築に向けた取組と課題」について参考人質疑が行われました。

 塩村あやかの質問は「2:33:00」からです。

 参考人からの意見陳述の後、各会派からの質問が一巡した後、塩村も質問しました。質疑の内容は、以下の通りです。

塩村あやか:ICJ規約に基づき、75条1項2項。2月12日に追加措置の緊急要請を提出している。これは、ジェノサイド条約第2条についてであり、裁判所に75条1項に基づく権限を行使させる必要があるのではないか、緊急の問題として検討して欲しい、という内容になっている。これは南アフリカが出しており、私はこうした対応は重要ではないかと思っている。この南アフリカの対応について、今後の人道支援への影響、そしてこの緊急要請への先生の評価を伺いたい。

松井芳郎参考人(名古屋大学名誉教授):ICJは南アの要請に応じて暫定措置の命令を出して、一部では即時停戦を命じなかったのは不十分だという批判があるが、この事件の管轄権の根拠になるのは、ジェノサイド条約であるので、ジェノサイド条約に関わった暫定措置でないとICJとしては出せない、ということだろうと思う。
 南アもおそらくそのことは承知していると思うが、結果として停戦自体が命じられなかったら残念だということは理解できるが、ICJとしては、そういう管轄権の範囲内でしか暫定措置も命じられないという限界があることも、我々は理解しなければならないと思う。
 なお暫定措置については、長年、法的拘束力があるのかどうかという争いがあったが、20年ぐらい前、ICJの意見の中の判断の中で、拘束力があるということを確認されているが、学者の中で拘束力がないというコメントをした人もいるので、国民どころか学者の認識もいい加減なところがあると感じている。

塩村あやか:日本国際ボランティアセンターと東京大学大学院の渡邉英徳教授の調査で、ODAで日本が支援をしてる施設にも相当の被害が出ているということが明らかになり記者会見がされた。私は本当に問題だ思っている。
 現地で活動をされる方の視点から、日本はこうしたことに対してどのようなこと、行動をとるべきなのかアドバイスがあればいただきたい。

村田慎二郎参考人(国境なき医師団日本事務局長):実際にシリアでもそうでしたし、今ガザで起きていることは、自分たちのチームの目の前で医療、病院が攻撃をされている。無差別攻撃の一環として攻撃されている。これは、WHO、世界保健機関が記録した数字、10月からの3ヶ月で800件を超える医療の攻撃が確認されている。この中立的な国連機関からの数字は参考にしていただき、我々が現場で目撃している証言も参考にしてもらえば、医療への攻撃というのが現実にどれだけ起こっているかは明らかだという風に考える。
 こういう紛争の被害者というのは、空爆や砲撃を受けた負傷者だけではなく、妊婦やがんの患者、高血圧の患者、たくさん他にも見えない部分で患者さんがいる。
 水と衛生面での環境が悪い、食べ物が手に入らないということを考えると、そういった面からの様々な病気の疾患率の増加というものも懸念される。
 ここはやはり、国際人道法を遵守するよう引き続き呼びかけていくことが必須だと考えている。

塩村あやか:ODAの特別委員会にも所属しているので、こうした観点も伝えていきたい。

塩村あやか:国際人道法の促進の課題があるとのことだが、どのようにこの国会で取り組んでいけばいいのか、具体的にいくつかアドバイスをいただきたい

榛澤祥子参考人(赤十字国際委員会(ICRC)駐日代表):日本における国際人道法の普及については、省庁横断の取り組みが非常に重要と考えている。
 例えば、日赤と外務省が主導している国際人道法国内委員会という仕組みがある。ここを通して国際人道法の普及について、その関係省庁が横断的により詳細に考えるという試みが必要ではないかと考える。
 各国への遵守の働きかけは、日本と各国のバイの会合や国連といったマルチの場で、強いメッセージを発信していくことが重要だが、「国際人道法のいろは」という本を配布したが、皆さんに国際人道法を理解してもらうのが第一のステップになると思う。
 その理解促進については、ICRCとして、いかなるサポートもするので、ぜひお声掛けいただきたい。

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