【ちょっと感動したおもてなし@大崎駅】東京で接客、リモートワークで兵庫で働くまやちゃん(障がい者就労支援)

「はやく来~い」と言わんばかりに、遠くで手を振るロボットがいる(笑)。本当に手をパタパタと振っている。
行くと、カウンターにちょこんと鎮座する緑の目のロボット。オリヒメという。「いらっしゃいませ~」と明るい声で迎えてくれるが、ロボットの声ではない。そう。ちゃんと人間が私だけのために言葉を発してくれているのだ。

その正体は…?

モスバーガー大崎店には、このロボットを通じて2名の障がい者が働いるのをご存じだろうか。私が行った時には兵庫の「まやちゃん」が担当だった。東京のレジに立っているのは、兵庫県にいるまやちゃんなのだ。とっても明るい。愛嬌もある。接客業にぴったりの才能がある。まやちゃん達は、中で操縦をして働いているという意味で「パイロット」と呼ばれている。

 

「ゆっくりレジ」に並ぶと、このロボットを通じてまやちゃんがオーダーを受け、厨房へオーダーを通す。支払いは隣の有人レジに行くことになるが、何という感動だろうか。しかも、ちょっと楽しい。政治家になると議員が痛感するのは、多くの障がい者が就労困難であったり、低賃金で働いているということ。しかし、このロボットは家から出ることのできない人でも自宅でこうして就労し、隣で働くスタッフと同じ報酬を受けることができる。「すごくいい!」と感じた。身体に障がいをもつ人や、引きこもりの就労支援につながるのではないかと思う。

しかし、課題もあるという。

モスバーガーの執行役員の安藤氏に話を聞いてみると、ロボットの中(?)で働くパイロット育成に相当の時間とコストがかかるのが現実であるという。モスバーガーではこうして店舗での活躍の機会を提供することと、ロボットのリース代は社会貢献できるが、ひとりあたり20万円ほどかかる研修育成までは現状では難しいとのこと。

大崎店の社会実験では、オリヒメロボットを作成している会社に委託をする形でスタートをし、まやちゃんもその会社からの紹介で働いている。広げていくには、クリアしなくてはいけない課題があることが分かった。

 

人手不足解消という意味での推進は、コロナによってバイト切りが多くなり難しそうだ。オリンピックや観光目的で観光客が日本に押し寄せることも暫くはなさそうである。しかし、新しい生活様式として「狭いカウンター内が密にならず」、ホスピタリティも提供できるサービスとしては十分可能性も感じる。障がいをもつ人や、引きこもりを含めた全ての人が就労の機会を得る契機ともなる。

多くの人が働き、社会参画をし、生き生きと暮らせる日本にしていくために活用できないだろうか。考えていきたい。まずは、モスバーガー大崎店「ゆっくりレジ」へ。まやちゃんが緑の目を光らせながら、手を振ってくれるはずである。

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